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各国の思惑

ホワイトハウス


国家安全保障会議室はチリひとつなく片付いておりテーブル上には一点の曇りもなく磨き抜かれたグラスにミネラルウオーターが注がれている


大統領のドナルド・ポーカー

国家安全保障局のエド・スノーン

国防省長官のアッシュ・カーター


三人が豪華なソファーに深々と腰掛けていた


大統領補佐官のジャック・サザーランドが入って来るなり


倦怠と空腹の入り混じった奇妙なイラ立たしさを感じていたポーカーがまくし立てるように


「何があったんだ! テロ予告でもあったのか?」


「いいえ違います。日本の情勢に変化がありましたのでお集まり頂きました」


「沖縄で海兵隊がまた何かやらかしのか?」


「沖縄ではございません。説明より映像を見て頂いた方が早いのでモニターをご覧ください」


壁面には札幌ローカルTV局の映像や一般市民が動画サイトへアップロードした映像などが同時に12個のモニターで流された


流石のポーカーも唖然として

「これは・・・ハリウッドの新作ではないのだな・・・」


「はい、現実に数時間前に日本で撮影された映像です。また札幌駐留の自衛隊一個旅団は、NBC兵器による先制攻撃で壊滅したとの事です」



カーターが続いて

「非公式にですが、自衛隊高官からNBC対策装備に関して融通して欲しいと打診がありました」



相変わらずイラついた様子のポーカーは

「融通してやってもいいが、無料じゃないぞ、後でちゃんと請求しろよ!」



スノーンが初めて口を開いた

「札幌の米国領事館職員の安否は全員確認しており家族も含め全員無事のようです。」



流石のポーカーも領事館員の無事には胸をなでおろしたようで

「それは良かった、日本から在日米軍出動要請はないのか?」



スノーンが分析も含め話す

「現状、出動要請はありませんし、矢部総理は今回の事態を利用し憲法改正を狙ってますので自衛隊の力で解決したいと考えているはずです」


「馬鹿げた国だ。要請がないなら支援する必要はないぞ!支援した時はあとで実費を請求しろ」とポーカーが悪態をつく


「万が一の為と情報収集も含め空母ロナルド・レーガンを旗艦とした、第7艦隊を苫小牧沖に展開する用意をいたします」


カーターの言葉で会議は終了となった




クレムリン


何の飾りもない、修道院の内部のような裸かな室内でウラジ・アーチン大統領は大統領執務室でKGB長官からの報告を受けながら映像を見ていた


「指示は2つだ、まずサハリンへ機甲部隊を集結させろ、もうひとつは札幌の領事館にこの侵略者の情報収集と直接コンタクトし、我が国に迎え入れる準備があると伝えるんだ。森でも島でも山でも人が住んでない所なら好きな場所を与えてやると」


「承知いたしました」


「矢部には俺から直接連絡しておく、日本と衝突する必要はないからな」



中南海


恐ろしく派手な色彩が氾濫している懐仁堂の一角に、人民解放軍の高官が集まり日本の状況における中国の軍事プレゼンスを検討していた


メンバーは国家主席の湖、国防部長の馬、海軍上将の魚、空軍上将の鳥、国家安全部の耳である


最初に耳が報告を行った


「既に現地工作員へは指示を出しており、あらゆる工作の準備をさせております」


魚は拳を握りしめ机を叩き熱く語った

「こそこそと工作しても人民は喜ばん、北方に自衛隊が集中した時は、魚釣島奪還作戦を実施し我が国の力を見せつける時だ!」


鳥はタバコを吹かしながら冷静に

「動くのは陸軍だけだろう、海軍空軍の展開は僅かな物になるはずだ。それにここで我々が動けば国際社会の非難はとてつもない事になるぞ」


馬は「しかしだな直接事を起こす必要はないが、ここで我が軍が手をこまねいて何もしなければ舐められる」


最後に湖主席が「日本海に空母艦隊展開しておけば日本のプレッシャーにもなるだろう、名目は在日同胞の保護でいい」


文官が湖主席に確認をする


「日本への連絡はどうしましょうか?」


「事前連絡は不要だ、空母艦隊を展開させれば日本大使館の方からすっとんで来るだろ」


魚がばつの悪そうに小声でぼそぼそと呟く


「湖主席・・・空母を出すのは可能ですが・・・艦載機はヘリのみになります・・・」


「魚将軍、我が国はJ-15があるではないか!」


「訓練はしておりますが、離着陸時かなりの頻度で海中へ機体を落下させてしまう事があります・・・それを他国の領海付近でやってしまえば我が国の面子は丸つぶれです」



湖はさっきから抑えつけていた怒りを吐きだすかのように叫んだ。


「空母と艦載機にいくら使ってると思っているんだ!」


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