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不幸な鍛冶屋

昼食を適当に済ませようとしたがメリアにダメですって言われたからしっかりと昼食をとりおえた俺達は武器を探しに武器屋に来ていた。


「レグナーいるかー?」


まるで王とは思えないな

すると、その声に慌てて飛び出してきたのは一人の女の子だった。


「陛下!このようなところに足をお運びになるなんて!ど、どんなご用件で……え?陛下が、二人?」


……このイベント、何回もありそうだな……


「俺が本物だ」

「そそそそうですよね!!アンタ!陛下のマスクしてんじゃないよ!!」


……本物なんだが


というか……


「なあメリア」

「どうかしましたか?」

「アイツモテてないって言ったよな?」

「……恐らく超鈍感なだけかと……」

「…やはりアイツは俺じゃない……」

「……彼螺様はモテたいのですか……?」

「いや?俺にはもう可愛い彼女がいるからな!!」

「彼螺さまぁ……」


俺らはイチャイチャしているとリィジが俺たちをその店主に紹介していた。


「こっちのやつは俺の親戚のヒラ=タカナギ」

「え!?親戚!?」


おまっ、親戚ってまだ確定してないだろ!?


ちょっと驚いた表情でリィジの方を見るが知らん顔で辺りに飾られている武具を見ている。


こ、このやろぉ……

まあいい、ここは乗っておこう


「どうも初めまして、ご紹介預かりました、ヒラ=タカナギと申します。以後お見知りおきを」


アニメとかで見た貴族風の挨拶をしてみた。

店主を見るとポカンとしている。

そして、リィジを見ると手に盾を持ちながらプルプルと震えている。

怒って……いや、笑いを堪えていやがるのか


「ややややめてください!!陛下の親戚であらせられるならこんな薄汚い鍛冶屋の店主になど!」

「いや、こちらはこの国の者ではない身、陛下の大切な国民に無礼はできませんゆえ」


ちらりとリィジを見ると声を出さずに腹を抱えて笑っている。


器用なやつだな……

まあ、こっからが俺の反撃だ!


「おっと、そういえばお名前を聞いていませんでした。御伺いしても?」


横から睨まれてる気がする。

メリア、違うからな?


「あ、えっと、アタシはレグナ=ノリアルスです」

「では、レグナ様、現在気になるかたとか、いらっしゃいますでしょうか?」

「ふぇえええ!?いいいいません!いませんです!!」


チラチラとリィジの方を見ながら否定する。

ふっ、確定だな


だからメリアそんな睨むなって


「そうですか!ならよかった!!10日後に陛下のお嫁さん決定戦を開催したいと思っているんですよ!!」

「ブッ!!」

「ほんとですか!!」

「最近陛下は独り身は寂しいだの羨ましいだのが口癖になるくらいでしてね?政略結婚もあまり好きではないので、どうせなら国民の皆様に陛下のお嫁さんになってくれる人を選ぼうってことになりまして…」

「ぜひ!!私もぜひ参加させてください!!」

「もちろんです、ですがこのことは明日、『陛下が』正式に発表いたしますのでそれをお待ちください」

「はい!!」


先ほど詰め寄ってきたときの顔を綻ばせてとても上機嫌になっていた。


隣にいるメリアを見ると、誤解が解けたのかいまにも抱きついてきそうな感じだ。

可愛いなぁ……


ガッ!!


「ぐえっ!」


突如襟を捕まれそのまま引き寄せられる。

リィジだ


「おい!どういうつもりだ!!」


怒っているのに声はあまり出していない。

さすがに体裁みたいなのがあるのか


「へ?なんのことでしょう?」


あえてとぼける。

これもさっき、笑っていた仕返しだよ


「なんのことでしょうじゃねぇ!聞いてねえぞあんなん!!」

「もちろん聞いてるわけ無いじゃないですかぁ、さっき考え付いたやつだし」

「はははは、はぁ!?」

「よかったな!リィジ!あの娘は参加してくれるっぽいぞ!」

「そしたら参加者、レグナだけじゃないか!」

「じゃあ、結婚相手決まったな?おめでとう」

「いいわけないだろ!」

「え?なに?レグナさんのこと嫌いなの?あーあ、かわいそうに」

「いや、嫌いではないが……」

「じゃあいいじゃん、というか、お前、これを機にっていうものはないのか!せっかくチャンスを作ってやってるって言うのに!

