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少年哲学  作者: 東雲 流水
第一期:十六迄の独白・皮肉哲学
2/19

2.

**********


 世界という大きな波に逆らいたいと、思っていました。

 いわゆる、今の社会の流行に逆らうという、反社会的ともとれる行動をしている僕を、みんなは笑いました。しかし、笑われたくらいで諦めるくらいには、僕は弱くありません。

 そもそも、僕は周囲やみんなとはあまり群れたくないんです。僕は根本的な考えがどうやら他人とズレているようで、虐めはないんですが、普段、あまり周りに人はいない状況です。孤独は感じていませんし、友達がいないわけでもありません。

「社会に出たらそんなことは言っていられない」

 ええ、知ってます。自分がどこまで知っているかは知りませんが、少なくともそのことくらいは知っています。

 だいたい、人間は犬のように群れる生き物です。逆に独りで生きていくことは不可能です。ですが、独りが無理でも、「独りがいい」と望み、思う人もいます。僕はその類の人です。

 あくまで群れたくはないんです。

 自分の考えが、世界観が、その集団のリーダーのものを押し付けられているのが嫌なんです。

 自分で考えない人も出てきます。むしろ僕は、こっちの方が嫌です。

 群れはどこまでいっても集団であるので、その中の数人は「みんなこっち行くから俺もこっちに行こう」と思うはずです。僕はその、考えなくなることが嫌なんです。ある種の恐怖でもあります。

 現代のみんなが、思想や哲学を「厨二病」呼ばわりするのは、何も考えていないからです。何も思っていないからです。

 条件反射のように、「反社会的だから厨二病」というレッテルを貼ろうとしているんです。

 人間には価値はありません。ですが、その人間が唯一使える武器である、「考える」ということ。この武器を捨てたら、みんなは何になるんですか?

 だからこそ、僕は集団が嫌いです。

 考えなくなることが、怖いんです。


**********

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