不幸なジジ神?
「で?あんたは?」
「だだのお爺ちゃんだ」
「いやいやいや、ただのお爺ちゃんが人の死んだ後に出てくる分けねぇだろ」
「じゃあ、あえて言うのであればお爺ちゃん風の神様ってところじゃ」
「いや、無理して、じゃ、何て言わなくてもいいから」
爆発後に恐らく死んだ俺は気づけばパイプ椅子に手足を縛られた状態で座らされていた。
そして、目の前にはパイプ椅子に座る老人
こっちと違うところは長机が老人の方にはあることかな
…………面接か!!!
「えっと、地球の日本出身、ただの一般家庭、両親と双子の妹と暮らしていた。間違いはないね?」
「面接かよ!!」
「え?あっ、いってなかったっけ?」
「聞いてねぇよ!っていうかなんで死んでんのに面接なんか受けんだよ!!」
「まあまあ、落ち着いて、電子レンジ爆発男よ」
「おい、ジジ神!変なあだ名つけんな!!」
「いやほんとの事じゃん?」
「こっのぉヤロ~」
「お?どうした?若者」
「落ち着け、落ち着け俺
年寄りに切れてどうするよ……」
「…なんだ、今の若者はこんなにも意気地無しになってしまったのか」
「tubusu!!」
「やっすい挑発に乗るのう」
「今さらじいさんぶってんじゃねえよ!」
「ほら!だったら来てみろ!ほいほい!」
手をくいくいと曲げて挑発するジジイ
あまつさえ尻を突きだしペンペンと叩くクソジジイ
「あぁああ!!うぜぇ!!これほどけぇえ!!」
「ほどくわけないじゃないか!お、ま、え、な、ん、か!
もしかしたら、千切れるかもね!
ぶはははははは!!」
「おらぁああああ!!」
「おっ!?頑張れ!お前ならいけるぞ!!ぶふふ!」
「らぁあああああああああああああああああ『ブチッ』あぁぁぁあ?」
「えっ?」
千切れ……た?
「オラァ!!」
「ケビン!!」
足はまだ縛られたままだったが、そんなもん知らんとばかりに目の前にいるジジイを殴り飛ばす。
その際変な声が聞こえた気がしたのは知らない
「殴ったね!?親父にもぶたれたことないのに!!」
「てめぇには親父もなにもないだろうが!!」
「まあね!でもいったいなぁ、僕の心は割れやすいんだよ?ちゃんと割れ物注意してもらわないと」
「わかった、粉々にしてみせる」
「割れ物ちゅぅい!!」
「そういうのみると壊したくなる性分なんだ」
「くっそ!!」
「形勢逆転かぁ!?」
「ふふふふふ、形勢逆転?私を誰だと『おらぁ!』べばぁあ!!」
最後まで言わせるまえに殴る
「痛いよ!!なんで殴るのさぁ!!」
「は?なんで殴っちゃいけないのさ?」
「鬼畜め!!」
「自業自得ってことで!オラァ!!」
「喰らうか!ってぇええ!バラァア!!」
バラ?
「なにその角度!!どうやって殴ってんのさ!!」
「はっ、俺の怒りの力は不可能を可能にするのさ」
「やだ……中二病よ」
「ほんとのことを言ったまでなんだけどなぁ?」
「えっ?」
「さっきの縄も千切れるはずなかったんだろ?」
「あれ神力込めてあるからただの人間に千切れるわけないのに千切れたってことは……本物?」
「完全に無理なものもあるけどな」
クッキー作りとか
一時の沈黙……
「はっ?」
「残念だったなジジ神!
ってことでくたばれ!!」
「バビル!!」
一時の暴力タイム……
「いや!助けてよ!!」
「……だれにいってんだ?ジジ神?」
「嫌ですよ、こんなイタズラしかしない人なんか助けるわけないじゃない」
「……マジで誰?声しか聞こえないけど」
「申し遅れましたわね、高凪彼螺様
わたくし、一応このジジ神の孫娘的存在の メリアと申します」
「……いや、出てきてくれよ」
声でしか自己紹介をされていない。
「へっ!お主ごときの目に我が愛孫娘が現れるわけなかろうが!!」
……まだ足りなかったか
「わたくしも加勢いたしますわ」
「あ、ほんとに?助かるわぁ」
「このジジ神にはずっと手を焼かされてきまして」
「そうだろうなぁ、このジジ神うざいもん」
「わかっていただけますか!そりゃあもう……て
そういえば声だけでは失礼でしたね」
あ、やっと出てくるんだ。
声はきれいな声だったから美人だったらいいんだけどなあ
そう思っていた時期もありました。
というかその時まで思ってました!!
