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タイムズ・ガーディアン  作者: 久間 唯
4/15

クルトニウム金属

 

  ルルドの町から約10キロ、沼の辺りの道をロディは歩いていた。

 黒ずくめの男たちの後を追って、2〜3キロの道を歩いていた。

 やけに歩くな。

 

 そうですね、ルーティアは答えた。

  

 しかし、こんな場所に本当にクルトニウム金属が眠る鉱山があるのか?


 わかりません、しかし今はあの人達を追うしかないでしょうね。


 そうだな。


 ステルス状態のロディは男達の後を付けていた。

 



 しばらく歩くと洞穴のような空洞の空いた岩場が現れた。

 「あった、あった!ここだぜ!」 

 「入口か?」 

男達が話していた。

見るとそこには大きな岩山があり、人が2〜3人並んで入れる程の入り口が開いていた。

岩山の周りにはまるで岩山を隠すかのように大きく太く長い大木が無数に存在していた。

 こんな場所に入り口が・・・しかもあの形、明らかに自然に出来た物では無いな!

 そうですね、上の方は綺麗な放物線を描いています。

 ロディとルーティアは男達の様子を伺いながら、周りの様子を観察していた。


 「良し、お宝だ!マジックバックは沢山あるだろうな!」

 「はい、アジトからありったけ持ってきました。」

 「よし、じゃ〜行くぞ!」

そう言って男達は入口の中に入っていった。



 中は意外と広いな。

 

 そうですね。

ロディとルーティアは先に歩く男達の様子を伺いながら洞窟の中の地形など、周りを観察していた。


 「お〜噂通りあるじゃね〜か!取り放題だぜ。」

 「よ〜し、詰め込めるだけバックに入れようぜ!」 

 「おおよ。」

そう男達が話すと、背中にあったバックを開いて、何やら詰め込んでいた。


 あれは?

 

 ま〜綺麗〜。


ロディとルーティアは大きな広い空間に出ていた、そこは当たり一面にキラキラと光る宝石のようなもので埋めつくされていた。

 これが・・・クルトニウム金属か・・


 多分そうだと思います、ダイヤモンドや、ルビー等の宝石より、遥かに光輝いて居ます。初めて見ましたよ、これ程キラキラした金属は。


 ああ・・・俺もだ。


ロディとルーティアは、周りの余りの光景に暫し周囲を観察していた。


 おおっと!あいつらはどうなった?


 あ〜、そうでしたね、え〜と、4人バラバラにマジックバックに金属を入れていますね。

 

 マジックバック?奴ら、また用意がいいな。

マジックバックは、一見ただのバックの用に見えるが、中は空洞で、通常では、考えられない程の量が入る、魔法で作られている特殊なバックであった。


 「よ〜し、ガンガン入れろよ!お前ら。」

 「はい、しかし、これだけあると、流石に全部マジックバックには入りませんよ!」

マジックバックは、魔法のバックではあるが、入れる限界が決まっていた、バックの把手にメータがあり、そのメータが赤くなれば、それ以上は入らないサインなのである。

 

 男達が持ってきたバックは全部で12個、そのうち8個がすでに赤くなっていた。

 

 「ちぃ〜、仕方ね、とりあえずこのバックに入れるだけ入れて、また後から残りを攫いにくるか!一回クルランド様にも報告しなきゃなんね〜しな。」

 「わかりました。」

男達は、金属を入れるのに夢中でロディ達に気づいて居なかった。


 そろそろかな?

 

 そうですね。 そう言うとステルス状態を解除した。

 

