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現場検証



荒谷を乗せたUH-60JAは報告地点に急行し荒谷は真っ先にラペリング降下していった。


降下地点から焼焦跡と報告されている地点に駆け寄るとそこは熊の巣穴らしき窪みで地面が焼け爛れ黒ずんでおり薬莢が落ちている。


また、斜面には血痕らしき跡もあり周辺の木々に無数の銃弾の跡がある。



非公式に海外の戦闘に参加し殉職者も出しているS部隊ではあるが、国内での実戦は想定外で荒谷にも少なからず動揺が見られ唖然とした表情で立ち尽くす。



「国内で機関銃ぶっぱなすなんて何が起きたんだ・・・」



暫くすると徒歩で到着した自衛官により現場検証が行われた。


30名ほどが地面に顔を擦り付けるようにして地面の銃弾や薬莢等の痕跡を探し

周辺の木々全てに登り突き刺さっている銃弾を採取している。



「荒谷さん詳しくは戻ってから検証しますが、どうも現場の銃弾、薬莢は全て自衛隊の装備品です。」


「なんだと!?古田達が一方的に射撃していたと言う事になるのか?」


「いまの所はそのような推測になります。ただ雑ではありますが何者かが証拠隠滅と言うか判断は難しいですが、この現場を片付けてます」



-------


捜索が行われ3日間が過ぎた。


古田ら10名の隊員を見つけられていないが戦闘の痕跡は4カ所で発見されており銃弾や薬莢は自衛隊の装備品しか見つかっていない


そのうち2カ所から伸びている獣道が交差する地点に自衛官が集まっていた。


そこは広域に雑草が踏み固められた跡があり人為的に埋められた形跡がある土砂の斜面があった


「荒谷さん、ここはなんでしょうかね??」


「この山奥で激しい戦闘の跡がありS部隊10名が行方不明で千名以上の自衛隊員を動員し空と陸から捜索しても見つからないんだ。何なのか分からんが何か出るまで掘り進めるしかない


だろう」


荒谷の指示で数十名の工兵が昼夜交代で2日間掘り進めたが何も出てこない。

重機を入れられない状態で人力のみでは思うように進まない状況で、現地自衛官が荒谷に進言する


「重機を入れられないこの場所でスコップで掘っても埒があきません。爆破しませんか?」


「そうだな、少しづつ爆破しながら掘り進めてみようか」


少量の爆薬で発破をかけ脆くなった地面を掘るを数回繰り返し掘り進めた。


作業スピードは格段に上がったが、直径30mのクレータが出来ただけで何も出てこない。


徳川埋蔵金でも探していたなら別だが現状の任務でこれ以上掘り進める事に理由を付けるのには無理がある。


苛立つ荒谷の所へ周辺を捜索している部隊から怪しい盛り土があるので工兵を2人寄こして欲しいと無線が入り荒谷は工兵と一緒に向かった。


「確かにこれは人為的な物だな」


「かなり固く踏み固められてましたので工兵の応援を依頼いたしました」


「良い判断だ、早速掘ってみよう」


30分ほど掘り進めると遺体の一部らしき物があらわになる


「荒谷さん!!」


荒谷はスコップを持った工兵を乱暴にどけ地面に膝をついて身をかがめ素手で周囲の土を取り除く


「古田・・・」


周囲にいた自衛官全員も狂ったように素手で土を掘り始めると古田部隊10名の遺体が綺麗に並べられ埋葬されていた


生存の可能性は低いと覚悟していた荒谷だが、現実を突きつけられ怒りを抑えられない


「古田すまん、全て俺の判断ミスだ。お前らの仇は俺がとってやる!」





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