なにもない空間から現れたのは超どストライクのもう二次元にしかいなそうな美少女だった。
腰にまで届く藍色の長髪
そして、整いすぎている顔立ち
瞳は髪とは異なりやや赤みがかった紫!
身長は160ぐらいのスラッとした肢体!
そして、小さくなくそれでいて大きいではない胸部!
(誉めてます!マジで誉めてますか!!)
そんな美少女がどこかで見たような藍色を基調とたファンタジーなドレスを来ていた。
「……」
「んんん?どうしたのだ?我が愛孫娘に見惚れたか!」
先にこいつを殺ろう
「メリアさんは……」
「お前ごときが我が愛孫娘の名前を口にするでないデファ!!」
渾身の右ストレート
「あとで相手をしてやるから黙っとけ、で、メリアさんはどんなことをしたいですか?」
「うーんと、わたくしも随分と苦労をさせられましたし、これを使おうかなと思います」
そういってまたもやなにもないところから取り出したのは一本の長棍だった。
「待ってくれ…私をそれでどうするつもりだ…」
「あはははは」
「うふふふふ」
「ひぃっ!!いやぁああああああああ!!!!」
十五分間のうざいジジ神の絶叫は続いた……
「あ~スッキリした」
「ホントにありがとうございます、このジジ神を堂々と殴れるときなんてそうそうなかったので」
「今ならできたんだ?」
「高凪様は初めからこれ(うつ伏せでピクピクしてるジジ神)を攻撃していましたが普通はあの手足を縛るテープに抵抗できないのです」
「あれを切れたからこれ(さっきピクピクしてるのもうざかったからもう一発彼螺に殴られて一切動けなくなったジジ神)をぼこぼこにできたのか。というか、それを解ければこいつは雑魚ってことか。
あ、そういえば俺は彼螺でいいぞ?」
「それじゃあ彼螺様で
それでも一応これ(ほとんど死体)はとある世界の創造神ですので他にも使えたはずなんですが、彼螺様には効かなかったみたいですね」
「このバクキャラめ……」
「もっかい沈め!」
「ヘバァ!!」
「わたくしも!!」
「えぇえがぁ!!!」
「ホントにメリアさんとは気が合いそうだよ!!」
「わたくしもそう思います!!」
「だが俺は許さない!」
「ちょくちょく一人称変えんな、クソジジ神
せっかく盛り上がってきてたのに」
「ホントに邪魔しかしないジジ神ですね」
「ちょ!お主のせいで我が愛孫娘の性格が!」
「いや、お前のせいだろ」
「わたくしは苦労を重ねてこういう性格になったのです。ジジ神という元凶のせいで」
「ぴぃーぴぃぴぃーピビュン!!」
「誤魔化してんじゃねえよ、こんないいやつがこのジジ神の孫ってのが信じらんねぇよ」
「わたくしも信じたくはないのですが現実は無情です……」
「そうだなぁ、現実はいい方向にいかないもんなぁ」
「そうともよ!!だから今の現実もお前に悪い方にしてやるわ!!」
「ホントにうざいなぁ」
「元々おぬしをここに呼んだ意味をさっき思い出したわい!」
「さっきなんだ。殴られた衝撃で思い出したのか?」
「やかましい!いい加減お主をここにおいておくと我が愛孫娘に悪影響が出るからさっさと飛ばしてやらぁ!」
「ちょっと待ってください!わたくしはまだ彼螺様と一緒にいたいです!」
「くうっ!お主に我が愛孫娘をやらんからなぁ!!」
「ちょっ!ジジ神!なにしやがる!!」
「お主は我の創造した世界で生きさせてやるわ!!」
「マジで!?やった!じゃあメリアさん、一緒にいきません?」
「けどわたくしは神の一人ですので……」
「俺をなめてもらっちゃこまるなぁ」
「え?」
「ちょっお主何を!!」
「何ってもちろん、神じゃなくしようとしてるだけだって!」
「そんなもんできるわけがぁああああ!!お前の能力!!」
「そゆこと!じゃ!孫娘貰ってくから!」
「不束ものですが宜しくお願いします!」
他の世界に移動する際に用意したやつは発動をさせると止められないらしい
「……ふざけんなぁあああ!!!」
「あははははは!!」
そうして俺は神の孫をさらって前とは違う世界で生きることとなった。