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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その15 陽VSツヨシ

陽は目を疑った。

「あの艦首は・・・レ、レヴィア・・・?う、嘘だろ!?」

陽の車内は驚きと同時に激しい銃撃に遭う。

「くっ・・・しまった!囲まれたか!?」

急ぎハンドルを切りその場から脱出を試みるが、既に周りを囲まれている陽のロータス。



ジプシャン軍旗艦の廊下。ツヨシと両角が歩いている。

「それでツヨシ様は何と?」ツヨシに尋ねる両角。

「ああ、姉貴の前でお兄様の仇は我が手で・・・とうそぶいたさ!」

「それで?」

「そしたら、なんだ!船一隻だ!チョロいチョロい!」

「流石です。そこで我々ですが・・・?」

両角がツヨシに進言の途中、一人の兵が二人に走り寄る。


「ツヨシ様!雷獣です!」

「何だと!?」驚くツヨシ。

「偵察と思われますが一台でこちらに!」

「一度船を止めよ!私が出る!」

「はっ!」

走り去る兵士。ツヨシは前に両拳をガツガツとぶつけた。

「奴め・・・ノコノコと・・・」



敵ジープ型SCニ十台近くに囲まれる陽のロータス・エスプリ。

「お前らじゃこいつには追い付けないぞ!」

アクセルをおもいっきり踏みギアをトップに入れる陽。その時一発の銃弾がロータスの窓を突き破る。


「うっ!・・・ぼ、防弾ガラスが・・・」

散乱する運転席側の窓ガラス。よく見ると血が飛び散っている。陽は運転しながら自分の体を確かめると、右脇腹が血に染まっている。

「う、撃たれた・・・」

慌てて左手で傷口を押さえると、アクセルを踏み続ける。

「おいおい・・・嫁に行けなくなったらどうすんだよ!?」

すると後方のバックミラーに輝く車体を見つける。以前P6郊外で遭遇した、車体が全て銀のSCを見つける。


「あの時の・・・こんな時に・・・」



車内のツヨシ。陽のロータスを捉えていた。

「こいつ・・・雷獣じゃないぞ!偽者がっ!なら逃がすか!」



陽のロータス。

「くっ・・・あ、足が踏ん張りが効かない・・・」

意識が飛び、視界が効かなくなる陽。車も徐々にスピードが落ちる。



「もらったぞ・・・」ツヨシの射程にロータスが入る。



「くっ・・・これまでか・・・」陽が目を閉じる瞬間だった。陽の進行方向に、荒野を赤いライトで走る黒の車体が目に飛び込んで来る。

『苦戦中だな?』スピーカーに流れる突然の声。


「エロチビ・・・」



「退きな!当たるぞ!」それはダブルの乗るジャガーストームだった。ストームは陽の正面に入ると、陽のロータスが急ぎハンドルを切る。次の瞬間、ストームの屋根のガトリングバルカンがツヨシの車体に向かって火を吹いた。



「ちぃー!黒の雷獣か!?ポリスめ!何台いやがるんだ!?」ツヨシは慌ててハンドルを切る。



ダブルのジャガーストーム。

「陽!聞こえるか!?」

ダブルは陽に無線を飛ばす。

『な、なんだ?こんなとこまで偵察かよ?』

「負傷したか?急いで脱出しろ!ここは俺が・・・」

『た、大した傷じゃあ・・・』

「なら俺が奴を引き付ける。街に戻れ!」

『わ、わかった・・・』



P6のある地下室。ロクが車型の箱に入っている。内装はほぼ車内と同じ。窓にはコンピューターグラフィックで作られた風景映像が流れている。画像はリアルで、ロクがアクセルを踏むと画像の流れも早くなり、ハンドルを切ると画面も大きく左右に代わった。しかしロクはその画像を見ることなく目を瞑ったまま、ギアのすぐ横のレバーを操作している。レバーはジャガーに付いているガトリングバルカンと同じものだ。ロクは表情を変えず目を閉じたままレバーを操作すると、コンピューターグラフィックで描かれた風景を走るSCが何台も破壊されていく。


SCのシュミレーションマシン・・・ロクはまさに実戦さながらの戦闘をこのマシンで体験をしていたのだ。


そこにルナがやって来る。ルナは中にロクがいるのを確認すると、運転席側の窓を叩いた。

「ここにいたんですね!ロクさんって血液型って?」

窓を開け顔を出すロク。

「ルナか?O型だが・・・どうした?」

「輸血用の血液が足りないのでご協力を・・・?」

「あのな?ちょっと前まで重症だった俺から取るんかい?まあいいけど・・・で?誰か負傷でもしたんかい?」

「あ、あの・・・陽さんが・・・」

「何っ!?」ロクの顔色が変わった。



廊下を医務室に急ぐロクとルナ。

「で?容態は?」とロク。

「命に別状はないのですが・・・なんせ出血が多く・・・」とルナ。

「ふう、なら安心した!意識は?」

「あります!」



医務室に入る二人。手術台に横たわる陽の周りには数名のスタッフと同じく献血に来た兵士が数名いた。そこに高田女医が入ってくる。高田はロクの顔を見るなり怒り始めた。

「どうして君がここに!?誰よここにロクを呼んだのは!?」

「わ、私です・・・」恐る恐る手を上げるルナ。

「ロクはこの間まで重症だったんだから献血は無理!ロクもロク!何で献血に来るの?半年は無理って言ってなかった?」

「はぁ・・・」落ち込むルナ。

「少しなら平気でしょ?」とロク。

「死にたいの・・・?」高田がロクに凄む。


「ド、ドクターストップじゃ仕方ないね、先生?」献血がなくなったのか嬉しい様子のロク。

「あんた注射嫌いでしょ?」と高田。

「ぎくっ・・・そんな事は・・・と、ところで陽の容態は?」

「問題ないよ!それでも一週間は寝てもらうけどね!」


「ロクさん・・・?」突然、手術台上の陽が目を覚ましロクに話し始めた。

「大丈夫だってよ!心配すんな!」陽に近づくロク。

「て、敵の大型シップはレヴィアと同艦よ・・・全長は四百メートルを超える超大型艦。高さもレヴィアを凌駕している。ジプシャンの連中、どこで拾ってこんなもん拾ってきたか・・・あれは元タンカー級ね?」

「同じ?レヴィアと?見たのか?」驚くロク。

「そ、それとこの軌道だと、このシップは今夜古川基地に向かうわ・・・」

「わかった。もういい、喋るな!」

「エロチビに礼を言っておいてね・・・あたいは少し休ませてもらうわ・・・」

「うんうん・・・」

そう言うと陽は手術台の上で眠るように静かになった。

「先生!?陽が!?」ロクは慌てて高田を見る。

「大丈夫よ!麻酔が効いただけ・・・さあ部外者は出て行って!」

「へいへい・・・」


部屋から渋々出ていくロクとルナ。

「すいません。ロクさんいつも通り元気だから、気がつかなくって・・・そうですよね?先日まで重症でしたね?忘れてました!・・・ロ、ロクさん・・・?」

ロクはルナの言葉を聞いてはなかった。そして一人親指を噛んでいた。


「レヴィアと同艦・・・?やはりこちらの情報が漏れている・・・あの技術はポリスが考えたもの・・・そしてレヴィアを開発したのは・・・高橋技師長か・・・?」ひとり呟くロク。

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