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PX

国際テロ情報収集ユニットと防衛省情報本部のメンバーは、TV会議で内閣府の政務官、審議官達へセシリア達の報告を行った。


事の重大さと確かな信憑性が確認された事で


明日、首相を議長とし官房長官はじめ外務大臣、防衛庁長官、国家公安委員長など8人閣僚をメンバーとする「国家緊急事態対処会議」の開催が決定され


結論が出るまで


セシリア達を真駒内駐屯地に拘束して置くことと全国の駐屯地からの部隊移動を含め真駒内駐屯地への増援が命じられた



報告後、国際テロ情報収集ユニットと防衛省情報本部のメンバーは、翌日に行われる「国家緊急事態対処会議」へ提出する報告書の内容をを徹夜で議論していた


「魔法など眉唾だが生物学的な価値は高い!」


「魔法は明らかに、物質の状態を変えている。我々の文明が遅れているプラズマ化の価値は大きい」


「1000万人の難民保護対策費で割に合うのかどうか金の問題だ」


「推論だけで申し訳ないが彼らとの交流で科学技術の飛躍的な発展は期待できるぞ」


「メリットがあるとしても、彼らの国体を維持して日本の領土に存在させる為に必要な法令の作成は難しすぎる」


「森林を希望しているんだから、国有地の山奥の提供なら可能じゃないか?」


「無償じゃなくてもいいんだ、可能な限り日本の受益を得る事を考えるべきじゃないか?」



現時点で不明な点が多すぎて推論が多くメンバー間での考えの違いで口論も続いたが、


全員がこの交渉をまとめる事がとてつもない国益になると確信し全精力を使い書き上げた物である



-------



翌朝、一睡もしていない外務省の田中がセシリアを訪れ今日総理大臣も含めた会議が開かれ今後の方針が話し合われる事を伝え


今日一日は特に何も予定がないので宿舎で休んでいて欲しいとセシリアに話した。


そこでセシリアは田中に臣下の者達が行動を起こさない為にも駐屯地内で構わないので外出の許可を求めた



「駐屯地内であれば構いませんが、警備の者を付けされて頂きます。」


「ありがとうございます」


「やはり、カバラ皇国の方がどこかで監視しているんですか?」


「外へ出ていれば妾の身の安全は確認出来ます」



セシリア達の警護は荒谷のS部隊となり一般兵に広める訳に行かないのでカツラと帽子の着用とスプライト族は身を隠しながら駐屯地内の散歩となった


「お嬢ちゃん変なマネはしないでくれよ、俺だって知り合いを撃ったりしたくねーからよ」


「何もしませんよ。妾達の無事な姿を見せてるだけなんですから」


「どうやって見てるんだ?」


「それは言えませんよ、森の中の貴方達もずっと見てましたけど」


「そうか、確かに誰かに監視されている気配は感じたよ」


「さすが一流の戦士ですね」


セシリア達はS部隊の隊員と話しながら、駐屯地の訓練場や運動場など見て周り売店(PX)へ入る


「札幌の街にある商店と同じように色んな物がありますね~」



昨日から一睡もしていないがセシリア達を警護だけに任せる訳にもいかず同行していた外務省の田中が


「お金お持ちでないようなら、経費で落としますのでお好きな物を手に取って構いませんよ」


「日本のお金は持ってますよ」


セシリアはポシェットから万札の束を見せた


「どうやってお金を得たのですか?」


セシリアはカバラ皇国の金貨を取り出し、金貨を札幌駅北口の金買取店で通常のレートで換金した事を田中に教えると


田中はすぐさま部下にそこに向かい金貨の買戻しを指示した


それを見たセシリアが金貨を一枚田中に渡し


「欲しいなら上げますよ。」


「いいんですか、調査に使わせて貰います・・・」


店の奥ではフローラが数人の隊員に囲まれ楽しそうに談笑していた


「セシリアさんフローラは有名人なんですか?」


「コンサドーレの試合を観に行った時に有名になったようですよ」


国家最高機密扱いの一人が既に有名人である事実に田中は頭を抱え、部下に試合のTV映像と動画投稿サイトの確認を指示した。


セシリア達がPXで買い物をしている内に田中の部下がタブレット端末でフローラの映像を確認した


動画投稿サイトにはスマホでフローラを撮影した動画がいくつも投稿され、その内の一つは再生回数が千を超えていた。


「フローラさんはちょっとした祭り状態じゃないか・・・」


「どうしました?」


「なんでもありません・・・」



------


セシリア達の希望で一般兵と同じ食堂で食事を取り駐屯地内の喫茶店でコーヒーを飲んでいると、駐屯地内が慌ただしくなってきた


兵士満載の輸送車や装甲車が続々と駐屯地内へ集まり先ほど見て周った運動場などにテントの設置が始まっていた


「何事ですか?」


「お嬢ちゃん達の奪還作戦が考えられるので周辺の駐屯地から増援が来てるんだよ」


「はっきり言いますね。こんな事するとかえって刺激になり危険度が増しますよ」


「戦争になっちゃうのかい?」


「妾には分かりません、この光景を見ている臣下がどのような行動を取るかによりますが、安易な事はしないと信じております」


「お嬢ちゃんの部下を信じるしかないか」


「違いますよ、貴方達の指導者の決断に全て掛かっているのです」


「でもな、世の中単純じゃねーんだ。お嬢ちゃんの思う通りになんてならねーと思うぞ」


「妾の願いは争う事なく、臣民がここで生きて行ければ良いだけなのです。」


と荒谷を見つめる


「・・・なぁお嬢ちゃん、元々は部下を殺されお嬢ちゃん達が死ぬほど憎いはずなんだが、お嬢ちゃんに見つめられる度に、変な意味じゃなく惹かれていくんだが魔法か何か使ってるのか?俺はロリコンじゃねーしな」


「告白ですか(笑)でも妾は荒谷さんよりずっと年上ですよ」


笑ってごまかしたがテイマーであるリリス族の眼力には動物を魅了する効果がありそれは人間にもある程度効いているのである




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