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エピローグ


カバラ皇国と日本の戦闘が終結し、一か月が過ぎた。


東京へ核ミサイルを打ち込んだ北朝鮮は、人工衛星打ち上げの失敗であったと謝罪しているが、国際社会から厳しい制裁にさらされている。


それでも国体が維持されているのは、大国間の思惑なのかもしれない。



カバラ皇国は日本にある都市国家として独立を維持しながら、日本の官僚により、現代社会に合わせた国家へ創り変えらようとしていた。



日本主導によりカバラ皇国憲法が作成され、セシリアの地位はカバラ皇国皇帝で変わりないが、君臨すれども統治せずと明記され、族長会議はカバラ皇国議会と名を変え国の最高機関と位置付けた。


教育、治安維持、社会福祉は日本の制度を真似て作成され、資源開発、経済政策、インフラ整備は日本主導で進められた。


通貨は円を使い、独自外交も当面許されず、カバラ皇国内に大使館は一つも作られていない。


完全に日本の植民地のような扱いだが、カバラ皇国臣民に不満を口にする者はいない。


それは終戦後の大量の物資援助と、日本から夕張岳を租借された為である事と、日本は太平洋戦争後の東京裁判のようなことは実施せず、セシリアを初めとした幹部達や兵士達の誰ひとりとして罰する事をしなかったのである。


日本側も与えるだけではなく、国有地の租借の見返りとして、地下第一層のひと区画を租借し、自衛隊の駐屯地として利用する事と、秘密裏に大量の金で対価を得ていた。


-------


四ツ谷の古びた雑居ビルに、平和ねっとわーくの事務所がある。


ちょうど始発電車が四ツ谷駅に着いた頃、一人の老人が、その事務所へと入る。


「おはようございます。」


「おはよう。山下さん早いですね。」


「それより、李さん、昨晩も徹夜ですか?」


「ああ、最近忙しくて、家に帰る時間ももったいないから、ここで寝てたよ。」


「あまり無理すると体壊しますよ。李さんに倒れられたら皆困り果ててしまう。」


「山下さん、活動費の精算ですよね。計算しますのでちょっと待って下さい。」


「それは、事務の女の子来てからでいいですよ。」


「そうですか、それまでお茶でも飲みますか?」


「はい、頂きます。」


二人は、表皮がボロボロになった古びたソファーに対面に座り、お茶をすすっていた。


「どうして、そんなにお忙しいんですか?」


「最近は、依頼が多いんですよ。ネットで騒いでいるだけの奴らは、ネタが多くても変わらんでしょうが、我々は直接行動に出るのが役割ですから・・・」


「案件多いですね。私も沖縄から北海道まで、色々行きました」


「反基地、反原発、反ヘイトだけでも大変なのに、最近は、憲法改正デモの依頼や反カバラ皇国も増えたので、調整が大変なんですよ。」


「でも、儲かってるんでしょ? 最近、我々の手当も増えてますから」


「反カバラ皇国は、元々保守的な層からの依頼なので、我々活動家としては、ご新規さんが増えたってとこですね。」


事務所の扉が開き、女性が入って来た。


「おはよう~ございま~す。」


「アカネちゃん元気がいいね。」


「あら、山下さん相変わらず早いですね。」


「まぁ暇人だから、あははははっ」と、山下は高笑いした。


李が

「アカネちゃん、山下さんの活動費の精算お願い」


「は~い」


-------



満子は戦後も夕張には戻らず、王宮の一室で暮らしていた。


執務を終えたセシリアが話しに満子の部屋に入ると


防衛省の園田、特殊作戦群の荒谷、外務省の田中がちゃぶ台を囲んでお茶をすすっていた。


「皆さんお久しぶりですね。何か御用でもありましたか?」


「お嬢ちゃん・・・いやセシリア陛下、本日はお願いがありまして満子さんの部屋で陛下をお待ちしておりました。」


と荒谷が切り出した。


「はい、何でしょうか?」


「我々は、今回の件で全員クビになりまして・・・カバラ皇国への亡命を希望します!」


セシリアは一瞬だけ間を置き


「はい、どうぞお好きにして下さい」


3人は顔を見合わせ


「随分と簡単にOKしてくれるんですね」


「この世界を知っている信頼できる人材は、喉から手が出る程欲しいのです。皆様なら軍師としても外交官としても頼りになります。」


「ありがとうございます。住居なんですが・・・」


「ここでよければ好きな所をお使い下さい」


「はい、ありがとうございます。なるべく王宮に近い所で見つけます。」


「それならついでに、俺もここに住んでいいかい?」


そばで見ていた宮脇までも、ここに一緒に住むと言い始めた。


「宮脇様は、何をするおつもりですか?」


「俺は研究だよ、カバラ皇国の人々や生き物はもちろん迷宮下層の魔獣も研究してみたいと思ってるんだ」


「それじゃ人族も増えましたので族長を決めて下さい」


「「「族長?」」」


一同が声を揃えてセシリアへ問いかける。


「だって、人族の代表を決めて貰わないと、皆さまの権利・主張は無視されますよ」


「そう言う事・・・」


何故か全員満子を見る。


「年長者の満子さんでいいんじゃないですか?」


「ありえへん!」満子は憤慨した。




最後までお付き合いありがとうございました。


書き始めた頃は、こんなにもたくさんの方に読んで頂けるとは思っておりませんでした。


続編もいくつかプロットを作成してますが、どれも途中までしか出来ておりません。



http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1090220/


新作の、JK戦記をアップロードしましたので、よろしければ、続編が出来るまでお付き合いして頂ければ幸いです。



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