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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その23 竜の巣

ロクは右手でキーンのソードライフルを握った。すると再度バックミラーで死神の位置を確認した。

「見てろ!」


ロクはジャガーに急ブレーキを掛ける。慌てて後ろから追撃している大広もジャガーを回避しようとし、ジャガーの真横に並走した。ロクはそのタイミングを図ってスピードを上げ、運転席側のドアを蹴り開けた。一瞬互いに手の届く位置に着いた。大広はここぞとばかり運転しながら、左手の拳銃で運転中のロクに狙いを付ける。


しかし、ロクもこのタイミングを狙っていた。大広の拳銃の構えと同時に、ロクはキーンのソードライフル振りかざしながら伸ばし、右手で走行中の大広を切り付けた。大広の銃弾はロクの頭を掠り、ロクのソードは大広の首と胴を切り落とす。荒野に激しく転がり落ちる大広の首。バイクは暫くジャガーと並走したが、大広の体が転がり落ちると、バイクも激しく横転する。

ロクは静かにドアを閉めると、額に流れる血を拭き取った。


「キーン・・・満足か!?」ロクはそっとソードを助手席に戻す。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「ポリスとの距離五千!大筒撃てます!」少女兵が叫ぶ。

「太陽光は!?」と犬飼。

「98パーセント!間もなくです!」

「・・・寛子様?」犬飼が寛子の顔色を伺う。


「よし艦を止めろ!!」

荒野に止まる大型艦。その艦首の先にはP6の街が見える。



P6指令室。

「敵大型艦停止!」と柳沢。

「来るぞ!東海林!?」と弘士。

「いつでも行けます!」

「しかし妙です!敵は先程の大砲を甲板に出していません!」

「な、なんだと!?」驚く弘士。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「左舷に敵艦隊6隻!あと5分で射程距離に入ります!」と少女兵。

「寛子様?なぜ大筒を・・・?」不安がる犬飼。

「左舷主砲!敵艦隊を近寄せるな!敵艦隊は乱れている!・・・犬飼分からぬか?太陽光を蓄えた大筒に砲撃を喰らえばこの大型艦ごと吹き飛ぶ!」と寛子。

「そ、それは・・・しかしポリスの戦艦の主砲の威力は計算済みです!大筒自体の強度は、十分に耐えれる計算で設計しており・・・」

「念には念をだ・・・馬鹿者が!」

「ははっ!」頭を深く下げる犬飼。

「しかし遅い・・・艦隊が近寄れんとすると打つ手は一つだろ?ポリス?」寛子は立ち上がり窓から街を見渡す。



レヴィア1番艦ブリッジ。

「何してんの!?桜井!?」

怒り気味の陽。船の外は激しい爆音が響いている。

「何って・・・こう砲撃が激しいと・・・」

「こっちは向こうの射程距離外でしょ!?」と陽。

「そうはいえ、火力は敵が上回ります!下手すりゃ当たりますよ!何門積載してんだって話ですよ!」

「野郎っ・・・私たちを近寄せないつもりね?こっちもソーラーキャノンを使えれば・・・ならば奴の真後ろに移動するわよ!」

「了解!」と桜井。



ジャガーを運転するロク。大型艦の後方近くに寄って行く。艦の甲板からは無数の機銃がジャガーを狙って発射されていた。

「主砲が側面で十五門・・・二十ミリ機銃がざっと五十、十ミリ機銃に関しては数えれんくらいある・・・まるで化け物だな?」

ロクはバックミラーで、後方のレヴィア艦隊を見つめた。

「これじゃあ、陽も容易に近寄れんな?さてどうする?」

ロクはチラリと海を見つめた。

「しかし、まだ肝心の大砲が出てない・・・どうしたら?」

ロクは激しい銃撃の中、敵艦の艦首部分を見つめた。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「敵艦隊は完全に射程距離外に足止めしました!」

「数隻が我が艦の後方に回ります!」

「後方!雷獣確認!現在交戦中!」

「ツヨシ様!他8台、第二デッキに入庫!」


「生きていたか?・・・運の良い奴よの・・・?」寛子が薄笑みを浮かべる。

「ここは、雷獣退治に使いましょうか?」と犬飼。

「放っておけ!・・・しかしP6も以外と呆気なかったな・・・?」

「はぁ・・・?」寛子の言っている意味が分からない様子の犬飼。

「作戦を続行するぞ!大筒を出せ!!」

「ははっ!大筒用意!」犬飼が叫ぶ。

「ふふふ、痺れを切らしたのはこちらか?」笑う寛子。


大型艦の艦首甲板から再び大筒が競り出してくる。



P6指令室。

「敵艦!艦首部分から大砲が出ます!」柳沢が叫ぶ。

「来たか!東海林?タイミングは任せる!」と弘士。

「了解!」

「北ゲートから、敵SC隊が街近辺から撤退の報告!」とルナ。

「来るぞ!」


街の四方の巨大な塔が電磁を帯て輝き始める。何かの機械音が甲高く響き渡る。



ロクのジャガー。

「出たか!?今だ!セブンオーバー!!」ロクが無線を飛ばした。



ジプシャン軍大型旗艦の右舷に位置する海上が波立ち、巨大な建造物が浮上してくる。その建造物は四角い姿をあっという間に海上に現してきた。すると建物の天井部分から4門の主砲を競りだしてきた。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「か、海上に敵戦艦浮上!かなりの大型です!」少女兵が叫ぶ。

「な、何だと!?」慌てる犬飼。

「慌てるな馬鹿者が!?」一喝する寛子。

「ひ、寛子様?これは・・・!?」

「ふふふ・・・竜の巣だ・・・」不敵に笑う寛子。

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