不幸の2つの国
「どわぁぁああ!!?」
「えっ?」
「「どわっ!」」
転移されたのは走り逃げていたリィジの目の前だった
んで、激突
「大丈夫ですか彼螺様!?」
「いてて、腰打ったぁ」
「うぐぐ………ひぃっ!!彼螺!!」
「うぅーいてて……あーよいしょっと」
「本当に大丈夫ですか?」
「おう、大丈夫大丈夫!動くのに支障はないしね、それよりもっと……なぁ!リィジよぉ!!?」
「違うんです!!いや!違くはないけど違うんですって!!」
「おいおい?どうしたよ?まだなんにもいってないのに何が違うんだろうなぁ?どう思うよメリア~?」
「私もちょっとどうかなって思いますよ?だって彼螺様のお仕置きに耐えきれず逃げ出そうとするなんて……」
「だよねぇ~」
「彼螺?メリアさん?まあ、落ち着こうぜ?」
「はぁ……まあいいや、もうめんどくさくなってきた、じゃ、行ってくるわ」
「そうですね…無駄な時間を過ごしたかもしれません…
いや、無駄な時間を過ごしました……」
「二人揃ってひどいっ!!」
「お前、ちゃんと婚約者選定トーナメントやれよ?やらなかったらマジでフルボッコにするからな?」
一人でもこいつに惚れているやつがいるんならチャンスを与えないとかわいそうだ。
例えあんな迷惑鍛冶娘だとしてもな
それに、こいつも満更でもなさそうだし
「その時は私も加勢します!」
「おう!じゃあ今度こそ……」
メリアの手をしっかりと握る。
「今この国に攻めて来ている軍の目の前辺りに行ってみたいなぁ!!」
この日何度目かのピースを発動させる
初戦のために
「本当に任せた…彼螺…」
……ってあれ?
「なんだお前ら?」
俺のピース、ランダム転移で転移してきた先はおよそ7人ほどのいかにも偵察部隊的な?人達の目の前だった。
「な、なんだ!?」
「人が!急に現れたぞ!?」
「たっ隊長!!」
「わか、わかっている!!」
おー混乱しとる混乱しとる。
「はいちゅーもーく」
めんどくさいからさっさと聞いちゃおう
「えーっとお前らって……なんつったっけ?メリア?」
「レジナスといってたと思います」
「そーそーそれ!お前らってそっからきたやつ?」
「……」
「それとも他のとこからきたやつとかー?」
「……」
「…ああ、もうめんどくせぇな……てか、そうじゃん、メリア頼む」
「はい!あなたの能力が知りたい」
「……!!?」
偵察部隊と思われるところの隊長君はピースとしか考えられない詠文を唱えたことに動揺していた
「で?どんなんだった?」
「えっと……」
メリアはメリアのピース、能力認識は対象の能力を作られた紙モドキに写すというまさにこういうときにうってつけってわけだ。
さすがメリア!!
「レジナスではないそうですね~
えっと、ムドルゴス?という国の偵察部隊長らしいです
名前は……」
「なっ!?」
「ああ、いらない、名前に興味ないしね」
「ええっ!!?」
「そうですね、他は~この人のピースは集団隠密、能力は1パーティーのに限りメンバーの気配を完全に消すことができるようになるそうです」
「おおっ!強いねぇ!!」
「なななっ!!?なぜ私のピースを!!」
「それがメリアのピースってこった、で?あんたらはどうするん?あらかたレジナスって言う国が戦争を仕掛けたことを知ったムドルゴス?がその経過のための偵察ってところだろうけど」
「……ああ、その通りだ」
「珍しいですね?彼螺様の考えが当たるなんて」
「ひどいっ!!もうちょっと褒めてくれてもいいじゃん!!」
「じゃあ……よしよし」
「子供扱い感半端ないけど嬉しいもんだねぇ褒められるって
えへへ~」
全く緊張感のないやり取りをする二人に偵察部隊の隊長さんはとても戸惑っているようです。
「な、なんなんだこいつら……」
しかし、隊長以外の反応はちょっと違った。
「隊長!?指示をください!!こいつらを見ているとイライラしてしょうがないんです!!」
「このくそリア充が!!俺達がどんな思いでこの部隊にいると思ってんだよ!!昼夜問わず敵軍の調査をしないといけないから出会いなんてないんだよぉ!!」
「コロスコロスコロスコロスコロス……」
「大丈夫です!!僕は一生隊長を愛でていきますから!!」
「おう!!俺っちのアイドルは隊長だけですよぉ!!」
「…………」
……コイツら…
キャラができてやがる
「まあいいや、で?どうするん?このまま帰ります?」
「あなたはこの状況を理解できてますか?」
「え?なに?」
「私たちはあなたを拘束又は抹殺をしなければなりません。
正体ばれてしまいましたから、7対2です。勝てるとでも?」
「元々戦う気なんて無いんですけど?」
「なら投降してください……もっとも隊員が何をするかは知りませんが」
「俺も忙しいからそういうのいいや……このまま帰れないよなぁー任務だろうし」
「もちろんです」
「……おおっ!いいこと考えたっ!!」
「彼螺様?変なことじゃないですよね?」
「変なことじゃないから安心してよ、ってことで、お前らの隊長さん借りるわ!!」
「「「「「「「……はぁっ!!?(……!?)」」」」」」」
「彼螺様!!?」
「さあいくぞ!メリア!
