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プロローグ


カバラ皇国首都(地上)皇紀882年


カバラ皇国皇帝アンテロ=リリスが帝都王宮広場に設置した太陽観測機を覗き込んでいくなか、父なる太陽は徐々にその光を失って完全に消滅した。


「遂にこの日が来たか、即位後、おぬしから知らされた父なる太陽の消滅の兆候、それから地下迷宮の開拓と物資の準備、吾の人生はこの日の為に捧げたようなものじゃ・・・」

「申し訳ございません。陛下」


皇帝に即位したアンテロ=リリスは太陽の消滅にそなえ元々魔獣の巣窟であった地下迷宮から魔獣を駆逐し5階層までを1000万人が暮らせる地下迷宮都市へと変貌させた。

元々迷宮は階層によってその気候が違っていたため、その気候に合わせ・・・


一層は光苔に覆われた壁のもと広大な草原であった為、無限の泉から水路を引き農耕地域として開拓し点々と農村を配置した


二層は深い森であった為、森を切り開き中央に商業地区を、その周辺に住宅地区を配置した。住宅は巨大な樹木を巧みに利用し立体的な構造とし多くの住民がその住居を得た


三層は石畳と石扉で仕切られた地下迷路であった為、中央部を縦横断する大きな十字街道切り開いた事除けば元々あった石扉での仕切りをそのまま利用し宮殿、貴族住居、騎士訓練所・駐屯地、各種研究所や魔獣の飼育所、工業地区と区画毎にさまざまな利用を行った


四層は坑道の迷路であったが、その壁から様々な鉱石が産出され、今も尚採掘により広がっており、開けた場所にはドワーフ族の希望によりその住居と鍛冶を精製・鍛冶を行う工業地区を設けた


五層は海である為、そのままの姿で残っておりどこまで続いているのか解っておらず、深部に潜む魔物も駆除しきれていないが、ここから捕れる塩と海産物は作物以外の貴重な食糧となる


六層以下は現在も魔物が闊歩する迷宮がそのまま残されてわいるが、立ち入る者はほぼいない


「おぬしが謝る事ではない、それより全種族全臣民の地下迷宮都市への避難は完了したか?」


「アンテロ陛下、この母なる大地と運命を共にすると頑な態度の民が各種族におります。そのような自らの意思で残る者以外の避難は完了しております」


「残りたいと思う気持ちは理解出来るがそれでも一緒に・・・」


「アンテロ陛下、ここに残る者達も我々の旅立ちの成功を願っております」


「そうか・・・それでは迷宮の入口を全て塞ぎ、始まりのリリスが逃避したケデシュへ我々も旅立の準備を始めるぞ」


-----


「セシリアよく聞け」

「はい、お父様」


「旅立の儀が終われば、おぬしがカバラ皇国の皇帝じゃケデシュでは戦は避けられん、各種族と協力し新たな大地を得て臣民を導かねばならぬ」


「はい・・・」


「今まで教えて来た通り臣下臣民を従え、敵を知り、慎重に考え、勇敢に戦うのじゃ」


セシリアに最後の言葉を伝えるとアンテロ=リリスは地下迷宮都市第一層への通路を上がっていった



第一層の農耕地域には1000万人以上の多様な種族達が全体を覆い尽くすように均一に散らばりその時を待っていた


ここにいるのは各種族毎に実年齢は異なるが子供が独り立ちする程度の年齢を超えた者である


アンテロ=リリスは魔法を使い広大な農耕地域に散らばっている臣民達に向かい最後の言葉を放った


「それでは諸君、旅立の儀を行う。子供たちの為に自らの命を捧げてくれる皆には感謝しかない。カバラ皇国の永遠の繁栄を祈ろうではないか」


「オオオオオオオオオオオオオオオオ!オオオオ!オオオオ!オオオオ!」


地鳴りのような歓声があがる


「では始めるぞ!「%$##$&%*+%$、吾らの命と引き換えに旅立て地下迷宮、%$##$&%*+%$」


カバラ皇国皇帝アンテロ=リリスが唱和すると巨大な魔法石が光を放ち虹色の粒子が1000万人の臣民の体を包み込みその姿が虹となり薄れていく・・・


1000万人の臣民の命により増幅された虹の粒子は地下迷宮都市全体に充満しこの世界から消えていった・・・・


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