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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その28 ボブ大作戦

走行中のボブの車内。

「P5はそんな柔じゃないんだよ!さあ行くぞジプシャン!!」ボブが率いるSC隊は僅か20台。敵SC隊と交戦中のP6の山猫部隊に参戦する。



虹の三角コクピット。

「敵艦!大砲発射態勢に入ります!」ある兵が叫ぶ。

「全員白兵戦準備!敵の艦首衝突と同時に敵艦に乗り込む!」指揮をしていたのはP5司令の五十嵐。



レヴィア1番艦ブリッジ。

「P5だぁ・・・生きていたのか!?馬鹿ボブ!?これどういう事よ!?ボブ説明して!?」陽は無線を飛ばした。

『それはあとあと!先ずは作戦でしょ!』

「作戦って・・・?私何も聞いてないわよ!?」

『これぞ名付けて・・・ボブ大作戦!!内容はですね・・・』

「もう・・・男って・・・この忙しいのに腹が立つ!」無線を切る陽。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「三角木馬!本艦に突っ込んで来ます!!」

「砲撃しろ!近寄せるな!」と犬飼。


「ポリスめ!わざわざ竜の巣を囮に使うとわ・・・?最後まで笑わせてくれるわ!ポポ!大筒発射は!?」と寛子。

「あと二分です!」とポポ。

「三角木馬!左舷艦首部分に衝突します!回避出来ません!」

「くっ・・・」



足の早いP5の虹の三角が、ジプシャン軍の大型艦の艦首部分に衝突する。コクピットにいたクルーや五十嵐司令らは、その衝撃で床に倒れ込んでしまう。

「各員銃を持て!敵艦に突入する!!」五十嵐が叫ぶ。


虹の三角のコクピット部分すぐ上の機銃部分から、数本のロープが発射され、敵甲板へ繋がれる。そこへ滑車を使ってP5の兵たちが敵艦へ次々と乗り込んで行く。



レヴィア1番艦ブリッジ。

「白兵戦か!?各艦、敵艦艦首部分への砲撃を中止せよ!」陽が叫ぶ。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「発射三十秒前!」とポポ。

「敵兵、甲板に乗り込んで来ます!」

「全員・・・生きて返すな!」と寛子。



虹の三角コクピット。

「敵の大砲が発射されます!」

「押せ!!押すんだ!!」と五十嵐。

虹の三角は敵の艦首に突っ込んだまま大型艦を押し始める。荒野にタイヤと地面が擦れる音が聞こえる。


「押すんだ!こいつの奇跡を見せろぉぉー!!」と五十嵐。

少しづつ大型艦の艦首が動き始める。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「艦首、押され始めました!」

「構わん!撃てぇぇー!」寛子が叫んだ。


大筒から発射された三度目の閃光。その威力は大気中の空気をも波動として揺るがせ真っ直ぐ五キロ先のP6に向かって放たれた。



虹の三角ブリッチ。

「間に合わなかったか・・・?」五十嵐が閃光に目を薄めながら窓の外を見る。


ロクのジャガー。

「街が・・・?」慌てるロク。



閃光は真っ直ぐ街に向かうと思いきや、虹の三角が方向を変えたお陰で、街の西ブロック近辺を掠りポリスの東側に位置する海岸線に反れるしまう。しかし勢いは凄まじく、P6の東側の塀の一部を破壊してしまった。それどころか、閃光は沖の海に命中し沖合いで巨大な爆発を起こしてしまう。


海上には巨大な水柱が立ち、それは高さ数十メートルの津波となって海岸を押し寄せる。



レヴィア1番艦ブリッジ。

「海に津波!高さ十メートル以上!!海岸に押し寄せます」と国友。

「全員何かに掴まれ!桜井!艦を波に垂直に向けろ!」陽が叫んだ。

「了解!面舵ーっ!」

「着水と同時にエアーブースター出力最大!波にのまれるなよ!」



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「高さ十数メートルを越す津波が発生!こちらにも及びます!!」ある少女兵が叫ぶ。

「ふふふ・・・このまま街をのみ込め!!」と寛子。



津波はP6の北西から襲って来た。津波は街に近寄るごとにその勢いが弱くなっていたが、大量の海水が塀の崩れた箇所から街へと流れ込んだ。波は次々と街の中央部分へと移動、その一部は壊れたエレベーターを伝って地下へも流れ込む。


P6指令室。

「東ブロック38から47エリアの地下三階に浸水!」

「北ブロック軍事施設の一部が倒壊!」

「ジプシーを全員退避させる!」弘士が叫ぶ。


一部避難中のジプシーたちが波にのまれる。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「津波接近します!」ある少女兵が叫ぶ。

「エアーブースター始動!艦を津波に垂直に保て!」犬飼が叫ぶ。

「その前に・・・P5の三角木馬を砲撃しろ!」寛子も叫ぶ。

寛子の命で虹の三角側の甲板にあった主砲が、五十嵐が乗り込むコクピットに向けられる。



虹の三角コクピット。五十嵐は敵主砲が自らに向けられたのを見ている。

「く、くそっ・・・ボブ、みんな・・・後は頼むぞ・・・」

次の瞬間、主砲の弾丸が虹の三角のコクピット部分に命中。虹の三角の前部は木っ端微塵に吹き飛ぶ。


ボブのSC。

「い、五十嵐さん・・・!?」


ロクのジャガー。

「い、五十嵐司令・・・ボブ!津波が来る!ここから逃げるぞ!各員西側に緊急退避!」ロクが叫ぶ。

『了解!』



ジプシャン軍大型旗艦は高さ十メートルを越える津波に襲われる。甲板にいたP5やジプシャンの兵士たちが、数名この揺れで甲板から転げ落ち、津波にのみ込まれてしまった。しかしその巨大な船は、この津波を持っても甲板には届かなかった。船はやや荒野を流されるものの、数百メートル南に流されただけで荒野に停泊した。


海に浮上したP7はこの巨大な津波に流され、海岸まで押し戻されたいた。海岸に辿り着くと、大きな巨体は押し潰されるように破壊されてしまう。



「お、親父さん・・・!?」ロクはジャガーの車窓から叫ぶ。

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