…いやまあ…ほとんどからかうためにやったんだけど……」

「て、てめぇ……

……だが、お前の言う通りかもしれないな、だが、敵勢はどうする、今も進行してきているのだぞ!」

「まあまあ、そこは俺に任せろって、

そういえばレグナさん」

「はい!なんでしょう!」

「私に武具を売ってくれないでしょうか?」

「もちろんいいですが……」

「私はこのあとすぐにこの国を出なくてはならなくて、そのための装備がほしいのです」

「わ、わかりました…では、武器の種類はいかがいたしますか?」

短棍ロッドってあります?」

短棍ロッド?」

「あれ?ないかな?」

「あぅ…すみません、そのようなものは……」

「そうですか…いえいえ、なければ無いでいいのです。……それでは……あっ!じゃ、じゃあ!ただの金属の棒ってあります!?」

「ええっ!?金属の棒ですか!?えっええ、無くはないですが、それは他の武器を作るようの素材みたいなものですが……」

「全然いいですよ!それで!じゃあ、それを150センチ分ください!」

「は、はぁ、わかりました……」


なにがなんだかみたいな表情をして店の奥に入っていく

それを確認したあとリィジがまたもや襟をつかんで睨んできた。


「なぜ刃があるものを武器として選ばない?」

「まあ、やりたいことがあるからな!あっ!こればっかしは絶対に教えないぞ!?」

「いや、さすがにこの国のために一人で戦うとか言う無謀なことをしようとしている者の秘密ぐらいは明かさない…が本当に一人で行くつもりか?」

「当たり前じゃん、あ、俺がいってる間メリアをよろしく!」

「彼螺様、何をいってるのです?私も行くに決まってるじゃないですか」

「いやいやいや、ダメに決まってるじゃん、メリアを危険なところに連れていって怪我でもされたら俺どうなるかわかんないもん」

「それでもいきます!!」

「いやだめでしょ!!?こいつ暴れさせたら国滅びるわ!」

「いきます!」

「だーめ、こればっかりはいくらメリアの頼みであっても……」

「お願いです…彼螺さまぁ……」

「わかった!俺が絶対に守ってやるからな!!」

「はや!!意思弱すぎだろおまえ!!」

「うるさい!メリアのお願いを俺が聞かないわけ無いだろ!!」

「もうお前黙れや!!」

「わたくしの居場所はいつでも彼螺様の隣ですから!!」

「メリアぁ!!」

「彼螺さまぁ!!」

「ああ、もうどっちもしゃべんな……」


リィジが国が滅びるのを覚悟した瞬間であった。


小走りで走ってくる音が店に響き始め、少しすると店の奥から三本の鉄の棒を持った少女が走ってくる


「お、遅れてしまい、すみません」

「いやいや、急かしちゃったみたいでこちらこそすみません」

「とんでもありません、陛下の親戚であれば……」

「私に改まった言葉遣いは無用ですよ、できればやめていただきたいぐらいです」

「な、なら、ヒラ様のその言葉遣いも結構です!」

「いえ、私はこの顔ですので陛下に恥をかかせるような真似は……」

「大丈夫だぞ、私にこれ以上かかされる恥なんぞ無いからな、それこそ似合わない真似はよしてくれ、笑いすぎて死ねる」

「……はぁ、なんだよ~せっかく頑張って紳士っぽく振る舞ってたのにそんなに似合わなかったか……」

「わたくしはとてもいいと思いました!!」

「えっ!?えっ!?」

「悪い、元々の性格はこっちなんだ」

「まったく、無駄なことするから混乱させちゃっただろ、大丈夫?レグナ」

「え、あ、はい、です」

「そういえば、重いだろ?それ、ありがとな、俺の変な頼みごとを聞いてくれて」

「ええっと…いえ、それが、仕事ですから」


そして俺はその三本の鉄の棒を受け取った。


「そういえば何で三本……っと…なるほど」

「え?分かるんですか?」

「何となくだけどね、この赤黒いのは粘度が高く壊れにくい代わりに硬度が低い、こっちの青黒いのは熱、温度に強いが粘度が低い、で、緑がかった黒は、硬度が高く温度に弱いってとこかな?」

「す、すごい、ほとんどあってますよ……」


何となく見てわかるんだよな〜


「ほんと?よかった~」

「そういえば彼螺、お前はそれを何に?もしかしてそのまま武器としてとか?」

「陛下、それは厳しいです、それらはアタシが作る武具の素材なんですけど、単品では欠点が目立ってしまうものなのです。」

「ってことは配合して打っているということか」

「そうなのです」

「まあ、逆に色々な種類がある方が嬉しかったからよかったよ」

「……それはどういう……」

「ごめんねーレグナさん、ここからは極秘なんだ」

「そう、ですか。そういうことでしたら私は少し奥に行ってますので」

「ありがとう、見せられなくてごめんね」

「いえ、お客様の事情は検索してはいけないのです……」


レグナさんは少し……いやだいぶ落ち込んだ表情でズコズコと店の奥に入っていった。


そんなに気になるもんかね……?

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