この国に攻め混んでいるレジナス軍の目の前にいってみたいなぁ!」
「ちょえっ!!おい!!?」
左手でメリアの手を掴み右手で隊長さんの肩に手を当ててピースを発動させる
急なことでメリアと隊長さんは驚いてたけどまああとでフォローしとけばいいでか
メリアはちょっと怖いけど……
「全軍!一時間の休憩!!
恐らく明日には到着するだろう!気を抜かないように!!」
「「「ハッ!!!」」」
レジナス軍
総勢30000
指揮官
刺鬼牙美こと、ソルティア=ユンガー
「ようやくあの邪魔な小国が潰れるか
まったく、皇帝もなぜもっと早く攻めこまかったのか……」
ソルティアは呟く
しかし、回りには誰もいない
いつもなら、そして悪魔はいつも突然やって来る。
「ソルティア様!!敵襲!!敵襲です!!」
「なんだと!!?どこの敵だ!!どれぐらいだ!!」
「いやぁえっとディルオルの国王の親戚と名乗る男一人と女一人、そしてムドルゴスの偵察部隊長…です……」
「……バカにしてんのか?」
なんだその面子、といわれてもおかしくないだろう。
何故なら敵国のムドルゴスの偵察部隊長とこれから攻め入ろうとしている国の王の親戚+よくわからない女
信じるわけがない
「いえまったく」
「はぁ、国王の親戚が護衛も付けずに出歩くわけないしそもそもこんな戦場になんてくるわけがない、そんなんあんたらで何とかしろ」
「ハッ!……といいたいところなんですけど……無理です」
「指揮官の指示を聞けないってのか」
「違います違います!!とっくに第一陣は壊滅しています!」
「…………は?」
「しかも、国王の親戚と名乗った男一人だけでです!!」
「…おい、なんの冗談だ?今ここに気の抜けたやつがいるんなら喝が入るかもしれないが刺鬼牙美といわれてるこのソルティアにそんな冗談を言いにきたんたらお前にはそれを実感してもらうことになるが?」
「だぁー!!それなら指揮官様が直々にみてくればいいじゃないですか!!」
「不敬罪適用すんぞ?」
「そんなこと言ってる暇があるんならつきてきてください!!」
「冗談だったら殺す」
「はいはい!!」
「「起動!」」
すると、特殊な靴に刻まれた魔方陣が発動する。
高速移動用魔装
噴出靴
操作のためには特殊な訓練を受けなければならないが機動性に優れ戦闘や移動にとても有効
「いくぞ!」
「はいっ!」
うーん、もう何人倒したかわからん
転移してから数十分後、敵の第一陣の兵士たちは一人を残して気絶していた
転移してきた俺らはまず、敵ってことを明らかにするためにリィジの親戚っていう曖昧な設定を利用し休憩していた兵士に上司呼んでくれね?と頼んでみた。
するとどうだろう、ほとんどのやつが怪訝な表情を浮かべるではないか!
そりゃそうか
胡散臭さ全開だもんな?
次に相手にしてもらえなそうなのでちょっと脅してみることに
「いや、別にお前ら全員と戦ってもいいけど……ほら、痛い思いをするのはすくないほうがいいじゃん?」
と言ってみた。
……あ、今思えば全然脅しになってない!!
ただの挑発でした!テヘ
まあそのかいあってか兵士の一人が攻撃して来たんですよ!
