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怪物の軌跡  作者: ポチ
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第四話「食事と来訪者」

影の世界・・・・それは人が踏みいることを許されない真っ暗で異形の者が集う世界。


ロジカが暮らす世界。



フクロウの言う影の世界が俺にはわからなかった。


影の世界なんだそれは?あのネコの言っていた。怪物と関係があるのだろうか?


「影の世界何て知らない!あと俺は哀れなんかじゃない!」


哀れと言われたことが俺は気に入らなかった。


「そうか・・・・それは悪かったな。」


フクロウは謝ったが、俺に興味が無いようだった。


なんかこいつもムカつくな・・・。


「お前は何?あのネコの何なんだよ。」


俺はフクロウに素性を質問した。


影の世界が何なのかわからないし、まずこいつが何なのか気になる。


「私の名はポー。ロジカ伯爵の身の回りを管理する使い魔だ。」


「ふーん、お前ポーって名前なんだ。」


使い魔?身の回りの管理するやつだけら召し使いみたいな者か?


そんな考えていたら、また腹がグゥーとなった。


「クソ・・・・。」


俺はその場で蹲った。


もう腹が本当に限界だ。


「限界のようだな。すぐ用意させる。」


そういうと、ポーはまた影のように黒くなり、また形が変わっていた。


今度なんだ??


フクロウだった姿はみるみるうちに変わり、髪の短い黒い服を着た若い女性に変わっていた。


「少し待っていろ。」


そういうと、ポーは人の姿で部屋を出て行った。


何でもありかよ本当・・・。


あのネコと一緒で、あいつも不思議な力が使えるのか?何なんだろうかあの力は・・・。


考えていると更にまた腹が減り、俺は考えるのをやめた。


これ以上考えても腹が減る。ちょっとジッととしておこう。


俺は床に座り込み、下を向きジッとしていた。


数分後、ドアが開く音がして俺は顔上げた。


するといつも間にか、机の上には料理が並べられていた。


俺は立ち上がり、机に近づき椅子に座った。


料理を見るとそこには、今まで見たことも食べたことのない料理ばかりだった。


何だこの食べ物は・・・・見たことないものばっかりだ。


俺は料理の上手そうな匂いで、よだれが出そうになるをは必死に我慢した。


「用意は出来た食べるといい。」


ポーいつも間にか、フクロウに戻っており、反対側の椅子の腰掛けに停まっていた。


「好きなものを食べろ。」


そう言われても、食べたことのない料理ばかりだったので、手前にあった肉の料理をまず一口食べた。


「!?・・・・うまい!!」


あまりの上手さに手が止まらず、どんどんと俺は並べられている料理を食べた。


うまい・・・・こんな食べ物一生食べることないと思ってた。


カチカチのパンに味のしない冷たいスープ。俺はまともに食事が出た日のメニューを思い出した。


何も食べれなかった時は外に積もってる雪を食べたな・・・・。


そんなことを考えると、目の前で食べている料理は全部幻のように思える。


生きてるから食べられるだよな・・・。


そんなことを考えると気持ちが少しモヤモヤした。


「伯爵様はお前を生かした感謝することだな。」


そうポー言われ、俺の食べる手が止まった。


感謝?


「何であいつに感謝しないといけない。」


「なぜ?子供お前は死にかけていた。伯爵様に恩義を感じることは当たり前のはずだ。」


恩義だと・・・・?


俺はポーに怒鳴った。


「ふざけんな!あいつは俺の邪魔したんだぞ?感謝なんて絶対するもんか!!」


あんなやつ大っ嫌いだ!!


ポーは小さく溜め息吐き、哀れみの目をこちらに向けた。


「やはりお前は哀れだ子供。お前に伯爵様の考えなど理解できないだろう。」


俺はカッとなって座っていた椅子を倒し、机を両手でバンッ!と叩いた。


「うるさい!俺は死にたかったんだ!なのに・・・あいつが勝手に邪魔して!全部あいつが悪いんだ!!」」


死にたかったのは本当だ。でも、何でこんな気持ちになるんだ?


俺は・・・。


「死にたいなら勝手に死ね。」


ポーの言葉で俺は固まった。冷たい言葉は俺のモヤモヤさした気持ちに刺さった。


今こいつ死ねって言ったか俺に?


「私におまえを止める理由もない。ただ・・・死は何も産み出しはしない。虚無のようなもの。」


ポーは輝く瞳をグッと俺に向ける。


「子供、おまえにとって死とは何だ?」


俺にとっての死・・・それは救いのはずだ。

でも、何でだろう。そう答えたいのに、声にでない。


俺は死を恐れている?


「俺にとっての死は・・・・。」


その時!ドン!っとすごい音と共に部屋のドアが吹き飛んできた!!


「うぁ!!?」


俺はびっくりして、吹き飛んできたドアを慌てて避けた。


ドアはそのまま机にぶつかった。衝撃的で机の上に置かれていた料理は、机ごとひっくり返ってしまった。


何だよ!?今度は何なんだ!!


入り口のそばにいたのは、黒のマントに身を包みカラスの仮面をした男だった。


また仮面・・・あいつみたいなのがまた現れた。


「なんのご用でしょうか?」


ポーがそいつに尋ねた。すると、カラスの男は低い声で答える。


「あいつ・・・バカネコはどこにいる?」


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