表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王  作者: 原善
第四章 住所のないラブレター
81/209

その8 タケシの野望

 タケシのストラトス。

『ポリス内に入ったのは18台です!』と丸田の無線。

「隊を街の中央に集結させよ!」

『了解!』

『タケシ様!内部と連絡が取れます!短波無線を使ってください!』と変わって石森の無線。

「分かった・・・聞こえるか?こちら第一SC隊隊長、土井タケシだ!」

 

 雑音とエンジン音の中、耳を澄ましていると慌てた女の声が流れてくる。

『こちらは総帥直属部隊。この臨時無線を使うなんて・・・どういうつもり!?』

「瑠南花という者か?」とタケシ。

『そうだ・・・私は総帥直属の・・・』

「分かってる!これから地下に入る。手引きをしてくれ!」

『出来ない相談ね。私は・・・』

「事情は知っている。協力すればお前とその家族は開放してやる。」

『ば、馬鹿な・・・』

「本当だ!時間がない。信用してくれ!」

『信用してよいのだな?・・・わかった。わかるようにしておく。目立つようにな・・・』


「助かる!」

 無線を切るタケシ。

「よし!石森!ヒデ!突っ込むぞ!」



 P6指令室。

「ストラトス、北ゲートに入ります!」

「入れるなよ!」弘士が叫んだ。



 ストラトス3台は、迎え撃つポリスSCも少なく、塀からの機銃を潜り抜けると、簡単にP6の北ゲートに突入した。ゲート内は先程のサンドシップの衝突により混乱していた。

「奴め、いい仕事してくれてる・・・」タケシが呟く。



 その頃、ロクに異変が起きていた。昨日撃たれた傷口から出血が多くなっていたのだ。運転しながら必死に腹を押さえる。

「タケシめ・・・街の中に・・・アシカムは何してる?」


 するとロクの車のそばに1台のバイクが近づいてくる。キーンだ。キーンはヘルメットのインカムで無線を送ってくる。

『大丈夫か?ロク?』

「そっちこそ、無茶してないか?」

『久々なんで勘を戻すのに苦労したよ・・・』冷静なキーンの声。

「タケシは、中だ!ダブルは?」

『追って行ったはずだ!どうする?お前は負傷してるだろ!?』

「俺らも行くぞ!」

『言ったらきかないよな・・・わかった!』

2台は並走して北ゲートに突っ込んだ。



 タケシのストラトス。ストラトスは軍事施設から、住居街に入っていた。タケシは運転しながら出撃前の事を思い出していた。古川基地の駐車場。タケシの部隊の兵50名程の前にタケシがいた。


「我々は、これよりP6に再び襲撃を仕掛ける!しかし、最初に襲撃を仕掛けた時の戦力は3分の1にも満たない!だが俺は総帥の座はいらない!欲しいのは仲間を死に追い込んだ雷獣の首だ!」

