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四天王  作者: 原善
第四章 住所のないラブレター
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その5 新・三方魚雷

 ヒデのストラトス。

「雷獣だと!?この間の機銃の手応えはなんだったんだ?確かに奴に当たったはず・・・奴は不死身なのか?」



 ロクのジャガーカストリー。 

「3台?手勢に補欠でもいたか?」

 ロクはふとストラトスのコクピットを見る。するとヒデが運転するのを確認する。3台は、ジャガーに間を詰めて行く。

「ヒデが・・・ストラトスに・・・?厄介だな。囲むつもりか?・・・また同じ技か!?」



 タケシのストラトス。

「雷獣が・・・いくぞ!新・三方魚雷だ!」

『おう!』と石森

『おう!』とヒデ。

 ストラトス3台は一斉にロクのジャガーに突撃を仕掛けた。


 ロクのジャガーは、三方を同時に突っ込まれる。

「3台いっぺんにかよ!くそっ!」

 慌てたロクは、急いでエアーブースターのスイッチを入れた。ジャガーの周りからたくさんの砂煙が放たれた。砂煙は以前とは違って、ジャガーの周りを竜巻のような形をしてジャガーの上へと伸びて行く。



 タケシのストラトス。タケシはその砂煙の様子に慌てて無線を飛ばした。

「ま、待て!」とタケシ。

 ジャガーはタケシたちの前で巨大な砂煙を起こしたが、すぐ砂煙が走っている速度で進行方向の後方消えるとそこにジャガーの姿はなかった。

『や、奴が消えました・・・』と石森の無線。

「ば、馬鹿な・・・」


 するとタケシらの後方でズドンという音がすると、いきなりジャガーが後方に現れた。


「なにぃ!?後方だぁ!?」



 ロクのジャガー。

「痛たたた・・・」

 ロクは車の衝撃で自分の腹をおもわず押さえた。片手でハンドルを操り、車体を立て直した。

「お前・・・やれば出来る子・・・しかし、こいつを使うとバッテリー消耗するな。まだ夜明け前だ。あまり使えないぞ・・・」



 タケシのストラトス。

「橋を飛んだ時の技か!?」

『しかし、車体を飛ばすパワーですか?』と石森。

『後方!奴が突っ込んできます!』とヒデ。

「くそが!散れ!」

 後方から突っ込むジャガーに対し、ストラトス3台は三方に散り始めた。



 ロクのジャガー。

「逃がすかよっ!!」

 ロクはジャガーのギアをトップに入れガトリングバルカンのレバーに手をかける。



 ジプシャン軍最新鋭艦ブリッチ。

「間もなく第六ポリス外壁部分が射程距離に入ります!」ある兵が叫ぶ。

「敵は?」と鈴木艦長。

「左舷敵戦艦1隻。右舷に敵バイク隊!正面にSC隊多数!」

「砲撃用意!目標敵北ゲート!」と鈴木。

「了解!第一、第二主砲、目標敵北ゲート!距離2700!」



 P6指令室。

「敵戦艦、間もなく射程距離に入ります!全速力でこっちへ向かって来ます!」と柳沢。

「突っ込む気か?具体的な目標は計算出来るか!?」と弘士。

「このままですと・・・北ゲート方面です!」

「敵SCは!?」

「後方、変わらず!」

「ロクは!?」

「敵SCと交戦中です!ストラトスと思われます!」と柳沢。


「ストラトス・・・」桑田は柳沢の方を心配そうに振り向く。

「桑田!ロクはどうした!」と弘士。

「は、はい。帰還命令は告げましたが・・・」

「ったく・・・何してる!?もう一度連絡だ!」

「て、敵!砲撃です!北ゲート付近着弾!」と柳沢。

「我妻!レヴィアに急ぎ応戦させろ!」

「了解!」



 ポリス北ゲート付近。ジプシャンのサンドシップからの砲撃により被爆し始める。



 レヴィア1番艦ブリッチ。

「多聞!敵の砲塔を狙え!方位右32度!距離2700!」と桜井。

『了解!』と内線の多聞。

「てぇー!」

 レヴィアの砲撃がジプシャン軍のサンドシップを捉えた。



 ジプシャン軍最新鋭艦ブリッチ。レヴィアの砲弾を受け、ブリッチ内は激しく混乱していた。

『第2砲塔被弾!』

『左舷第14機銃大破!』

『左舷第三高角砲に火災!消火班急げ!』

「艦長!左舷敵のサンドシップからの砲撃です!」

「ゲートはまだか!?」と鈴木艦長。

「塀部分は破壊しましたが・・・」

「よく狙え!ゲート一つ何してる!?」



 タケシのストラトス。

「ゲートはまだ破壊出来ないのか!?」

『もうしばらく・・・』と無線の鈴木。

「SCのバッテリーに限界がある。急げ!!」

『了解!』切れる無線。

「ええい!鈴木め!何をしている・・・」



 ロクのジャガー。ストラトスの1台を追いかけている。

「タケシ?逃げているのか?なぜ敵SC隊が前に出ない?・・・夜明け前だ、バッテリーの事を考えるとこれ以上エアーブースターは使えない・・・奴等も同じ事を・・・?」

 ロクはコクピットのバッテリー計を見た。

「残り3分の1か・・・夜明けまであと10分・・・」

 ロクは右腹を押さえていた左手をハンドルに戻した。するとハンドルに血が付いてしまう。ロクは改め左手の内側を確認する。

「傷口が・・・さっきの衝撃で開いたか・・・?」



 P6指令室。

『敵の砲撃は北ゲートに集中しつつ・・・』と無線。

「敵はゲートを破ろうとしているのか?SCを下げているのはその為か?なんの為だ?松井!正面の山猫を敵SCに向かわせろ!」と弘士。

「了解!」

「SCは30台程・・・以前と違いなぜ数が少ない?」と納得しない久弥。

「レヴィアの砲撃で、敵のサンドシップの戦闘能力は低下!」

「多聞砲撃手・・・やるな。」と久弥。



 ジプシャン軍最新鋭艦ブリッチ。

『第1砲塔大破!』

『左舷機銃全滅!!』

「後方主砲!何してる、敵戦艦を黙らせろ!」と鈴木。

「まだ実戦に慣れてない者ばかりです・・・これ以上は・・・」

「この大型戦艦が、あんな100メートルにも満たない戦艦に沈められる訳にはいかない!」


 すると後方にあった最後の砲塔もレヴィアからの砲撃で大破してしまう。

『第3砲塔被弾!』

『前部砲塔全滅!』

「くそ!このまま敵ゲートに突っ込む!」と鈴木艦長。

「しかし・・・」困惑する副官。

「ゲートを破壊するだけだ!艦首を敵ゲートに向けろ!体当たりしても破壊する!」

「り、了解・・・」

「くっ・・・このままでは終われるか・・・」唇を噛み締める鈴木。


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