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真駒内駐屯地の戦


翌日、国家緊急事態対処会議から結論は出なかったが、セシリア達を名寄駐屯地へ移すよう田中に指示が出た


「一日で結論は出ないと思っていたが、移送しろと言う命令は想定外だな」


「彼女たちは札幌に拘っているので簡単に従って貰えるとは思えません。」


「難しいが説得するしかない・・・警備へもこの事を伝えてくれ」



-----


「皆さん、ここを出ますよ準備をして下さい。」


「陛下、何か分かったのですか?」


「妾達を遠くへ移すように指示が出たようです。」


身支度を終えるとアルベルトがカバラ皇国の襲撃に備え痺れ草を全員に渡し、念のため食べておくよう指示し痺れ草を食べ口の中を痺れさせながら宿舎を出ると、警備の自衛官に止められた



そこへ外務省の田中がやってきた


「セシリア様、ちょうど良かった。宿舎を替わって貰おうと来たところです」


「妾達は札幌から離れる事は出来ません。名寄へは行きませんよ」


「・・・もう知ってましたか、身の安全は保障しますので従って頂けませんか?」


「従えません! 妾が札幌から離れると家臣の者が戦を始めますよ!」



セシリアが強く言い放つと十数人の小銃を構えた自衛官に囲まれると、宮脇がセシリアの前に仁王立ちする


「自衛隊が丸腰の日本人に銃を向けるのか?」


その言葉に自衛官達は銃口を下げた


「宮脇様・・・」


「セシリア様、手荒な事はしたくありません、名寄駐屯地へご同行下さい!」


田中の強い口調にトピアスが思わず剣に手を添えると、囲んでいた自衛官が再び小銃を構えた。


「銃を降ろしなさい! 貴様、皇帝に銃を向けると言う意味が解らんのか!


「セシリア様、お願いします。今後の交渉は私も全力を尽くしますのでどうか・・・」


「田中さんもう手遅れですわ・・・」


「どう言う事ですか?」



ドドドドドシャーン!?!ドドドドドシャーン!?ドドドドドシャーン!?ドドドドドシャーン!?



突然、駐屯地運動場の土砂が舞い上がりそこから発生した霧が辺りを包むと、自衛官達が苦しみながらバタバタと倒れていく


空いた穴からドラコニュート族を先頭に各種族の戦士が湧き出し、苦しみ地面にうずくまっている自衛官を容赦なく斬って行く


倒れながらも勇敢に小銃の引き金を引いた自衛官が数人いたが、全てエルフの弓により喉元を貫かれた


「なっ何が起こっているんだ!」


セシリア達に銃を向け取り囲んでいた自衛官達が、トピアスのトルネード魔法により数メートルふっとんでいった。


運動場からはボレリウス=ドラコニュートが、自衛官を踏みつぶしてながらセシリア達の元へ向かってきた


「陛下、ご無事でしたりゅ!」


「妾は大丈夫です。始まってしまったのですね・・・」



真駒内駐屯地に集結した自衛官の大半は痺れの霧の中身動きする事も出来ず、次々と首をはねられ心臓を突きさされ抵抗することなく死んでいったが、奥の建物の裏から激しい銃声が鳴り響いた



-----



初めに反撃したのは大宮から派遣されていた対NBC兵器専門の化学科部隊であった。


防毒マスクを常に装備していた部隊には、痺れの霧の効果は無かったが突然の事態に初動は遅れた


しかし部隊長の反町による統率のとれた攻撃を開始したのであった



「前の車両を盾にして上下に別れ横隊で並べ! 近づく化け物への発砲は許可する! 躊躇せず引き金を引け! 責任は俺が取る」



反町らは目の前にあった工兵用のロードローラーとトラッククレーンを盾にして迫りくる化け物と対峙した


最初に攻撃を開始したのはトラッククレーンの下に潜り込み短機関銃を構えていた反町自身であった


反町が攻撃を始めると周りの隊員達も目の前の化け物達に一切の遠慮なくトリガーを引き始めた



「「「うあああああああああ! おあああああああ! ぐあああああああああ!」」」



化け物の断末魔が真駒内駐屯地に響き渡った。



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