彼女達は自分達の果てしない欲望を追い求め続ける
「はぁ。」
夏休みまであと1ヶ月の7月の昼下がりに白神桜は憂鬱そうに深いため息をついていた。
その時、学校の中でも一番仲の良い牧野陶子が少しにやけながら話しかけてきた。
「どうしたのさくちゃん。学校一の美少女のさくちゃんでも悩み事があるのかね?」
白神は、少しむっとした顔をしながらふぅと深いため息を吐いて
「陶子ちゃん、そりゃあるよ。こっちにその気が無いのにほぼ毎日告白されるわ周りの女子に気を遣うわで疲れているんだよ。平凡な毎日でさ、退屈してるんだよ~。私はもっと刺激が欲しい!」
牧野陶子はふぅとため息をついて
「さくちゃんの言っていることは分かるけどさ、刺激って何さ?」
「刺激って言ったら刺激だよ。毎日同じ様な事が起きててつまらないんだよ。つまりね、陶子ちゃん。私はこの平凡な日々の中に変化が欲しいの!学校が爆発したり他に色んな人と話したり、ホモゲーやギャルゲーでいうイベントが欲しいの!」
と白神は陶器の様に滑らかで白い頬をぷっくりと膨らしていた。牧野はその話を聞いて苦笑いをしながら
「そんな事私に言われてもなぁ。てか、学校が爆発って何よ!テロか!そんな事起こるわけないじゃん。ほんとどうしたの ?さくちゃん。とりあえず放課後に2人でマクドナルドに行こうよ。私奢るからさ。そこでバーンと自分の悩みをぶちまけちゃおうよ。」
その後、2人はマクドナルドに行き、白神は自分の中にあるモヤモヤを濁流の様に吐いた。家に帰って白神はベットの上でゴロゴロと寝転がって考え事をしていた。私は一体何がしたいんだろう?何故こんなにモヤモヤしているのだろう?その日の夜は白神の頭の中には自分でも理解できない不可解なものがスライムの様にねっとりと纏わり付いて離れなかった。その後、ある少年とある部活の個性的な部員たちとの出会いが学校一の美少女、白神桜の高校生活の3年間を変えるとは本人もその少年もその部活の部員たちもその時はまだ全く想像していなかった。