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少年哲学  作者: 東雲 流水
第一期:十六迄の独白・皮肉哲学
10/19

10.

**********


 二択の選択でも、僕は悪い方を選んでしまいます。

 最善の結果と、最悪の結果が存在するとき、人間は大抵、都合のいい方を選びます。そして、それは八割方あてになりません。それはただ、最悪というものから目を背けて、根拠のない安心を求めようとしているのです。

 僕は最悪というものしか見ない、いや、見れないのです。むしろ、都合のいいように見れることは中々ありません。というのも、僕はチェスや将棋でいう、詰み(チェックメイト)を人一倍、恐れているのです。

 崖のギリギリの所で、片足が既に宙にある状態を、恐れているのです。

 それは確実的な恐怖ではなく、もっと抽象的な、曇りガラス越しの絵を見ているような恐怖なのです。得体の知れない恐怖、と言えばいいのでしょうか。

 パニック障害(症候群)――という症状に、近からずも遠からずな症状です。自覚はしていても、脳は恐怖を感じ、焦り、ただ漠然とした浮遊感と落下を感じさせます。ある種の脅迫観念でしょう。自覚していても起こるものです。

 僕は、詰み(チェックメイト)前に、一手か二手、余裕を持たせようとしています。保険とも言い換えれるでしょう。

 他人にとっての安心が「都合のいい妄想」なら、僕にとっての安心は「一手二手前の余裕」なのです。

 誰と指しているかも分からない盤上の遊びは、いつ詰みになってもおかしくはありません。

 ただ、僕の方から相手は詰みにできない、ただ一方的な盤上の遊びなのです。


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