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四天王  作者: 原善
第七章 愛は砂漠に・・・
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その11 消された個人データ

ロクのただならぬ様子に呆れる陽。

「では私はこれで・・・偵察もあるので・・・」


立ち去ろうとする陽に、ロクは司令から渡された黒いファイルを差し出した。

「なんすか?」疑う陽にロクは直立して対した。


「命令!!」

ロクの大声に直立する陽。

「陽を第六ポリスの四天王を命ずる!」


「へっ・・・?」気の抜けた陽にロクが怒鳴る。


「へっ・・・とは何だ!?お前が目指していたポジションだろ?大体な日頃からな・・・」

ロクが陽を怒っている最中に、陽はロクの読み上げているファイルを奪い取った。

「何するんだ!?」奪い返そうとするロク。


「本当だ!この人、漢字読んでる・・・!?」と陽。

「そこかいっ!?」突っ込むロク。

「はぁー・・・」溜め息の陽。


「はぁってなんだよ?嫌なのか?」

溜め息をしたまま下を向く陽に、ロクは気を使った。


「こういうのは司令からするもんじゃないんですか?」と陽。

「落ち込むとこそこ・・・?」

「いいえ!夢にまで見た四天王です。でももっと感動するような告げられる方法ってないんですかね・・・たくさんの兵士たちの前とか・・・ああ(ブツクサ)」口を尖らす陽。


「ふっ・・・任せたぞ!新四天王!」

ロクはそう言うと、その場を立ち去ろうとした。


「あ?ちょっと待って下さい!」と陽

「まだ用か?」振り向くロク。


「敵のソーラーキャノンです・・・なぜでしょうか?あれは調べたらうちのトップシークレットですよ。開発はP5で行ったとしても、あの関根という女スパイごときが扱える情報ではないのです!もっと上にスパイがいます!でなければあれだけの情報が敵に漏れたりはしません!」


「はっきり言え!お前は誰を疑っている?」真剣な表情のロク。

「それは・・・」口籠る陽。

「お前の事だ。もう何か掴んでるんだろ?」

「は、はい・・・高橋技師長です・・・」

「な、なんだと!?」驚くロク。



ポリス地下三階大型車格納庫。アシカムを修理をする高橋の姿があった。そこに様子を見にバズーがやって来る。

「技師長!?どうだい動くかい?」

バズーの声に高橋も顔を出した。

「バズーか!?突っ立ってないでお前も手伝え!お前のマシーンだろが!?」

「へいへい・・・」渋々手伝うバズー。するとおかしな所に気付く。

「技師長!?ここのキャノン無くなってないかい?」


「ああ、火薬がそろそろ底を着きそうでな・・・」

「マジですか・・・?いえいえあの倉庫に眠る大量の火薬は一体・・・?」バズーは手を止め高橋を見つめる。


「ああ!あれは自爆用だ!」

「げっ!?」

淡々と語る高橋に対して、バズーは蒼くなった。


「ポリスはここの住人と心中するつもりだよ!」と作業を続ける高橋。

「ま、まさか・・・?」

「だからミサイルは最小限にな?バズー?」

「とは言え、火力を減らされては戦えませんよ・・・」

「そう思ってな!」高橋は奥からなにやら持ち出してくる。


「技師長・・・それは?」

「エアーバズーカ・・・新兵器だ!」


高橋が奥から持って来たのは形こそバズーカだがかなりシンプルな作りになっている。何かに気づくバズー。

「技師長!?これ弾は何処に・・・?」

不安げなバズーに対し、高橋は拳大のコンクリートの破片を取り出しバズーカの内部に仕込む。するとバズーカのスイッチを押し、筒先を整備室の壁に向けた。空気の流動音が大きくなり、高橋が狙いを付ける。


次の瞬間、軽い音と共にバズーカから発射されるコンクリート破片。整備室の壁は音を立てて半壊する。驚くバズー。


「こ、これは?」

「小型のエアーブースターをバズーカに仕込んだ。空気の力でコンクリート片を押し出したんだ。荒野では手頃な岩を使え。コンクリートの壁ではこんなもんだが、SCのボディぐらいは貫通する。敵のSCを爆破させずにリサイクルも出来る。一石二鳥ってわけだ!」

「い、岩を・・・しかしそうそう荒野にこのバズーカに入る手頃な石がありますかね?」

「うーん、そう言われればそうだな・・・まあそれは次の課題にするわ!」頭を掻く高橋。

「おいおい技師長・・・」呆れるバズー。



「陽・・・お前何を言ってるんだ?」

「アクセス記録です。機密資料を高橋技師長のパソコンからアクセスされてました!」

「まさか、技師長が・・・って言うか、技師長だろ?そりゃあアクセスもするじゃないか?」落胆するロク。

「前回のエアーブースターの資料・・・開発は高橋技師長です!それに・・・」

「まだあるのか!?」ロクは怒りを露にした。

「高橋技師長の過去のデータがないんです・・・」

「過去だと・・・?」驚きを隠せないロク。

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