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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その42 黒豹は死なない

ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「左舷に敵の高速戦車二機確認!SCも居ます!」ある少女兵が叫ぶ。

「斑も確認!雷獣です!」


「雷獣だと!?まだ生きていたか!?奴にはツヨシを当てよ!ポポ!?大筒はまだか!?」と寛子。

「まだ撃てません!この船の移動に相当のエネルギーを消耗!しかし西の空が晴れて来ました!」とポポ。

「残った左舷主砲!敵を寄らせるな!撃ちまくれっー!」寛子が叫ぶ。



敵SC隊に突っ込むロクのジャガー。ジャガーのバルカンが敵SCを粉砕していく。するとジャガーの近くで砲撃の爆音。ジプシャン軍のSCが数台吹っ飛ぶ。その砲撃は味方大型艦からの砲撃だった。


「撃つなぁぁー!味方じゃあないかぁぁー!!」ジプシャンのドライバーが悲痛な叫びをあげる。しかし砲撃は容赦なく続いた。



ロクのジャガー。

「なんて奴等だ・・・味方までも・・・しかしこれで援護になったな!・・・陽?頼むぞ?」

ロクは車窓から、アシカム隊を見守った。



ジプシャン軍大型艦

「敵高速戦車!我が艦に突っ込んで来ます!」

「くっ・・・神風隊をぶつけろ!!」寛子が叫ぶ。



アシカム隊の右舷から10台近くのSC隊が迫る。いち早くこれに気づく陽。

「こいつら爆薬を積んでる自爆用のSCか!?」

『奴等!アシカムを狙ってます!』と山口。

『は、速い!?避けれない!』とバズー。


アキラのSC。

「こ、こいつらぁー!」

アキラは先頭の敵SC隊にハンドルを切り、自らのSCで体当たりを掛ける。大爆発を起こし黒煙を上げる荒野。


山口のクジラム。

「アキラァァー!!」


陽のエスプリ。

「あ、あいつ・・・」

黒煙の中から続いてアシカムに体当たりを掛ける敵SC。ドライバーたちは狙いが定まったのか、次々に車から飛び降り行く。無人となった敵SCがアシカムを襲う。


ボブのSC。

「やるじゃねぇかP6・・・P5だってなぁ!!」

ボブもアシカムをかばってSCを無人敵SCに体当たりを掛ける。爆発を起こし荒野に横転するボブのSC。


陽のエスプリ。

「ボブ!?ったく・・・」


敵SCと戦闘中ロクのジャガーもアキラとボブの体当たりを見ていた。

「アキラ・・・ボブ・・・」

嘆くロク。すると突然無線が入る。

『ロ、ロクさん・・・すいません・・・』声は山口だった。

「山口か!?どうした!?」

『アシカムを・・・バズーさんを頼みます!』

突然切れる無線。すると山口のクジラムが敵の自爆車に体当たりを掛け、大爆発を起こしてしまう。

「やまぐちぃぃー!」ロクは車内で絶叫する。


『なんか隊長に、そんなに熱く語られたの初めてです!』

『あ、ありがとうございます・・・』ロクに腹を殴られる山口。

『出た出た・・・』


『俺に盲撃ちを教えて下さい!』

『死龍さんの事は任せて下さい!』


ロクは山口とボブの事を思い出していた。

「や、やったなっ!!」

ロクはアシカムに向かってアクセルを踏んだ。


次々にアシカムに突っ込む無人の車両に向かって体当たりを掛けるポリスのSC隊。バズーはアシカムからそれを見ていた。

「くっ・・・泣かせてくれんじゃねぇか!?どいつもこいつも!」とバズー。そこにロクのジャガーも合流。アシカムを護衛するのはジャガーとエスプリだけになっていた。三台は敵大型艦に更に近寄る。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「敵大型戦車接近!!本艦に特攻を掛ける模様!」

「主砲は!?」と寛子。

「既に近すぎて無理です!」

「甲板よりバズーカ攻撃だ!」



ジプシャン兵が左舷甲板よりアシカムに向かってバズーカを発射する。全弾がアシカムに向かった。



「し、しまった・・・」

ロクが慌ててアクセルを踏んだ。するとジャガーはアシカムと砲弾の間に立ち塞がり、着弾寸前でガトリングバルカンを発射する。十発近い砲弾全てはジャガーの前で爆発する。黒煙に包まれるジャガー。


「ロ、ロクさん・・・!?」陽はその様子に驚く。


「ロク!?」慌てるバズー。


すると黒煙の中から変わり果てたジャガーが出てくる。防弾ガラスだったフロントにもヒビが入りサイドミラーも無くなっている。屋根の部分のガトリングバルカンの一門も折れ曲がっていた。

ロクは走行しながら拳銃の握り手部分でフロントガラスを割り始めた。


「ふっ・・・不死身か!?」その姿にバズーは驚く。


ロクのジャガーが立ち直っている際に、再び放たれる敵バズーカの砲弾。アシカムは回避運動を取るが、何発かが間に合わない。

その時だった。陽のエスプリがアシカムをかばう為、アシカムと砲弾の間に立ち塞がる。二発の砲弾を受け荒野を激しく転げ回る陽のエスプリ。地面に叩きつけられると、エスプリは爆発してしまう。


「陽ぉぉー!!」ロクがエスプリに向かって叫んだ。


「ふざけんなぁぁー!!」ジャガーの残ったガトリングバルカンが、敵の大型艦の甲板にいた兵士たちを狙撃する。一瞬で倒れる兵士たち。

『ロク!』突然バズーから無線が入った。

「な、何だ!?」

『黒豹たちの犠牲・・・忘れねぇ・・・ありがとう・・・』


敵大型艦に近づくアシカム。

「早く脱出しろ!バズー!?」


アシカムのコクピット。

「いいんだ・・・お前と戦えて・・・毎日楽しかったぜ・・・」

『バズー!?』

バズーは自らアシカムの車両にバズーカを向けた。迫り来る敵大型艦の側面。


「後は・・・任せたぞ・・・ロク?」

『バズー!?止めろ!?』

バズーは自ら車内にバズーカを撃ち込むと、アシカムは火だるまとなりそのまま敵の大型艦艦首部分に飛び込んで行く。



「バズーっ!?」その様子を車内から見つめるロク。あまりの悔しさにロクはハンドルに頭をぶつけていた。

「バズー・・・」



大型艦の黒煙が上がった部分から煙が消え始める。すると敵艦の側面部分がほとんど影響がないのが分かった。敵大型はゆっくりとP6の街に侵攻する。


「ま、まるで影響ないのか・・・!?」ロクは愕然とした。

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