表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王  作者: 原善
第六章 真・四天王降臨
123/209

その5 海戦

 ジプシャン軍古川基地。サンドシップ・スコーピオンを側から見つめるツヨシらが居た。ツヨシらは技術のスタッフから説明を聞いている。


「この空母部分の甲板をくり貫き、大型の砲座を取り付けます。奴等がソーラーキャノンと呼んでる物です!」

「何から何までポリスのパクリだな?」とツヨシ。

「はあ・・・詳細は不明ですが、奴等の技術系のトップにスパイを潜り込ませていると聞きます。」

「だろうな・・・あの姉貴がやりそうな事だ・・・」

「それで砲座は、上下の角度だけ調整が出来ますが、左右の角度は出来ません。ですので、空母側の艦首を発射方向に向けてもらいます!」

「わかった・・・いつ完成するのだ?」

「10日ほどで・・・」

「駄目だ!7日で完成させろ!」

「ははっ・・・!」


 スタッフがその場を離れ急ぎ持ち場へと走っていく。ツヨシと両角は、作業風景を見つめていた。

「ポリス内部にもスパイを潜入させる・・・総帥も手が込んでますな?」と笑い顔の両角。

「いや・・・親父の代からの手法だ。姉貴や兄貴の頭じゃそんな事思いつかないな。」

「しかし、大きい砲座だ・・・こいつを使うのにまたソーラーパネルをたくさん取り付けるとかで・・・」

「くくくっ・・・せっかくのテニスコートも潰さないといけないな・・・」苦笑いのツヨシ。



 海水を進行中のレヴィア6番艦。ブリッチには、船酔いで蒼い顔をしたロクがいた。

「間もなくP7到着です!」と白井艦長。

「やっとかよ・・・」とロク。


 すると通信兵がロクに呼びかける。

「ロクさん。加藤司令から無線です。」

「俺?・・・スピーカーへ・・・」

「了解!」


「こ、こちらロクです。」

『敵シップの攻撃!それと女川、石巻の敵基地への攻撃!!』

「あっ?」

『あっ!じゃないよ・・・なんで報告しないのかな。ロクくん・・・』怒りを堪えている声の弘士。

「あれ?その報告は、新隊長の陽の担当じゃないんですかね・・・?アハハ・・・お、おかしいな?」

『一応、まだ君の管轄だったぞ!・・・で?一人で基地二つ潰すなんていい度胸じゃないか?へ?ロクくんよーぉ!?』

「す、すいません・・・」

『相変わらずの、命令無視。それに単独行動・・・まだ牢屋に繋いでいた方が良かったな?敵から雷獣と言われるはずだ・・・』


 その無線を聞いていた、キーンや白井も苦笑いしている。

「いやー、まさか本気で撃ってくるとは思わなくて・・・まあそれで、ちょろっとしただけですよ。ちょろっとです・・・アハハ・・・ハハハ・・・はい・・・」

『どこがちょろっとだよ!!2基地の兵は全員射殺したそうだな?山口が吐いたぞ!』

「あ、あいつ・・・」ロクは小声でぼやいた。


『まあ、お前が銃を扱えるようになったのは幸いだが・・・キーン?聞こえてるなら先輩としてキッチリロクを躾ろよ!』

「自分の訓練とリハビリ、そして新しい環境に慣れるので精一杯ですよ・・・とても獣と恐れられる方を飼い慣らせませんよ!?」とキーン。

『フフフ・・・ロクを頼むぞ!』

「了解!」

 無線が切れ安堵の顔をしているロク。それを振り返って見守るキーン。


「ふーん・・・二つの基地をね・・・?」とキーン。

「たまたま当たっただけだよ・・・」口を尖らすロク。

「たまたまね・・・?」

 ロクはキーンを見て妖しく笑っていた。




 タケシ襲撃から半月が過ぎようとしていた・・・


宮城沖40キロの海上。レヴィア1番艦から5番艦が海上を北へと向かって航行していた。


「ソナー反応!水深300メートル、4次の方向です!」と国友。

 その声にレヴィア1番艦ブリッチが慌しくなる。


「敵に潜水艦?ジプシャンに潜水艦なんてあったか?鯨の群れじゃないのか?ちゃんと確認しろ!」とロク。

「長さ100メートルを超えます。鯨ではありません!」

「進路は!?」

「こちらに気づいた様子!数は二隻。真っ直ぐこちらに向かっています!」

「三島!各艦に戦闘配備だ!」

「はい!」と三島。


「潜水とは厄介ですね・・・こちらも潜りますか?」

 舵を取っていた桜井が心配そうにロクを振り返った。

「いや、進路このまま!」と冷静沈着なロク。

「し、しかし、300メートル海の下の潜水艦です。爆雷も効果は・・・このような時はこちらも潜り、魚雷でしか沈めません!」

「気づくのが遅かった・・・そう敵に思わせろ・・・」

「はぁっ!?」

「こちらは五隻・・・確実に一隻はやられる・・・三島!?」

「はい!?」

「4番艦に照明信号!」

「はあ?無線では駄目ですか?」

 三島は不思議そうな顔でロクを見つめ返す。

「そうだ!こう打て・・・」



「敵はまだ海上です。進路そのまま。」

「爆雷攻撃で沈めれると思ってるのか?舐められたな・・・ならこのまま直進。お望みの物を横腹に食らわせてやれ!」



「敵、速度を上げました!射程距離まであと8分!」と国友

「各艦エアーブースター最大!」とロク。

「速度は向こうが上です!逃げ切れません!反転して、潜りましょう!」桜井が慌てた。

「誰が逃げると言った!?奴等の中央を突く!」ロクの低い声が狭いブリッチに響いた。

「中央突破・・・!?こちらの数が多すぎます!しかも5隻とはいえ、爆雷だけで倒せる浅さではありません!少なく見積もっても2隻は殺られます!」と桜井。

「誰が爆雷で倒すって?桜井!?」不敵な笑みさえ浮かべるロク。

「はぁ!?」

「国友?敵の位置は?」

「変わりません!同じ方角です。距離はやや詰めたくらいです。」

「桜井!全艦、面舵いっぱいだ!」

「り、了解!各艦面舵いっぱい!」と桜井。



「敵反転します!我が艦隊の正面に出ます!」

「痺れを切らしたか・・・だが遅すぎたな?各艦魚雷用意!!」

「ま、待ってください・・・て、敵一隻が不明です!?」

「何っ!?潜水したんじゃないか?」

「スクリュー音感知出来ません!エアーの音だけです!」

「レーダーに反応なし!」

「バ、バカな・・・どこに行ったというのだ?・・・潜望で確認する!海面まで近づけろ!」



「敵進路方向に入ります!間もなく射程距離!」と国友。

「妙です!敵潜水艦、速度を落とし浮上して来てます!」

「よし!各艦砲撃用意!」その時、ロクが動いた。


 桜井はロクの作戦にようやく気づいた。

『ま、まさか、奴等を浮上させる為に・・・』

前回の話を投稿した際に、完結の話に切り替わってました。慎んでお詫びします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