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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その22 ロクVS死神

「ロク!お前またおいしいとこを・・・」

「お前がいてなぜキキを守れなかった!!」

「絶対強くなってやる・・・キキの為にもな!」

「出た出た・・・」

「これはこれはお嬢様・・・わたくし・・・」

「お前だけは敵に回したくないな?」


ロクの脳裏に浮かぶ様々なダブル。

「嘘だろルナ!?嘘だろルナ!?」

『わ、私がデ、デートの約束しなかったから・・・ダブルさんが、ダブルさんが・・・』

『ゲートオープン!!』桜井の声が車庫内に響く。レヴィアの車庫には砂煙が入って来る。


「ダブル・・・ルナ聞こえるか!?」

『・・・は、はい!?』

「奴なら大丈夫だ!きっと死ぬかと思った・・・なんて言って戻ってくるさ!!」

『そ、そうですよね・・・ダ、ダブルさんは死にませんよね?』

「うん・・・桜井!ジャガー出る!!」

無線を切ったロクはギアを入れ、アクセルを思い切り踏み込んだ。するとジャガーは走行中のレヴィアから勢いよく飛び出す。


「ダブル!この目で確かめるまで俺は信じないぞ!」

ジャガーの中で一人呟くロク。



P6指令室。

「敵大型艦!南の海岸線ルートを変えポリスに向かっています。距離八キロ!」と柳沢。

「第一艦隊、第二艦隊とも迎撃に向かわせろ!」と弘士。

「了解!」と我妻。

「アシカム被弾!走行が困難!」と松井。

東海林とうかいりん!四天王システム準備!」と弘士。

「了解!四天王システム発動!」

東海林が机の巨大なレバーを手前に引いた。



街のゲート近くの区域が丸く開き、各々の箇所から巨大な角が轟音と共に現れてくる。



ジプシャン軍大型旗艦ブリッジ。

「街に巨大な角が!!」少女兵が叫ぶ。

「こ、これは・・・!?寛子様・・・」犬飼が驚く。

「怯えるでない!馬鹿者が!これが父が恐れたポリスの正体だ!」立ち上がる寛子。

「こ、これが神と言われたポリスの正体・・・」

「これで私は父に並んだ・・・そしてようやく父を抜き去る時が来た・・・街に二回目の大筒を喰らわせてやれ!最後のポリスを葬るのだ!!」

「かしこまりました・・・大筒発射準備!」犬飼が叫ぶ。


「太陽光充電まであと18分!」

「甲板に再度大筒を上げます!」と少女兵たち。


「待て!!」寛子が突然叫ぶ。

「ど、どうされましたか?寛子様?」

「スパイの話ではもう一つポリスは策があるらしい・・・大筒は発射寸前まで甲板に出すな!」

「かしこまりました!」

「さて何を見せてくれるのかな?・・・ポリス?」不敵に笑う寛子。



P6指令室。

「敵大型艦!距離6500!」柳沢が叫ぶ。

「東海林!?」弘士も叫んだ。

「準備完了!いつでも行けます!」

「敵、南西より侵入!間もなく敵の射程距離と予想されます!」と柳沢。

「南と西のシステムにシールドを張るぞ!全館!第一級戦闘配備!」弘士は立ち上がった。

「広目天、増長天にシールドを張ります!」と東海林。


ポリス館内の照明が薄暗くなり、指令室や各廊下、ジプシーが避難している各シェルターの部屋も灯りが弱くなっていく。


そんな中でもポリス専用の食堂にいた直美だけは冷静だった。

「コック長!もう火力が弱くなったじゃない!こんな照明で料理なんて作れないわ!指令室に文句言ってやる!!」料理中の直美。

「直美ちゃん!第一級戦闘配備だよ・・・もう料理はいいから自分のシェルターに戻って・・・」と直美をなだめるコック長。

「もう冗談じゃないわ!兵士たちはお腹空かせて戦ってるのに!食事くらいちゃんと与えてあげなさいよ!全く!!」怒りながらフライパンを動かす直美。

「もういいから、妹さんや弟さんたちの所に行きなさいよ。怯えてるはずだよ・・・」

「いいえ!私はここに残るわ!」無心でフライパンを振る直美。



ロクのジャガー。艦隊の先行として敵大型艦の左舷に回り込んでいた。ロクは敵の大型艦の大きさに驚く。

「な、何メーターあるんだ!?レヴィアの四倍?いや五倍はあるのか!?」

するとジャガーは背後から銃撃を受ける。

「敵か!?」

ロクはバックミラーで後方を確認すると、数台のバイクがジャガーを追って来ていた。


「死神か・・・?こんな所で・・・」


「今日こそ決着を付けて貰いますよ・・・雷獣・・・」

バイクに乗った大広が不敵に笑う。


「しつこいんだよ!いつもいつも!」

ロクがバルカンのスティックに手をかける。屋根から競り出したバルカンの砲口が後方に向き、後方にいたバイク隊を襲う。数台のバイク隊はこの一斉射撃に撃たれ荒野を横転するが、大広と数台は間一髪でこの銃撃を交わしジャガーを追い続ける。


「今、知ったけど死神!動体視力凄いじゃん!」とバックミラーを見ながら笑うロク。


「くっ・・・許しませんよ・・・」と大広。


「ほんとしつこい!お前らごときに弾を使いたくないんだよ!」

ロクはギアを下げ猛スピードのままハンドルを切った。するとジャガーは回転しながら追ってくる敵バイク隊の前に突っ込んで来る。すると大広以外のバイク隊は避けきれずにジャガーに衝突、弾き飛ばされる。ロクはハンドルを戻し再び大型艦に向かおうとする。


「雷獣!よ、よくも最後の部下までも・・・」必死の大広。大広は左手で拳銃を握った。


「後は・・・死神だけか?」するとロクはふと助手席にあるキーンのソードライフルに目がいく。

「わかったよ!お前も戦いたんだろ?キーン?」キーンのソードライフルを手にしたロクは再度バックミラーを確認する。


「行きますか!?キーン!?」

片手でハンドルを握るロクの目付きが変わる。

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