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四天王  作者: 原善
第四章 住所のないラブレター
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その2 隔離房

 P6指令室の中央スクリーンに映し出されたのは赤外線映像で撮影された巨大な砂埃だった。

「何だこれは!?」

「15分前の静止画です。距離不明。敵古川基地方面と思われます。」

「レーダーは!?」

「まだ何も映ってません!」

「どういうことだ?竜巻ではないのか?」

「気象レーダーには何も・・・この映像から計算しますと、砂埃は500メートル以上。恐らく200メートル級の敵サンドシップのいやそれ以上かと・・・」

「こいつの進路方向を計算しろ!」

「はい!」

「我妻、司令を呼び出せ!」

「はい!」

「んー、桑田、松井を呼び戻せ!それと黒豹の山口を偵察に出るように伝えろ。」

「はい!」

「第1次警戒警報発令だ!」



 虹の三角1番機が入る大型ドック。高橋と桑田が打ち合わせをしている。そこへ松井がやって来た。

「我妻さんから連絡。指令室戻れって!」

「何ぃー!こんな忙しい時に・・・」

「わかったわ!やっと戻れる・・・」と桑田。

 すると小さいながら警報が鳴る。

「第1次警戒警報・・・?」不安な顔を見せる桑田。

「こんな時に敵かよ!」呆れる高橋。

「恐らくタケシよ!敵も必死なんですよ!」

「おっ!言うようになったね~」

「なつみ!早く行くよ!」

「うん!技師長スイマセン!」

「おお、後は任せろ!」



 P6指令室。

「黒豹出ます」我妻が叫ぶ。

「よし出せ!」


 そこへ弘士と久弥が入って来る。

「どうした!?」

「敵のサンドシップと思われる映像です。」

「これは・・・竜巻の可能性は!?」

「気象レーダーには反応はなく!」

「司令、参謀!出ます。敵ルートです!」

「出せ!」


 中央スクリーンにはP6周辺の地図と、この不明物体の予想進路が出てくる。

「これは?」

「P6じゃないか!?」

「1時間20分後到着予定。ちょうど夜明け前です。」

「偵察に黒豹を出した所です。」

「バズーのアシカム発進用意。」

「P7に連絡、2番から4番の3隻のレヴィアをこちらに向かわせろ!」

「はい!」

「松井と桑田は戻させましたから・・・」

「任せる!」

「赤外線がなければ夜襲をかけられた所です・・・」

「そうだな・・・山猫は待機だ!」



 取調室から死龍が2名の兵によって連行されて行く。ダブルが死龍を引き取る。

「後はいい・・・俺がする!」

「いえ!我々が地下6階に護送します。」

「地下6だぁ!?どういう事だ!?」

「司令の命令ですから・・・」

「・・・ったく!何でもかんでも命令かよ!」


 死龍はようやく顔を上げ、ダブルの顔を見つめた。

「死龍・・・」

「すまない・・・」

「どうしたんだ一体?」

「暫く入院さ・・・」

「入院?なんでだ!?なぜ拘束された!?」

「そ、それは・・・」

 すると、別の兵の一人がダブルに近寄った。

「ダブルさん。山猫出撃準備だそうです。」

「どういう事だよ、次から次へと・・・」

「敵サンドシップがこちらに!」

「今度は船かよ!」



 P6地下6階ポリス専用医療室。死龍が手錠をしたまま、3名の兵に連れられて入って来る。それを見つけるロク。

「死龍・・・」

 死龍はロクの顔も見ずに、ある部屋の中に入れられる。

「特別隔離房・・・なぜあんな所へ・・・」

 ロクはベットを起き上がり、その部屋に近寄った。既に兵が1名、その部屋の前に立っている。

「死龍は、なぜこの部屋なんだ?」

「お答え出来ません・・・」

「ここはミュウを保護し、隔離する場所だろ?」

「すいませんが、我々も何も聞かされておらず・・・」

「司令か!?」

「はい・・・」

 ロクは腹を押さえながらそこを離れて行った。



 P6指令室。既に桑田、松井が自分の席に着いていた。そこへロクが入って来る。いち早くロクに気づく桑田。

「ロクさん!?まだ寝ていてください。」

「大丈夫だ!司令は?」

「奥です・・・」


 ロクは指令室の雛壇を登り、弘士、久弥のいる最上段に上がった。手摺りを使わないと苦しそうだった。

「ロク・・・平気なのか?」と久弥。

「はい・・・まだ痛みますが・・・」

「そうか・・・」

「司令!なぜ死龍を地下6の特別隔離房へ?」

「これを見ろ。」


 弘士は黒いボードをロクに手渡す。それを見るロク。

「これは?死龍が・・・?」

「自分でも自覚していたようだ・・・ミュウだと・・・」

「ま、間違いないのですか?」

「残念だがな・・・しかも末期だ。」


 すると指令室内のスピーカーに無線が入る。

『こちら黒豹!敵SC隊と接触!後方の未確認を確認できません。』

「山口か!?」

「あまり無理をするな。こちらに戻れ!」

『了解!』

「敵ですか?」

「お前は、重症なんだ。おとなしく寝てるんだ!」

「タケシですか?」

「残念ながらサンドシップだ!いいから病室に戻れ!」

「くっ・・・」


 ロクは諦めて指令室を後にしようといていた。しかし、入口近くの桑田の席に近寄った。指令室は慌ただしくなって行く。するとロクは小声で桑田に囁いた。

「俺のジャガーは動けるのか?」

 その言葉に驚いたのか桑田も小声でロクに答えた。

「冗談はやめて下さい。その体で乗れるはずがないじゃないですか?死にたいんですか?」


 桑田は珍しく、ロクに凄んでみせた。

「動くんだな?」

「ゲートもエレベーターも動かしませんよ!」

「ジャガーがないなら、徒歩で陸戦だぜ!」なつみに向かって不敵に笑うロク。

「死龍さん、どうかしたんですか?」

「拘束され地下6にいる・・・」

「えっ!?」


 ロクが桑田のIDを首から持っていく。

「借りるぞ!?」

「もう!傷口開いても知りませんよ!」

「なんとかする・・・」

 ロクは笑顔で司令室を出て行った。


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