で?いやぁ相手をするには弱すぎたからそのまま倒すのも見せしめにならないかな~って思ったんでーその兵士が持っていた武器、防具を全部奪って、気絶させました!
そしたらやっと敵だと認識してくれて、一斉に攻撃準備に入られました!
まあ、メリアにはちょっと下がっててもらって、偵察部隊長さんには、メリアのとなりで俺の戦いっぷりをみてもらおうかと!!
ああ、いいところを見せようってわけじゃないよ?俺にはメリアがいるし?
ディルオル、まあ、リィジの国には俺がいるから気を付けてねっていう他国への報告したときのひとつの恐怖材料的な?
躊躇ってくれれば戦争を仕掛けてこないかな~的な!?
とまあ、最初の兵士みたいに次からどんどん来る兵士たちの装備を奪い、気絶を繰り返し続けてたら、ひとつの団体さんが無くなっちゃって!
んで、まあ、暇になったんで奪った装備を積み重ねまくってどこまで高くなるかな~とかでメリアと遊んでたら、敵軍の2陣、3陣と一杯来ちゃいました!!
しかも!その先頭にはいかにも強そうな人が!!
なんとも楽しそうな
よ、か、ん!!
「おい貴様か!これやったのは!!」
これ(倒れてる約3千もの遺体……死んでないけど)
「私がやりましたお巡りさん!」
「は?」
「……なんでもない」
「彼螺様……そこでボケるのは……」
「そこでメリアに引かれるのは俺としてはきついかな……」
「…ぉ……ぉぃ!………おい!!」
「え?だれ?なに?」
「ソルティア=ユンガーだ、この軍の指揮官をしてる」
「おお!あんたが大将か!!探す手間が省けたよ!」
「探す?なんだソルを探していたのか?」
どうやら自分を呼ぶときは一人称じゃなくて自分の名前で呼ぶらしい、時々いるよね
結構ありだと思う!
メリアがそういってたらやばそうだなぁ……
「なんでだらしない顔をしてるんだか知らんがいい加減話せ」
「上から目線系かーきついなぁー」
「ちっ!めんどくせぇ!話さないんならさっさとくたばれ!これ以上無駄な時間を過ごすわけにはいかねぇんだよ!」
「お?好戦的なのは俺的には好印象!まあ、他で少し減点があるからプラマイゼロぐらいかなぁ」
「ひーらーさーまー!?」
「安心しろ!メリア!俺からしたらメリアはどこの点でも最高点を叩き出してるから!!」
「全然意味がわからないので許しません!!」
「ええっ!?ちょっと口説いたかんじだったんだけど!?」
「そ、それなら……いいですけどぉ……」
「嫉妬するメリアもテレるメリアも可愛いなぁ!!」
「ふぁああ!!?」
「というかそれよりもあなた!?なんで攻撃されてるのにそんなにヘラヘラできるの!?」
「え?別に危機的状況な訳じゃないし?」
「そうか、さすがに程度じゃあ3000人もの兵士を一時間もかけずに戦闘不能になんてできないもんな」
「そういうこった、別にやってもいいけど……お前……なんでもない」
「なんだ!いいかけて止めるのはよくないぞ!!」
「言ってもいいけど知らないよ?」
「いちいちじれったい奴め!!いいから話せ!!」
「はぁ、お前は絶対に俺に勝てないから投降してくれない?全軍倒すのも楽しいからいいかもしれないけど……時間かけたくはないしね」
「ぶっ殺す!!」
「わぁ怖い怖い」
「魔術部隊!!残りの二人を始末しろ!!」
「え!?」
「なんで私までぇ!!?」
その直後、周りの空気が完全に止まった。
いや、止まってはいないが冷えきっている
正に時が凍っている
「……おい、てめぇ、誰の女を傷付けようとしてるかわかってんのか?」
「あ?」
「だから、誰の女を傷付けようとしてるか分かってるかってんだよ?」
「あんたのでしょう?それぐらいわかってるわよ」
「わかってやってんのか……」
俺はキレた。
何故ならメリアを攻撃しようとしたから
身体が軽い?
違うな
身体のリミッターが完全に外れた感じか?
それも違う
……でも、顔がにやける
何でだろうか……いや、分かってるよな、俺
たのしいんダロ?
ユルせナいコとヲしよウトしたのダカラ
ソイツヲ
コロセルノダカラ