表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王  作者: 原善
第三章 死龍覚醒
65/209

その15 ロクVS三方魚雷

 死龍はロクの無線に答えず唇を噛み締めていた。

『どうした?死龍!?』

「・・・」無言の死龍。

『死龍!?』


 死龍は意を決して無線に向かった。その時別の無線が飛び込んできた。

『山中です。2番機がこの先で横付けします!』

「・・・」厳しい顔の死龍。

『なっ・・・バカな・・・』とロク。


『後方のタケシ隊だけは食い止められます!死龍さん、先に行って下さい!』と山中。

「た、頼む・・・山中艦長・・・」苦肉の決断の死龍。

『仲間を見捨てんのか!死龍!』ロクが無線に割り込む。

「ロク・・・それしか方法は・・・ないの・・・」

『なら俺も残る!奴に・・・タケシに背は向けれない!』

『山中です!ロクさんには1と3の護衛をお願いします!』

『前方のミサイル隊は、弾がなければただのSCだ。虹の三角だけで出来る。しかしタケシのストラトスは別だ!あんたがその覚悟なら俺もここに残る!いいな死龍!?』

「しかし・・・」

『たまには俺の言うことも聞けよ・・・な?』

「ロク・・・」

『死龍?桑田を頼んだぞ!山中艦長!頼む!』

『あんたも噂通り頑固だな・・・ああ、任せてくれ!』と山中。


「ロ、ロクさん・・・」

 無線を横で聞いていた桑田は心配していた。

「死ぬなよ・・・ロク!」無線を握る死龍。

『なんとか・・・する!』

 ロクのジャガーは最後尾を走っていた2番機の後ろにまわるためスピードを落とす。すると虹の三角2番機は山と山の間が狭い箇所を見つけると、横付けに停車し道を塞いでしまった。



 タケシの後方部隊。ヒデらの装甲車もいる。

『1台が道を塞いでしまいました!!』と嶋。

『正面に雷獣もいます!』と石森

「仲間を逃がすつもりか!?しかし自ら逃げ道を断ったか!?雷獣!?敵は1台だ!逃がすなよ!討ち取れ!」



 ロクのジャガー。ジャガーの正面にはタケシの部隊が迫ってきた。ロクは彼らの砂煙を見ている。

「15台と装甲車が1台?装甲車はヒデか?道幅は狭い・・・ストラトスだけここから引き離す。・・・さて、行きますか。」

 ロクは再びギアを入れると、壁になっている2番機を背にしてタケシの隊に向かって走り出した。

「山中艦長!タケシのストラトスを連れて行く。後は機銃で応戦してくれ!ある程片付いたらそこを脱出するんだ。」

『了解!相手はタケシだ!無理するなよ!』

「俺の前は走らせないぜ。」

 ロクは無線を切ると、タケシのストラトスの正面に向かった。



 タケシはジャガーが突っ込んで来るのを確認する。

「行くぞ!三方魚雷だ!!」

『おう!』

『おう!』

 ストラトスの3台が正面からジャガーを囲み込んだ。



「この間の技か!?同じ技を!?」

 ロクはその時、キーンがバイクを整備している時の事を思い出していた・・・



「後方から?しかも3台で?」

「そうだ!その時に迂闊にも側面を取られてしまった・・・キーン?なんか知ってるか?」

「それは、第二次世界大戦時に三機の戦闘機と魚雷だけで、駆逐艦や巡洋艦などの足の速い艦艇を沈める戦法だな?」

「さすが物知りのキーン!で?魚雷?艦艇?なんだこれって飛行機の戦法かよ?」


「そうだ!それをこの陸戦で、しかもSCで行うなんて・・・タケシはとんでもない奴かも知れないな・・・?」

「どうすれば防げる?」

「後方から来た場合は、逃げ切ればいい。ジャガーの速度なら問題ない。しかし・・・」


「しかし?」

「正面から来た際は、なかなか難しいだろうな?なんせカウンターだからな・・・」


「そうか・・・」

「しかし、所詮は人の作った策・・・しかも舞台が違う・・・どうすれば・・・?」

「まあ、なんとかする!」自信満々のロク。

「最初の一撃はどっちから来た?」

「右だったな?」

「で?どっちにかわした?」

「普通は左だよな?」

「それで後方から来たSCに、左を突かれたか?」

「そうだな?左だ!」

「そしたら右に逃げ左を取られた・・・だろ?」

「そうだ。よくわかったな?」

「人は・・・嫌、動物も昆虫すら、危機を回避するための本能があると言われる・・・」

「本能?あんまり難しい言葉使うなよ!」渋い顔のロク。

「ふふふ・・・ロクが逃げる際って、その場からいち早く脱出するために・・・右、左、右とか、左、右、左とか・・・そんな風に逃げないか?」

「まあ、言われればそうだな。俺もそうするかも?」

「敵はこれを読んでいる。お前の無意識をな・・・?となればこの裏を読め・・・」

「右から来たら同じ右にか・・・?」

「うん!そうすれば2回目の攻撃が出来ない・・・だろ?」

「右、右、右ってただ回るのも手だな!」

「確かに敵の3番手の攻撃は翻弄されるはず!」

「本能、無意識か・・・?そこまで奴等は・・・?」厳しい顔のロク。



 ロクのジャガー。

「わざと、罠に落ちたように見せる・・・やってみるか?」

 ロクはギアを下げ、スピードをやや落とし3台のストラトスの中心に入る。



「スピードが下がったぞ!行けっ!1番!」とタケシ。

『おう!』

 嶋のストラトスがジャガーの右サイドに体当たりを掛けた。



「来たか!?なら・・・」

 ロクは嶋のストラトスの正面にハンドルを切る。


  

 その行動に嶋は慌ててハンドルを切る。

「こ、こいつ!俺たちの動きを・・・!」



「偶然か!?雷獣め・・・よし、次2番、石森!」戦況を見つめるタケシ。

『おう!』

 嶋に続き、石森のストラトスがジャガーの左を突く。



「やはり・・・ならっ!」

 ジャガーはまたしても、石森のストラトスの正面に立つべく左にハンドルを切った。



「雷獣が・・・やはり、こちらの動きを・・・なら・・・ヒデ聞こえるか!?」

『はい!』とヒデ。

「お前の装甲車で雷獣の正面を押さえろ!」とタケシ。

『分かりました!正面で良いのですか?』

「そうだ!正面だ!」

『了解!』

「嶋、石森。ヒデが奴の正面を押さえる。例の奴をするぞ!タイミングはヒデに合わせる。」

『分かりました!』と石森。

『では私が後方に回ります!』と嶋。

「よし!行くぞ!見てろ雷獣!“十字魚雷”だ!」

 ジャガーの四方から3台のストラトスと装甲車が近づいく。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