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特別高度救助隊


政令指定都市には、大規模な災害や事故に対応するために高度な救出救助能力を有する消防の専門部隊である特別高度救助隊(通称:スーパーレスキュー)が設置されている


札幌市中央消防署のスーパーレスキューサッポロ(SRS)で隊長の柱谷は、TVのニュース映像とPCでのLIVE配信で、機動隊が道路を塞ぎ銃撃戦を行い、市民がダンプで化け物に突っ込んでいく姿を眉間にしわを寄せながら注視していた


「隊長! 我々は何をすべきなんでしょうか?」


「・・・」


柱谷は暫く無言で考え込んだあと口を開いた


「家族が心配な者は今すぐ帰宅しろ! 化け物の侵攻を止めたい奴はついてこい、但し命は保証できん! 命令はしない自分で判断するんだ」


柱谷が消防服を身に纏い階下へ降りると全員がついてきた


「お前ら本当にいいんだな! 時間が無いから迷っている者は戻れ!」


隊員は誰一人戻る事無く、特殊車両の発車準備を黙々と行っていた。


「「「準備完了しました」」」


「もう一度言う、これから行う事は任務ではないし意味がない事かも知れんのだ。戻りたい奴は戻れ恥ずかしい事ではない!」


柱谷の前で整列した隊員は、ぴくりとも動かず柱谷の命令を待っていた


「馬鹿者ばかりだな! 作戦を説明する。化け物はまだ豊平橋を超えていない。そこで少しでも化け物を足止めする」


柱谷は、ウォーターカッター車と大型ブロアー車を中心とした作戦を説明し豊平橋へと向かった。


十数台の消防車両を連ねけたたましいサイレンを鳴らしながら豊平橋へ着くと、周辺に乗り捨てられている車を橋の上に積み重ねバリケードを作りウォーターカッター車からノズルを伸ばし積み重ねた車の燃料タンクに次々と穴を開けて行った


「消防に入って放火するなんて考えた事もなかったな」


「隊長、消そうと思えば直ぐ消せますから大丈夫ですよ!」


4台の大型ブロアー車で橋を塞ぎ、ウォーターカッター車と通常の消防車を川に沿って並べ化け物達が来るのを待っていると


数人の警察官と猟銃を持った男たちが柱谷の所へ近寄って来た。


「私達も一緒に戦います!」


柱谷は、責任は持てないしどうなるか解らないから止めた方がいいと言うが誰も首を縦に降らない


「隊長来ました!」


「じゃもういい!あんたらは川を渡ってくる化け物を何とかしてくれ橋は俺達がなんとかする」


2m以上の牛のような化け物達を先頭に橋を渡り始めていた


橋中央部に車で作ったバリケードの前では牛のような化け物が車を除け始めた


柱谷はタイミングを見計らい北国特有のオプション装備リモコンエンジンスタータのボタンを押した


キュキュキュキュ!とバリケードとなっている車のエンジンが始動すると


赤黒い炎が積み重ねてられた車を包み込むように燃え上がり爆発した


爆発と同時に4台の大型ブロアー車が最大風力を出すと、炎と爆発で散乱した車の残骸が橋上の化け物達を直撃し化け物達は、炎により体は焼け焦げ破壊された車の部品が突き刺さり惨憺たるありさまである


体毛に引火した狼の化け物はのたうち回りながら川へと飛び込み、盾を持った化け物はそのまま10m以上ふっとばされ、馬の化け物は崩れた車の下敷きになっていた



SRSによる放水と大型ブロアー車の強風で化け物は橋を渡る事が出来ず、対岸から川へ降り近づいてきた


川へ降りた化け物には豊平川の土手から放水と警察官と猟銃を持った男たち銃撃するが、明らかに銃弾より多い化け物は土手を突破する


大型ブロアー車へ向かってくる化け物へはウォーターカッター車でその体を切り刻み、消防車の放水で行く手を阻み抵抗するが、巨大な牛のような化け物が投げ付けた斧で大型ブロアー車は破壊され、化け物が一斉に橋を渡って来た


このままでは全員殺されるのは時間の問題と判断した柱谷は


「おれが消防車で化け物に突っ込むから、その隙にお前らは最後尾の消防車に乗り逃げろ!」


「隊長それじゃ・・・!」


「時間がないからつべこべ言わず命令に従え、お前らはこれから本来の業務で市民を救助する任務が残っているんだ!」


柱谷が消防車で猛スピードで橋上の化け物のど真ん中に突っ込んで行く


隊員達は最後尾の消防車に乗り込み消防署へ戻った


「柱谷隊長・・・」



「この世界の人間が風魔法と水魔法を使うなんて聞いてないウオ!」


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