転移してしまいました
「あ、たたたたた」
突然の出来事で何もできずに魔術にひっかかってしまったことは科学の発達していく世界で神秘に生きる魔術師として恥ずかしいことであったが、今はそんなことを気にすることなどできない。今、現在進行形の形で痛い目にあっているのだから、そんなことを気にするより先に・・
「お前らどけよ」
そう、転移の影響などなんて絶対にありえないが、志楼のうえに男二人と女子一人が乗っている状況なのだから、まずは苦しいことこの上ないだろう。
「ぁああ!!・・・・ごめん」
「すまん」
「ご、ごめんね?」
「謝るぐらいなら、早くどいてくんない?それに、巳音もさ何で疑問系なんだ?」
そんなやり取りをしている間に人間積み木は崩れていく。全員が自分たちが今いるところを確認するとそこは床は石のタイル張り壁はレンガ上で柱なんて、どこか雰囲気を大事にするような魔術師でもいなければ作られることなんてありえないように神殿のような感じだ。そして、自分たちの足元には魔術師である志楼ならともかく一般人である境 巳音 玖月 では日本のサブカルチャーである漫画ゲーム小説で見慣れたであろうものがあった。
その正体は・・・・・・魔法陣であった。
「これって・・・」
「も、もしかして・・・・」
「よくあるアレのことだよな!」
「・・・・・・・・・」
「ちょっと!志楼!そこは何か言うところでしょ!!」
「あ、あぁそうだな。やっぱりアレだよな?」
「魔法陣だよね!」
巳音はそういうと興奮を隠し切れなさそうな様子だった。
「なんと摩訶不思議なことが起こるのだな」
「異世界・・・・・・だ・・と?」
「と言うより。こういう流れってさたいてい人が来て「勇者様!この世界に危機です!助けてください!」とか言われるようなところだよな。それに巳音もふざけないで」
「じゃあさっ!誰が勇者なのかな?」
志楼は考える。この魔法陣は自分の知るものと一部差異があると言っても言語が違う程度の違いだが構成している陣は、大きいののなかに正五角形を描くように五つの陣で構成して大きな陣の中にあると言った具合だった。
「でもこの世界を救ってくれと言われたら、どんな心情だ?」
「「「うぼわぁ」」」
「だろうな。」
(「にしてもマナの濃度が濃いな。まるで霊脈や龍脈の近くにいるような感覚だ。やっぱり違う世界と言うことになってしまうのか?考える材料が少なすぎる。とりあえず探知をしないと」)
「ねぇねぇ皆見てよ」
境が、呼んでくるのでそちらのほうを見ると片手で逆立ちをしている境がいた。
「何をしているのだ?」
「何してるの?・・・・って言うか境くんそんなことできたっけ!?じつはWRYYYYYYとか言って人間やめてたの?」
「それにお前さっき自分でふざけないでと言いつつ自分はふざけるのだな、ブーメランがきれいに刺さって折るぞハハハハハ」
「ぐ・・・」
「いやまて、そんなことそいつにはできないし。そんな簡単に人間をやめれないし、やめられたか怖いわ、巳音おまえは自分で自分の黒歴史を掘り返すのか?それにそいつは100%境だ。」
「確かにな」
「っく・・・・ならそんな玖月くんと志楼くんに質問です。なぜ境くんだと?」
「「・・・・勘」」
「えぇーーそれじゃ答えじゃないよ~~」
「じゃあ巳音はあのアホ面が境以外の誰だと?」
「っく・・・・確かに」
「いや、巳音もそれで納得しないでくれ。それに志楼、アホ面はひどいと思うぞ」
「わーい僕には何も聞こえなーい。ひどいなんて聞こえなーい」
「ガッツリ聞こえてるじゃん!」
そうこうしていると。大きな扉が開いた。