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四天王  作者: 原善
第三章 死龍覚醒
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その21 ソーラーキャノン

 P6指令室。突然ドアが開き、車イスに乗ったロクとそれを押す桑田が入って来る。

「ロク!」

「ロクさん!」

「ロクさん!?」

「怪我大丈夫なんですか!?」

 驚いたのは指令室のみんなだった。さっきまで意識不明の男が急に車椅子で現れたのだから。指令室のほとんどがロクの周りに集まり始めた。


「戻りました!心配掛けました!」とロク。

「だ、大丈夫なのかロク?重症と聞いたが?」と曽根参謀。

「なんとかしました!」とロク。

「出た出た・・・しかもちょっと新しいパターン・・・いえいえ本人このように強がってますが、まだ傷口はかなり痛いみたいですよ?」とロクの腹の傷口を触ろうとする桑田。

「おいおい桑田・・・これでも麻酔が効いてるようだし・・・本当の痛みはこれからじゃないですかね?」

「呑気に人事のように言うな!」と曽根。

「じゃあ、まだ寝てなきゃ駄目だろうが!」と弘士。

「死龍らが無事なのを確認したらすぐ戻りますよ。」

「さっきは、食堂にいたぞ。」と弘士。

「死傷者ゼロ・・・P5のクルーたちに感謝されたよ・・・」

 曽根の言葉が痒いくらいにロクに優しく聞こえる。


「そりゃどうも・・・」

「だがテスト走行でP5まで往復600キロ・・・聞いた事がない珍事だぞ!」曽根は呆れてロクを睨みつける。

「その責任は取ります。桑田を連れ出した事も・・・」


「その件は、死龍に感謝しろよ!」と弘士。

「はぁ?」

「死龍が駄目な後輩に代わって全責任を取ると!」

「死龍・・・いつまでも後輩扱いか・・・というか管轄違うでしょ!?」ロクは口を尖らせた。

「これでいいかな?分かったら少しはベットで安静にしてろ!」と弘士。

「はいはい・・・桑田?地下6に戻るぞ!」

「いいんですか?もう?」

「把握した・・・」

「では・・・司令すいません!」一礼する桑田。

「ああ・・・」

 指令室を出て行く2人。

「あれ!?桑田の入室は誰が許可したんだ!?」と曽根。皆が顔を背ける。



 エレベーターに乗るロクと桑田。

「桑田?」

「はい?」

「死龍を連れて来てくれないか?話がある・・・」

「地下6にですか?」

「俺のID持って行け。これで入れるだろ?」

「はい・・・」なぜか暗い顔の桑田。



  P6北ブロック軍事施設倉庫。虹の三角1番機から、物資を出す作業をたくさんの人々がしている。指揮は高橋技師長。そこへ久弥がやって来る。

「順調か?」

「おやじさん!?」作業を止める高橋。

「ロクが撃たれたと聞いた・・・」

「心配要りませんよ。あいつが銃弾で死ぬ奴ですか?」

「死龍らは?」

「地下で飯でも食ってるんでしょ?随分激戦だったらしいですから・・・」

「こいつを見れば分かる・・・」

 久弥は被弾した虹の三角を見上げた。


「このソーラーキャノンはどうするつもりですか?予定通り街の四方に・・・?」と高橋。

「こいつをレヴィアに取り付ける。」

「レヴィアにですか?」

「計画通り街の四方に・・・と思っていたが・・・6番から10番艦はすでに艦首に取り付ける準備はしている。」

「移動砲台・・・と言う事ですか?しかしそれでは・・・」

「わかっておる・・・問題は太陽光だな・・・?」顎髭を擦る久弥。

「こいつみたいに側面全部がソーラーパネルなら、大量の太陽光が吸収出来ますが、レヴィアでは少し難しいのではないでしょうか?なんせ今は、自分を動かせる太陽光を取り寄せるだけのエアーブースターだけで精一杯ですから・・・それにこれ以上、甲板にソーラーパネルを付けるのは難しいです!」

