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くじらの唄  作者: 音夢
7/18

6.???

……

………

カシャン

コンッ

 

カシャン

コンッ


鉄と鉄が当たる音が艦内に淡々と響く。


幾ばくか歩いてから壁の前で止まると主を認識して左右にサッと開いた。

 

フォン



 

「航路状況ヲ報告セヨ。」



ノアーク号ルート報告―

現在、銀河系ヲ500光年突破―

目標、太陽系第3惑星地球マデ後200光年―

エンジンエネルギー充電値現在98%―

ワープ使用ニヨリ航路ヲ50光年短縮可能ー

ワープ使用ヲ希望シマスカ?ー


「ワープ使用許可承認。」


使用許可認証承諾ワープヲ開始シマスー

エンジンブーストアップー

Three

Two

One

ワープスタートー

第1ワープホール突入―

エネルギー残量15%マデワープヲ使用シマスー


くるりと踵を返すと黒いマントも遅れてふわりと舞い、また壁の前に立つ。


フォン

 

カシャン

コンッ

 

カシャン

コンッ


唄ヲ受ケ取リシ者ヨ。

我ラノ希望マデ。

後少シダ。


胸元に揺れる勾玉の様な機械をそっと撫でる。

ザリリッ

ザリリッ

メタルプレートと機械が擦れて不快な音を立てているが?()?()?()はその音をまるで美しいバイオリンの音色のように慈しんでいる。

 

ザリリッ

ザリリッ

と愛おしそうに撫でながら()()()は思考する。



後少シデ、報ワレルノデアル。

偉大ナル()()ノ、最高傑作ガコノ銀河ニ誕生スル。



ヒュゥゥン

丸い球体が一直線にこちらへ向かってきた。

ピピピッと機械音を立てた後に球体はしゃべりだす。

 

実験体004ノ解剖声帯解析ガ終ワリマシター

ヒト科ノデータ24%ニ到達ー

残リノヒト科ハ、実験体ガ4体デスー

声帯データヲインストール致シマスカ?―

 

 [YES • NO]


???()?()?()は勾玉を撫でる手を止めて、命令する。

「YES。本体データヲベース二移動。残リノ実験体005ト006ハ性器、実験体007ハ器官、実験体008ハ眼球ノデータヲ抽出。」


球体はピピピッとまた音を立ててから。



内容送信完了ー

起動ヲシテクダサイ―

残リデータ抽出後再度報告シマスー


ヒュゥゥンと音を立てて球体は来た道を戻っていく。


()()ノ夢ヲ。

私ガ。

()()()()ガ、必ズ叶エマス。



 

【インストール完了】



 

■■■■■■■■■■□□□ VOCAL LOADING

 

ホログラムパネルを目の前に起動し、勾玉をパネルに当てる。

ピッ


【認証確認】

【データ起動】


(メロディ)が流れる


キチッキッギュゥゥゥキューゥキュウ゛チーッキュッキュキィーゥ

 

│ ┃ ¦¦  ¦

│¦┃┃││┃¦│¦│ ┃¦ ┃¦¦¦

│¦┃┃│¦┃││¦┃¦││││¦¦ ¦¦¦¦

│¦┃┃¦¦¦¦┃¦││¦¦┃ │¦ ¦¦¦

│ ┃ ¦¦¦


【起動プロセス完了】


エァスタはそっと勾玉を胸に戻し歩き出す。

 

カシャン

コンッ

 

カシャン

コンッ



フォン

左右にサッと開く。


スリープポッドの液体に浸かる2体のヒト。

オリジナル001(ちち)及び002(はは)()()()()


 

■■■■■■■■■■■■□ VOCAL LOADING

 


こんなにも素晴らしく完璧な者はいナイ。




■■■■■■■■■■■■■ VOCAL LOADING



【ロード完了】

  


私が、エァスタが、最高の世界を作り上げてみせましょう。


2柱のスリープポッドをそっと抱きしめる。

それはまるで、ファミリーハグのような、しかしそこにぬくもりはなく。

あるのは無機質に冷たいガラスのポッドと冷えた機械の腕だった。 

読んでいただきありがとうございます!


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