ではなろうがハーメルンよりも上になった理由はなんだろう?
さて、arcadiaが衰退してなろうやハーメルンなどがそれに成り代わったのは結局のところ批判対策・荒らし対策の違いというか、時代が変わったことに対して荒らし対策の意識や実際の運営のシステムの切り替えがarcadiaにはできなかったことよるものでしょう。
では、なろうがハーメルンよりもずっと有名なサイトになれたのはなぜかといえば、なろうはにじファンと言う二次創作サイトを切り捨てて、一次創作だけに絞ったこと。
2011年から2014年頃は総合ランキングの変動も激しく面白い作品を比較的簡単にランキングで見つけることができたこと。
2008年頃からケータイ小説が売れなくなって、商用ラノベもハーレム物が飽きられつつあり、それに変わって売れる作品を探していた元ケータイ小説の編集部などがなろう小説を書籍化してそれが一部大成功したこと。
初期は書籍化された作品を金を出して買うファンなどの比率が高く書籍化すればある程度売れる見込みがあったことなどでしょう。
それによりなろうから書籍化を目指す作者も増えて、作者の母数が増え、実質的な数としては質の高い作品が増えたことなどかなと思います。
割合としては数話でエタった作品や駄作の数のほうが多いとは思いますけどね
実際なろうの後にぞくぞくとWEB小説投降サイトはできてますが、いずれもなろうを抜くことはできていません。
その理由は現在の所は作者にとっての書籍化の可能性が一番高そうなサイトであることに加えて、読者にとってもなろうが一番使いやすいサイトであるからだと思います。
なろうは全体的にシンプルで画面が見やすいという点では、後発であるカクヨムがやたらとトップページがごちゃごちゃして見にくいのと対象的です。
また、これはなれなどもあるのでしょうけど、なろうのランキングはポイントなどでどのくらい人気なのかわかりやすく、適度にランキングに乗っている数が多くてわかりやすいのですが、やはりカクヨムは文字情報が詰め込まれ過ぎの割にはポイントなどがわからないのでごちゃごちゃしている上に分かりづらいように感じます。
カクヨムだけでなく、ツギクルやマグネットなどにしても”作者”にとって投降フォームが使いやすい、出版社が運営してるので書籍化しやすい、投銭機能があるなどでお金を稼げるかもしれないなどのメリットは明示されてるんですが、読者にとってはなろうより使いやすいかどうかが考慮されてないように感じるのですね。
だから読者としての登録ユーザーが増えにくいのではないかと。
後は、それらのサイトの作品はなろうとの複数投稿が多いので、それらの新しいサイトでわざわざ読む必要がないというのもありそうですが。
個人的にはハーメルンのランキングがなろうより分かりづらいということはないのですけど、ハーメルンは書籍化とかそういったことは考えてない、本当に趣味で書いてる人が集まってる所なので、なんとかして書籍化したい! というような人にとってはメリットはあまりないサイトのように思いますので人が増えにくいのかなと。
もっとも”小説家になろうで年間一位”みたいな煽りが有効だったのは恐らく2016年か2017年くらいまでで、その頃になろうで書いていた、5チャンネルなどではなろうゴロと揶揄されてる商業作家さんの名前がなろうのランキングからほぼ消えてしまったことを考えると、なろうで書籍化すればある程度売れてカネになるという時代は完全に終わったのでしょうね。
以前はブックマークの1割は必ずなろうの読者に売れるとされていたようなのですけど。
そうなった理由は初期は書籍化に際してのサイトからの削除やダイジェスト化、中間的にはWEBでの連載と書籍化したときの面白さの差を考えずにそのまま書籍化していた出版社が結構あったように感じること。
最近はそもそもの書籍化数の増えすぎや売上が悪くて書籍の一巻打ち切り作品の多発や書籍化によるWEB更新頻度の低下やエタにより作者を潰したという出版社への信頼が失われて、書籍化された先品に金を出してもいいというファンの割合が減ってしまった、ファンの財布の中身にも限度があることを考えないで売れなくても多すぎな数を書籍化し続ける出版社全体の意識の問題、無料であるから読むのであって金を出してまで買う必要はないという読者の割合の増加なんかがあるような気がします。
2016年頃に問題となっていたなろうで相互クラスタなどの実質的なポイント不正や複垢によるポイントの不正、カクヨムのオレオ問題など作者側のモラル低下によるランキングに対する信頼性の低下も大きく関係するとも思いますが。