「いっその事、こいつに取り付けるか?」久弥は虹の三角を見つめる。

「可能ですが、こいつはP5の物です・・・死龍がなんと言うか?」

「死龍か・・・?」

「一番巨大のキャノンは、正直虹からどうやって取り出すかは、まだいい策がなく。このまま取り付けたら私ら技術班にしてみれば楽なんですが・・・」

「死龍に話してみよう!」と久弥。

「お願い出来ますか?」



 P6地下6階ポリス専用医療室。ロクの寝ているベットに死龍がやって来る。

「どこをうろついてる?その怪我で・・・さっき、皆でここに来たが居なかったぞ?」

「すまない・・・」

「まあいい。それで?平気なのか?怪我は?」

「これか?まあさっき医者に怒られたがな。1ヶ月はここに入院だとよ!」

「まあ暫く休む事だな!」

「そうもいかないさ!」

「ん?」

「タケシはまたここに来る!」

「こんな時くらいは、戦闘や作戦を忘れなさい!」

「ふふふ、その母さん口調変わんないね?」

ロクは死龍を見て苦笑いしていた。


「ロク!真面目に聞きなさい!」

「それそれ・・・イタタ・・・」ロクは笑いが堪えきれなく腹を押されながら笑っている。

「もう・・・」

「それでだが・・・タケシではないが、ストラトスの1台を仕留めた。このまま引き下がる相手ではないと思うが、死龍の意見を聞きたい?」

「わかった、わかった・・・仕事熱心なのはいいが、まずその体を直す事だ!」

「1ヶ月もか!?奴はそんなに待ってくれないぞ!」

「相変わらず頑固ね!」


 そう言うと、死龍はロクの腹を軽く叩いた。ロクは思わずうなった。

「うっ!」

「これでジャガーに乗れと?」

「おいおい・・・そっちこそ手加減知らないな・・・」

「タケシは任せなさい。明日帰る予定だったけど、2、3日は足止めくらいそうよ。」


「ん?・・・虹か・・・?」

「2番機ね・・・特に酷いのは・・・まあ久々の里帰りですもん、こっちもゆっくりするわよ。」

「タケシの件は、皆に話しておいてくれ。」

「分かったわ。ちゃんと寝てんのよ!」

「ああ・・・」

 すると、病室にダブル、キーン、バズーが入って来る。

「お邪魔だったかな?」


 ダブルが二人の会話に何かを感じたのだろう。部屋に入るのに一度躊躇いを見せる。

「私の方は、用は済んだわ。じゃあねロク!」

「おお・・・」

「意外と元気そうで、安心したぞロク!」とキーン。

「こいつがそう簡単に死ぬかよ!」とバズー。

 そう言うと、バズーもロクの腹を軽く叩いた。

「うっ・・・お前らな・・・」

「心配して損したよ!さあみんな!仕事に戻るぞ!」とダブル。

「なんせ、虹から貨物を降ろすのに大変でな。誰かのせいで!」

「俺じゃねぇし・・・」

「20ミリ弾か?ジャガーの装甲を貫いたのは?」とキーン。

「ヒデの装甲車だよ。」

「あいつ、まだうろついてんのか?そう言えば聖が言っていたのもヒデ・・・まさか・・・?」とダブル。

「ああ、奴の事だ。そう言えば、あいつに撃たれたのは、これで2度目になっちまったな・・・」

 ロクは、撃たれた腹を摩った。



 ジプシャン軍古川基地。タケシがP5に持ち帰ろうとした新型の船に、弾薬や食料を積み込んでいる。それをヒデと丸田が遠くから見ていた。

「いいのか?無断で?」

「さあな。俺らの責任じゃねぇし。」

「確かにそうだが・・・」

「さっきの話じゃ、ジプシャンも面倒臭いな。」

「はぁ?」

「タケシだツヨシだ・・・次期総帥争いに巻き込まれんのはご免だ。」

「何か、あの女に遊ばれているような気がしないか?」

「それよ。別に今のままでいいと思うんだが・・・」


 そこへ石森がやって来る。

「2時間後には、ここを出る。」

「夜に出るのですか?」

「テスト走行も兼ねてだ。」

「はあ・・・」

「それと・・・嶋のストラトスはヒデに乗ってもらう事になった。」

「俺がですか?」

「タケシ様が、お前の装甲車の運転を高く評価した。どこかでドライバー技術を習得したのか?」

「我流です!」とヒデ。

「ああ、こいつ昔からですよ。」と丸田。

「ならば、明日からストラトス隊だ。いいな?」

「分かりました!」

 石森が去っていく。


「いいのか?ヒデ?死人のSCだぞ?」丸田がヒデの顔を伺った。

「くくく・・・ストラトスか・・・このマシーンなら、他の四天王とも互角に戦える・・・」ハンドルを握り不敵に笑うヒデ。

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