 「そこまでだ!!」 

突然の大声に男達が振り向いた。

 「だ、誰だテメ〜は。」

4人バラバラになっていたのが、ロディの前に立ち始めた。

 「俺はロディ・ファン・アーカイド、ガーディアンだ!」

 そう言って手首のゲートカマイザーを男たちに見せる、ゲートカマイザーにガーディアンの紋章が刻んで居るので、身分証明にもなっていた。 

 「ちぃ、なんでこんな場所にガーディアンが!付いてないぜ!」

 「でも、逃げる事は出来るかもな。」

男達が不敵な笑みを浮かべ、ロディを睨みつける。

 「ガーディアンだろうと、やれ!」

そう言って男達は剣を抜き、ロディに向かってきた。

 「馬鹿が・・」

ロディは男の剣を自らのルーティアで遮る、そして、男の脇腹に拳のバンチを入れた。

 ズドン・・鈍い音がした。

 「あ、ガ・ガ・ガ・・・」奇妙な声で叫び、男は倒れた。

 「や、野郎〜。」

他の二人の男も長剣と、短剣を握りしめロディを挟む形で剣先を向けてきた。

 シュ〜、ザッ・・

 タタタッ・・


ロディは軽いフットワークで攻撃を躱した、そして、長剣をルーティアで弾き飛ばし、男の顔を殴りつけていた、短剣を自身の腰の短剣で防ぎ、もう一人の男には膝蹴りを顔面に当てていた。

「グッ・・」小さなうめき声が聞こえ、男二人は蹲り、その場から動かなかった。

 

 「あと一人か・・」ロディが呟く。


 「クソ〜、これでも喰らえ!」そう言うと男はファイヤーボールの魔法を放っていた。

赤い火の玉の魔法、食らったら死ぬレベルの大きさで、ロディに向かっていた。

 ボーッ、ガッ・・炎がロディに直撃する間近。


 ロディの体は火の玉の直線上から消えていた。

虚空に飛んで、自然に消滅したファイヤーボール、掛けた男も、訳が解らなかった。


 「な、な、な、あの距離で・・あのデカさで避けれる訳は・・・」 

男は狼狽えていた。


 「そんなファイヤーボールなんて当たるかよ!しかし、魔法が使えるのには少し驚いたけどな。」


 そうですね、しかも、ファイヤーボールだなんて、私が子供の時に覚えた魔法ですから。

ルーティアは何故か自信満々でロディに伝える。


 「ゲートで瞬間移動して場所を変えれば避けるのなんざ朝飯前だ!俺がガーディアンだと言うこと忘れたのか?」


 「クッソ〜」男はヤケになり、ロディに体当たりをしてきた。

ロディはそれを躱し、男の顔面を2〜3回殴りつけた。

 「グフッ・・く、くそ〜。」

男は地面に伏してしまった。




 「さてと、お前たちを拘束する!ゲート開放。」

ロディは4人の男達を集めた。 


 「聴きたいことがある、嘘は付けない、正直に話すんだ。」


ロディは男たちに質問していた。

 「ここの金属の話は誰から聞いた?」



暫く間があり、男が答えた。

 「一週間前ぐらい会った商人からだ。」 


 「その商人の名前は?」


また少しの間がある。


 「し、知らない、そう言えば、ニースの町に行く途中だとしか聞いていない。」


 「ニースか、またえらい遠いな。」



ニースの町は今、ロディがいるルルドの町の反対方向、約3580キロ程の場所にある。人の足では一週間位は掛かる道のりだ。


「あと一つ、クルランドとは、アビス・クルランドの事か?」


ロディはクルランドの事を確認したかった。


 「そ、そうだとも、クルランド様だ。」


 「そのクルランドは今も惑星ルビーにいるのか?」


 「い、今はあの屋敷には居ないはずだ、近々社交界が開かれるらしくて、この星に向かっているはずだ。」 


 「ルドラにか?社交界はどこでやる?」 


 「さあ〜、それは俺も知らない。」


 「そうか、わかった、情報ありがとう。」



そう言ってロディは、ゲートカマイザーを操作して、

星団監獄管理人を呼んだ。



 「先日に続きお手柄です、ロディ・ファン・アーカイド。アビス・クルランドの手下4名確かに確認しました。」


 「あ〜、それとこの金属、管理局で保管できないか?」

 「金属?ですか。」


 「クルトニウム金属らしい。」


 「わかりました、管理局で保管します。それでは。」

そう言ってゲートは閉じた。 

 


 あ〜くそ〜、せっかくクルランドの場所が判ると思ったのにな。


 そうそう上手くは行きませんよ、ロディ。でも、この星に来ているみたいないい方でしたよね?


 確かにな、場所はどこだか解らないが、社交界だか開かれるらしいからな。


 社交界ですか、私も王族の娘・・・何回かは参加した事がありましたね。


 そうなのか、確かにルーティアは、前は砂の惑星インティーの第2王女だったんだよな。


 はい、そうですよ。


 社交界か〜。


ロディと、ルーティアは、少し昔を懐かしみつつ、来た道を戻り、ルルドに帰って行った。

         つづく。

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