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希望のマカロン

作者: 椿零兎


朝の空気は、やさしい。

お砂糖をひとさじ、空にふりかけたように、どこかあまくて、ふわふわしてる。

心の角が、そっと丸くなる感じ。


私は鏡の前に立って、寝ぐせのついた髪を指でとかす。少し指に引っかかるのも、御愛嬌だ。

少しむくんだまぶたも、なんだかマカロンみたいで、ちょっと可愛いかもって思う。


「今日の私は、どんな感じかな?」


鏡の中の私に、そっと話しかける。

まるで甘いキャンディの包み紙をそっと開けるように、新しい一日を、大事に見つめる私の大切な時間。


ふわりと開け放った窓から吹くそよ風がカーテンをくすぐっている。

その音が、ケーキのスポンジをやさしく押したときみたいに、ふわっとしていて、心まで軽くなるみたい。


空にはミルクをとかしたような雲が浮かび、その下で、花たちが小さく手を振って揺れている。ピンクの、白の、クリームみたいな色をまとった花たち。

まるで誰かのお菓子の夢の光みたい。


私の感じる朝の息吹は、あたたかくて、ほんのり甘い。

どこかバニラみたいな匂いがして、私は思わず目を細める。

世界が、私を毎日そっと起こしてくれる。


「大丈夫だよ、今日もちゃんと始まるよ。大丈夫だよ、今日も素敵な日になるよ」


そんな声が、ふわりと空から聞こえた気がした。


私の中に必ずある不安や迷いが、わたあめみたいに少しずつ溶けていく。


苦しいことがあっても……それはきっと、人生という名のケーキの、ちょっとしたビターなチョコレート。

苦い部分があるから、あまい部分が引き立つんだ。


毎朝靴を履くときに、私は同じことを小さく呟くのが日課だ。


「今日は、甘くてふわふわした素敵な日になるといいな」


って。


深呼吸をひとつ。

心を膨らませてドアを開ける。


優しいそよ風が、リボンをほどくように、私の髪を揺らす。

眩しい朝の光が、まるでシュガーパウダーのように

私の肩にキラキラ降りそそぐ。それはまるで、希望のパウダーのようだ。


世界はお菓子の箱みたいに賑やかで、広くて、どこを開けても、小さな幸せが詰まっている気がする。

小さな幸せ……それに気づけるかどうかは、きっと「私」の気持ち次第。


さぁ、一緒に行こう。

ふわふわで、ちょっぴり甘い今日へ。

私とキミの笑顔に、そっと出会えるように。

明るくなれるような、ポップな詩を目指しました。

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