 そうタケシが叫ぶと、兵全員が手を上げタケシに答える。


「そう兵の前では言ったものの・・・俺が本当に知りたいのはP6の謎・・・親父が恐れたこのP6の謎だ・・・それが分かればいい・・・」

『タケシさま!間もなく街の中心です!各車集結しつつあります。』石森の無線。

「仲間が何らかの手引きをする。各車見落とすな!」

『了解です!』



 ヒデのストラトス。街の様子を見ている。

「久しぶりのP6内・・・なんらあの時と変わっていない・・・さて、タケシさんよ?雷獣を背にしてどうするんだか?」



 P6指令室。

「敵SCは街の中心に集結しつつ・・・」と柳沢。

「中心だと??うちのSC部隊は?」弘士が再び席を立つ。

「山猫が追っていますが・・・」と松井。

「敵艦は?」

「敵シップ完全に圏外です!」

「黒豹、風神は?」

「北ブロックから敵SCを追っています。」

「アシカムを戻せ!外はレヴィアだけで十分だ!」

「なぜ、奴ら街の中心なんだ?」と久弥が顎ひげをさわる。

「しかも街に入って攻撃はしていません・・・」と曽根。

「我妻!守備隊はどうなってる?」

「間もなく近くに到着します。」

「SC隊と連動してこの区域を封鎖する!奴らを街から出すなよ!」

「ま、まさか・・・」

 久弥は急に大声を出した。


「どうされましたか?」と曽根。

「奴ら・・・地下に入りに来る・・・」

「まさか・・・」と弘士。


 その時、指令室に聞きなれない警報が発報音がなる。

「なんだ?」

「火災発報!第88エレベーター!」と桑田。

「エレベーターは全部下に降ろしたはずだ!」

「モニター出します!」


 中央スクリーンに映し出されたのは煙だらけの白いだけの映像だった。

「ん?」

「火災か?」と弘士。

「発報の種類は?桑田?」

「すいません!・・・煙感知器でした・・・」

「火災ではないのか?」

「すぐ確認させろ!」


「はい!・・・あの・・・88って・・・?」言いづらそうな桑田。

「なんだ?」と曽根。

「この指令室の真上なんですが・・・」

「ん?」

「・・・」みんなが真上を向いた。


「私・・・見てきます!」桑田は席を立ち上がる。

「おい!」

「平気です!見るだけですから!」

「なつみ!はい!これ!」

 松井は桑田の席にあった白い拳銃、ワイルドマーガレットを放り投げた。

「サンキュー!」

「弾込めた?」と松井。

「大丈夫!」

「桑田!兵に行かせる。席に着いてろ!」

「我々のほうが早いです!しかもスパイかも!?」

「はぁ?」

「自分の疑いは自分で晴らしますよ!曽根参謀!」とウインクする桑田。

「お前なぁ!命令が・・・」


「銃は持ったのか?」と久弥。

「は、はい!」

「偵察だけだぞ!無理するなよ!」

「了解です!」


 桑田は銃を腰に装着すると、急いで指令室を出て行く。

「おやじさん・・・」曽根が渋い顔で久弥に詰め寄る。

「言ったら聞かない。ロクの妹だよ・・・弘士ここを固めろ!敵は白兵戦で来るぞ!」

「分かりました!全員!司令室のドア周りを固めろ!各ドア電子ロックを掛けろ!」と弘士。

 


 タケシのストラトス。タケシらはポリスの街の中心にいた。何人かは無防備にも車を降りている。

「なんだ、誰も出てこないじゃないか・・・」と早坂。

「人ひとりいないのか、この街は?」と丸田。

「あそこだ!」とタケシ。


 タケシが指す所に煙が立ち込めていた。

「煙?・・・発炎筒か?」と石森

「あそこは・・・?」とヒデ。

「行くぞ!ついて来い!」タケシが叫ぶ。

「後続は我々が・・・」

「早坂、任せるぞ!」

 タケシらは再びSCに乗ると、その煙の立つ所へSCを飛ばす。



 P6指令室。

「敵SC動き出しました!」と柳沢。

「どこだ?」

「北ブロックに向かいました!」

「なぜ軍事施設だ・・・味方SCなにやってんだ?」

「今度は、街の外に逃げるのか?妙だ・・・?」と久弥。



 死龍は街の中の建物に身を潜めていた。そこにSCのエンジン音が聞こえてくる。死龍は窓からその方向を覗くと、先頭にストラトスが走ってくるのを確認した。

「ストラトス!タケシか!?」


 死龍はブーツの中に隠していた小型拳銃を取り出すと、そのSC隊らが通り過ぎるのを待って路上に飛び出した。すると最後尾のジープタイプのSCに向かって拳銃を発砲した。弾は機銃を構えていた敵兵に命中するが、助手席に乗っていた兵に気づかれ、バズーカを撃たれる。


 死龍は慌てて隠れていた建物に隠れたが、バズーカの弾の威力が大きすぎて、建物ごと吹っ飛んでしまう。爆風に吹き飛ばされる死龍。ぐったりして動けなくなってしまう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