夜間偵察
「それでは今夜からは、スプライト族、ゴブリン族、ラミア族にそれぞれ森、山、畑の調査をお願いします。」
「人との接触を避けるため調査は、夜間としてますので、日が昇る前に戻って下さい」
「承知いたしましたジャ陛下」
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宮脇が、研究室に戻ってくると、梟が窓辺で佇んでいた
「自分で檻から出たのか、お前賢いな~、もう足はくっついたか?診てやるからおとなしくしろ」
宮脇は、窓辺の梟を抱きかかえギプスを外し触診してみる。
「もう大丈夫のようだな、じゃ帰るか?」
「キュ」
「ちょっと待ってろ、足輪付けてやるから」
テプラで連絡先など打ち込んだ、GPS付きの足輪を梟に付けた後、窓辺に梟を置いて窓を開ける。
「よし、これでいいぞ、ほら帰るんだ」
「キューキュー!!」
梟は、宮脇の方を振り返り、2度3度会釈のように頷き、飛び立っていった。
「お辞儀したのか?賢い梟だな、恩返しとか期待していいんだろうか」
宮脇は、何の意味もないらしい微笑をフッと唇のふちに浮かべ、見送った。
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偵察から戻ってきた、ゴブリンの肩に乗って、コニーも戻ってきた。
「エーリッキ=ゴブリン偵察大儀であった。コニーまで、連れ戻って頂きありがとうございます」
相変わらず言葉使いがおかしいセシリア
「コニーが、入口の近くで待ってたでアル」
「入口は塞いでたので、入れなかったと思うアル、何も面倒な事でないアル」
「それでは皆さんお待ちしておりますので、王宮で報告お願いします」
・・・
「まずは畑でアルが、種まきしたばかりのようで苗ばかりでアル」
「畑はひとつひとつがとても大きいアル、収穫時期が楽しみアル」
「他に牛を数十頭家畜としてる場所が、いくつもあったアル」
「陛下ひとつ心配がアル」
「危険なことですか?」
「そうでアル、街道のゴーレム馬車は、夜も光の魔法で道を照らし凄いスピードで、走っているアル」
「気を付けないと、引かれて死んでしまうアル」
「うむ、これから偵察に赴く者達も十分な注意が必要ですね」
「ゴーレム馬車のことジャが、ワシらからも報告があるジャ」
「なんですかトゥーレ=ラミア」
「はい、ゴーレム馬車は、尻から煙を吐きながら走ってるジャ」
「この煙がなんであるかは、わからんジャが調査は必要ジャ」
「あと、騎兵を見たジャ、革の鎧に鉄仮面で、ゴーレム馬にまたがっておったのジャ、周囲の巡回をしておると思うジャ」
「騎兵に見つかってはまずいですね、街道を渡る際は、皆十分な警戒を行うこととしてください」
「山の報告ジャが、それぞの峰に雄熊がおって、支配しておるジャ、危険な大型生物は、この熊くらいしかおらんのジャ」
「この熊とコニーを襲った黒鳥は知性があり、リリス族であればテイムできるジャ」
「あっ森の蜂もテイム出来ると思うにゃ」
「そうですか、リリス族が出られるようになったら、テイムすることとします」
「あと数日このままスプライト族、ゴブリン族、ラミア族で夜間偵察お願いします。出口が広がったら、どのような調査を行うか皆で話し合うとしましょう」
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「コニー大変な目に合いましたね、辛かったでしょ?」
ブンブンと首を振って否定するコニー
「あらそう良くして貰ったみたいですね、餌が美味しかっただけじぇないの?」
「キュー!」
足を突き出すコニー、そこには足輪が付いていた
「奴隷の魔導具でも付けれたのかしら?」
足輪を触ってみると簡単に外れた
「魔導具じゃないようね、何か小さな文字が彫り込まれてる・・・調べさせないと・・・」