表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪物の軌跡  作者: ポチ
4/6

第二話「ナギとロジカ」

「怪物」・・・それはこの世界に存在する筈がない異形の者。


人が作りだした創造上の生き物だと当時の私は思っていた。


彼に会うまでは・・・・。



雪が降り続く通りで、俺はネコの男の言葉に理解が出来ずにその場で固まっていた。


「怪物・・・・?そんな者いるはずない!デタラメ言うな!!」


俺はネコの男の言葉を強く否定した。


この世の中にそんな怪物なんているはずない!でも、さっきのことはどうなる?俺は死にかけてたのにあいつのせいで生きている。


こいつが本当に怪物だからできたのか?


「デタラメ何かじゃないよ?まぁ信じろという方が難しいから、軽く流してくれていいがね!」


ネコの男は楽しそうに話ているが、俺は呆れていた。


こいつ本当に信じてもらう気ないんだな・・・・。


「そうだ!せっかく助けたんだ。君の名前くらい教えてくれよ。」 


名前だと・・・・?


ネコの男の質問に俺は嫌な顔して返した。


「嫌だね!あんたに何で教えないといけないんだ!!」


怪物だか何だか知らんが、なぜこいつに名前まで教えないとならないんだ!


「そんな冷たいこと言うなよー。助けたんだしさー。言わないと私の力で無理矢理言わせてもいいけど?」


ネコの男の言葉に俺はイラッとした。


こいつ・・・・自分勝手か!!

でも、こいつならさっきのこともあるしやりかねないな・・・・。名前以外のこともしゃべらせようとするかもしれない・・・・。


俺は嫌な気持ちを押さえつつネコの男に教えた。


「俺の名前は・・・パアシー。」


「ほう、パアシーと言うのかい。」


「クリス、アルベルト、トム・・・まだまだあるけど、どれで呼ぶ?」


沢山の名前を言われてネコの男は困っていた。


「何でそんなに名前があるんだい?君の本当の名前が知りたいんだが。」


本当の名前・・・・。


「俺に本当の名前なんてない・・・・。あるのは売られた所でつけられた名前だけだ。」


俺は自分の本当の名前を知らない。

聞かされた話だと赤ん坊の俺を親は売ったらしい。

最初に売られた店で名前を付けられた。そのあと色々な所に売られては名前が増えた。


俺には偽りの名前しかないんだ・・・・。

まぁ・・・どうせ俺に本当の名前なんてあっても仕方ないけどな・・。


「ふーん、なら私が君に本当の名を与えようか?」


ネコの男の言葉に俺はびっくりした。そして怒った。


「何であんたに名前をつけられないといけない!これ以上名前なんていらない!」


本当の名前って何だよ!それもどうせ偽りに過ぎないじゃないか・・・・。他と何が違うって言うんだ!!


ネコの男は楽しげに悩んでいた。


「そういうなって♪そんな沢山名前があっても仕方ないだろう?君という一つの名前を決めるべきだ!そうだなー何がいいかなー?」


こいつ・・・人の話を聞かずに本当に・・・・!!


「ムカつく!あんた本当にムカつく!!」


俺はネコの男に今の怒りをぶつけた。


何だよ!頼んでもないのに俺のこと助けるし、今度は名前まで・・・・俺の意見は無視か!


「そんなに怒るなよー。そうそう私もあんたという名前じゃないよ。」


こいつの名前?そんなもん知るか!知りたくもない!!


その時の俺はネコの男の名前なんてどうでもよく、ただムカついていた。


「私の名はロジカだ。覚えたかいナギ。」


ロジカ・・・・それがこのネコの男の名前のようだ。


ん?さっきこいつ最後になんて言った?


「ナギ・・・・?」


「ナギ、良い名前だろう。さっき思い付いたんだ。今日から君の名はナギだ!」


こ、こいつ・・・!!


「もう偽りの名を使わないですむぞ!よかったなナギ!!」


ネコの男は嬉しそうだったが、その時の俺は全然嬉しくなかった。


勝手に・・・・!勝手に・・・・!!


「だから・・・勝手に決めるな!!」


怒りが爆発して俺はネコの男の腹にパンチを食らわせようとした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