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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その43 執念

「バ、バズーが・・・バズーたちが命を張ったのに・・・ま、まるで通用しないのか・・・?穴一つ開けれないのか・・・?陽、アキラ、山口・・・す、すまん・・・」


『あの夜、私を抱かなかったの後悔したでしょ?』

『へいへい・・・』

『不謹慎です・・・まだ喪に服してるのに・・・』

『なつみは好きじゃなかったですけどね・・・』

『・・・ったく男って生き物は・・・』

ロクは陽の言葉を思い出していた。

「陽・・・」


愕然とするロクは敵の大型艦を睨みつける。すると突然ジャガーを襲う銃弾。

「な、なんだ!?」



「今度こそ決着付けるぞ!雷獣!」

ツヨシの銀のSCがジャガーを襲う。



「またお前か!?懲りないな?悪いな・・・今そんな気分じゃないんだよっ!」ハンドルを切るロク。ロクはツヨシのSCに突っ込む。ジャガーは前部のバンパーから鋭利な突起が二本出てくる。



「雷獣がぁぁー!!」ツヨシが叫ぶ。

二台は激しくぶつかりあい平行して走行する。パワーではジャガーが上回った。やや押されるツヨシのSC。

「手負いか・・・?前回みたいに手榴弾はもう通じないぞ!フロントガラスがない?なら正面の機銃はどうかな!?」

ツヨシの車体はその低車体を利用して、ジャガーの下に入り込もうとしている。


「それしか手はないのかぁ!?」ロクのジャガーは力で押し続けた。


ツヨシのSCはジャガーのパワーに耐えられなくなると、スピードを加速しジャガーを追い越した。するとジャガーの目の前でスピンを掛けるとジャガーの正面に出た。二台は向かい合い、ツヨシはギアをバックに入れるとそのまま直列に走り続ける。互いに目が合う両者。


「俺は切り札は最後まで取って置く方でね・・・」笑うツヨシ。


するとツヨシのSCの両脇のボンネットから機銃が迫り出す。ツヨシはここぞとばかり機銃を撃つと、防弾ガラスのないジャガーの車内にも銃弾が流れ込んだ。


「くそっ・・・!」

ロクはすかさず助手席側に頭を隠すと、アクセルを踏み続けた。ジャガーのバンパーから出た鋭利な突起がツヨシのSCに突き刺さる。



「な、何っ!?」驚くツヨシ。

ジャガーの鋭利な突起がツヨシのSCのエンジンに直撃。エンジンが煙を吐き出してきた。そのままジャガーに押され続け二台は走り続ける。

「まだまだぁぁー!!」

ツヨシは構わず、銃弾をジャガーの車内に撃ち続ける。ジャガーのバックミラーや座席シートが粉々になって行く。


ロクはジャガーに急ブレーキを掛ける。すると押し続けられたツヨシのSCがその勢いで後方に吹っ飛んでしまう。荒野で二転三転するツヨシのSC。そのまま地面に反転してしまった。


「くそっ・・・またか・・・?なぜ勝てん!!」

意識が朦朧としたままシートベルトを外し車外に出ようとするツヨシ。頭から血を流し目の部分が腫れ上がっている。逆さになっているせいかまた衝撃のせいか、なかなかシートベルトが外せない。自分が飛ばされた方向を見ると。雷獣のSCがエンジンを吹かしているのがわかった。ドライバー席を見るとロクが不敵な笑みを浮かべている。


「雷獣がぁー!!」逆さになったツヨシはロクを睨んだ。


するとジャガーが地面に反転したツヨシのSCに向かって急発進して来る。


ツヨシは脱出が出来ないのが分かると、慌てて腰の拳銃を取り出し窓を開けジャガーに撃ち始めた。運転しているロクはその銃弾を避ける素振りも見せないで運転している。ジャガーの鋭利な突起が車内に閉じ込められたツヨシに迫った。


「うわあぁぁぁー!!」必死に顔を覆うツヨシ。


衝突する二台。ジャガーがゆっくりバックすると鋭利な突起が血で染まっていた。ロクは再びギアを入れると敵大型艦に向かった。


「どうしたらあいつを・・・」ロクは大型艦を見ながら呟く。


『こちらルナです・・・聞こえますか?』

突然ルナからの無線。既にフロントガラスがないので音声しか聞こえない。

「ルナか?どうした!?」とロク。

『バズーさん・・・バズーさんは!?無事に脱出しましたか!?』

「奇跡でも起こらん限り厳しいな・・・そっちは?」

『て、敵が大砲を・・・また太陽が出てきて・・・』意気消沈のルナ。

「そうか・・・?わかった!なんとかする!!」

『出た出た・・・って、どうすんですか!?』

「だから、なんとかだよ!」無線を切り大型艦に近寄るジャガー。


甲板の上からは再び大筒が迫り出してきてるのが見える。ロクは唇を噛み締めていた。

「どうやったらあの大砲を・・・?」ロクはその時、浜辺で息を引き取った楠本の言葉を思い出していた。


『レヴィアの主砲は効かない・・・奴を内部から止めるか・・・またはそれ以上の爆発力があるものしか手はない・・・』


「内部から止める?・・・それ以上の爆発力があるもの・・・?それ以上の爆発力・・・?」

ロクは後部座席下にあるエアーブースターを振り返る。


「しかし、こいつを奴の甲板に上げるとなると・・・?無理だ・・・エアーブースターで飛ぶのは、高さ二メートル程度・・・どうやったらジャガーをあの甲板に・・・?」

ロクは再び唇を噛み締める。


「レ、レヴィアか!?」ロクはハンドルをレヴィアに向けた。

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