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1話
「おはよう。」
「おはよう凪。早く起きたのね。朝食すぐできるからちょっと待ってて。」
「ちょっと緊張してたから早くに目覚めた。」
「ふふ、昔から緊張しいだものね。そういえば入学式9時からだったわよね。」
「うん。」
「じゃあ8時30分に出れば間に合うわね、近い高校っていいわね。はい、パン焼けたわよ。」
「…うん。いただきます。」
俺は去年の夏にあったコンクールを機にピアノをやめた。
俺が出るコンクールの優勝者はいつも立花小春で、俺はいつも二位。
もちろん悪くはない結果だが、コンクールの度思い知らされたんだ。
立花小春と俺との埋まらない差を…