その6 死龍脱走
ポリス指令室。
「敵サンドシップ更に速度上げてます。北ゲート近辺です!」と柳沢。
「何っ!?」と弘士。
「特攻か!?」
「我妻!レヴィアに連絡!奴の足を止めろ!」
「了解!」
「速度落としません。北ゲートに突っ込みます!」と柳沢が追報する。
「機銃、砲撃!何してる!?」
元々、北ゲートは軍事用ゲートの為、ゲートの幅はレヴィアや虹の三角を出入りするため広く作られ、他のゲートから比べると頑丈に作られていた。しかし、大きく作っているせいか、復旧や修理等時間の掛かるゲートでもある。また軍事施設のゲートでもあるので、ここを破壊されるのはポリスにとっては痛手であった。弘士は嫌な予感を感じた。
レヴィア1番艦ブリッチ。
「敵が街に・・・」と国友。
「ポリスより連絡!奴の足を止めろと・・・」
「多聞!聞こえるか!?奴の後方のエアーブースターだけを狙えるか!?」
『そいつは神に祈るしかないな・・・』と内線の多聞。
「頼む!」
『あいよ!』
「しかし・・・ポリスの技術を盗んでいるのなら、奴の全てのブースターを砲撃しなければ、船は止まらない・・・」顔をしかめる桜井。
ヒデのストラトス。味方の船が街に突っ込むのを見ている。
「友軍の船が?体当たりでゲートを壊すつもりか!?ボンクラどもが!砲撃で破壊する事も出来ないのか!?」
P6地下6階ポリス専用医務室内隔離房。死龍が一人房の中で下を向き座っている。そこへドアの開く音がし、一人の女性が慌てて入って来る。まだ顔の包帯が取れない聖だった。
「誰だ!?」と死龍。
「ひじりと言います。ロクさんに頼まれました。」
「ロクに・・・?」
「すぐにここを出て下さい!兵が戻って来ます!」
「どういう事だ?」
P6指令室。
「敵シップ、接触まであと120秒!」と柳沢。
「我妻!虹の倉庫で作業してる者らを避難させろ!」と弘士。
「了解!」
「松井!南ブロックの地上護衛部隊を北に回せ!」
「了解!」
「レヴィア2番艦から4番艦が上陸してます!」
「間に合ったか!?」
虹の三角の整備している倉庫内の高橋の所に連絡が入る。
「敵の船がここにか?」内線を取る高橋。
『急いで避難して下さい。』
「わかった!おい!全員避難だ!一旦地下に入るぞ!」
高橋は虹で作業中の全スタッフに声を掛ける。
ジプシャン軍最新鋭艦ブリッチ。船はP6の北ゲート寸前まで迫っていた。
「間もなく敵ゲート!」
「突っ込むぞ!各員何かに掴まれ!」鈴木は自分の机にしがみ付いた。
レヴィア1番艦ブリッチ。
「多聞!砲撃止め!これ以上はポリスに当たる!くそ!間に合わない・・・」砲撃を止めさせる桜井。
ジプシャン軍のサンドシップが、ポリスの北ゲートに衝突する。船の中の兵たちは、余りの衝撃で倒れこむ。ブリッチにいた鈴木らも、席から放り出された。艦はポリスゲートの開閉部分の真ん中に衝突。ゲート2枚は、ポリスの内側へと倒れこんでしまった。
ポリス指令室。
「敵サンドシップ衝突!ゲート部分で停止してます!」と柳沢。
「被害は!?」
「左右のゲート倒れてます!」
「白兵戦用意だ!敵は捨身だ!」
「ん?・・・敵サンドシップ後退してます!」
「馬鹿な!?」
「後方のSC隊は?」と久弥。
「山猫と接触します!」
「弘士!SC隊が来るぞ!」
「まさか、SCを入れるためだけに・・・」
「敵も必死だな・・・」
「それにしても数が少ない・・・何故だ?」
ジプシャン軍サンドシップブリッチ。
「タケシ隊に連絡!目的達成!我艦はここを離れる!と無線だ!」
「了解!」
「わずか30台だぞ・・・いくらタケシ隊とはいえ、どうする気だ?」
「ポリスの反対側に新手の艦隊接近です!」
「後方副砲!東側の敵艦を牽制!ここを全力で離れる!」
「了解!全速後進!」
「敵SC隊と味方SC隊の中に入る!敵は砲撃をしてこない!残ってる機銃!敵SCを狙え!」
ポリス指令室。
「敵艦、西側に進路!敵SCと山猫隊の間に入ります!」と柳沢。
「松井!風神に追わせろ!」
「了解!」
「敵のストラトスは?」
「北3キロ、ジャガーと交戦中。」
「ストラトスが・・・なぜ来ない?」スクリーンを見つめる弘士。
キーンのバイク隊。
「了解!敵をポリス内に入れなければいいんだな!?」
『お願いします。ダブルさんと、バズーさんは敵戦艦に進路を阻まれ・・・』と松井。
「任せろ!」
キーン率いるバイク隊約40台が、敵SC隊を追いかけた。
ポリス内の階段。死龍と聖が階段を上がっている。聖が疲れた表情で階段の途中で立ち止まる。死龍が後ろを振り向いた。
「お前怪我してるんだろ?」と死龍。
「平気ですよ・・・それより、ここどんだけ深いとこにあるんですか?しかもなんでエレべーター止まってんのよ!」
「第一次戦闘配備だ。全エレベーターは止まる。地下6階とはいえ、普通の6階分じゃないぞ。」
「ここの真上は軍事施設って言ってましたから、地下3階まで行ってジプシーの住居街まで横移動しろって・・・」
「ここで育ったんだ、言われなくてもそうするよ・・・」
「じゃあ、案内必要なかったじゃないですか!?あいつ・・・」
聖はその言葉に顔を膨らませた。
「お前もここから逃げたいのか?第一ロクになんて言われたんだ!?」
「死龍を助けろって、あそこに居たらまずいって・・・」
「それだけか?ポリスの者には見えないが・・・」
「私?まあジプシーですけど・・・監視付きのね!」
「ふふふ、まあ察しがつくよ。行くぞ!追っ手が来る!」
「はいはい・・・」不服そうな態度の聖。
タケシのストラトス。
『敵の北ゲートを破壊!』と無線の石森。
「よし、各SCに告げよ。全車ポリス内に突入せよ!各車ここからがおのれらの見せ場ぞ!」
バックミラーにはジャガーの姿が映し出される。なぜか深く追っては来ない。
「夜明けか?奴も息を吹き返すな・・・今日は風が強い・・・」
東の空からは日が昇ってくる。荒野は砂が舞い上がるくらい風の強い日だった。
「ふふっ・・・好都合だ・・・」タケシは車内から不敵に笑う。




