ロディの過去
ロディがモンタナ村の親戚のラルク夫妻の家に一晩宿泊する事になった、ロディはラルク夫妻の家で、これまでの2年間旅してきた概要を掻い摘んで話していた、その話をアンナや、その友達の人狼族の子供たちが興味深々と聞いていた。
「そうなんだ・・・やっぱりロディ兄ちゃんは凄いや!」アンナの友達の一人、ニックがロディの話に特に興味を持っていた。
「でな、俺がガーディアンになって初めて逮捕したのは・・・」ロディの話は続いていた。
「凄いな〜、俺も将来誰かの約に立つ仕事に就こう。」アンナの友達のラックがそう言った。
そして時刻は夕方6時過ぎ、友達は帰って行った。
「ロディ兄ちゃんまたね〜。」
「またね〜。」等の子供たちに挨拶されるロディ。
「おう、またな!」ロディはそれを返した。
そうして、ラルク夫妻の家は、いつもの家族3人と、ロディだけになった、夫人が夕食の準備をしていた。
「すいません、頂きます。」
夕食は牛肉と野菜の炒めもの、それとミルクたっぷりクリームリゾットであった、それとロディの為に葡萄酒が出された。
ロディは難有く夕食をご馳走になる。
「このリゾット久しぶりに頂きます、変わらず美味しいです、懐かしい味ですね。」ロディはリゾットを口に含みながり感想を言った。
「ありがとう、沢山あるから一杯食べてね。」カイ夫人が答える。
そして・・・夕食と少しの団欒を味わったロディは、与えられた客室で剣の手入れをしていた。
ロディ、明日はどうします? ルーティアはロディにタオルで拭かれながら聞いてきた。
明日は親父の墓参りにいく、2年振りだからな。ロディは答える。
そうですか。
ロディとルーティアはそれから暫く雑談した後、眠りに付いていた。
翌日、空は眩しいぐらいの快晴であった、ラルク夫妻に一晩のお礼を伝え、ロディは再びモンタナの村の中を回るのであった。
朝早くから酪農家や農家の方々が仕事に精を出していた、小さいが何店かのお店も開店の準備を始めていた、ロディは一軒、酒屋に立ち寄りお酒を一本買って、小高い丘の上に向かい歩いていた。
ロディはある場所で足を止めた、目の前に石で積み上げて木の太い棒を突き刺してある場所・・・お墓である、周囲には同じお墓が無数に存在していた。
「親父・・・久しぶりだな、約2年ぶりか・・・」ロディは目の前の墓石を見て呟いた。
ロディの父親エディ、ここに眠る・・・ロディは2年前に親戚の叔父の葬儀の時に、ここに父親のお墓を建てたのである。
「あれからもう9年・・・いや、10年になるか・・・」ロディは途中で買った葡萄酒をお墓にかけながら呟いた。
「俺はあいつを・・・決して許さない・・・」ロディはそう言って遠く空を眺めた。
10年前・・・モンタナ村は今と変わらずのんびり酪農と農業の村であった、黒い耳と尻尾を振って、ロディは庭先で同年代の友達と遊んでいた、ロディ、当時10歳、元気一杯の少年であった、人狼族の息子ロディは父親のエディの事が大好きで、良く畑の仕事も手伝っていた、今は客が来ていると言う事で遊んでいるのだった。
「お〜い、ロディ〜。」父、エディかロディを呼んだ。
「な〜に、父ちゃん。」ロディはパタパタ走りながらエディに近づいた。
「ちょっとこの野菜をラルク兄ちゃんの所に持ってってくれ。」エディがそう言うと籠にはキャラク(キャベツ)が沢山入っていた。
「先日ラルクにベーコ(牛)の肉を貰ったから、そのお返しだ!って言えば解るから、頼むぞ!」エディはロディの頭を撫でながら頼んだ。
「うん、分かった、行ってくる。」ロディは籠を背中に担いで歩いて行った。
ロディの父、エディとラルクは兄弟でありラルクは2つ年上であった。
10年前はラルクはモンタナ村の外れ、約10キロの場所に家と広い牛舎を構えていた、ロディの足では往復約3時間ぐらい掛かった、今は昼過ぎ、夕方暗くなる前には戻って来れる距離である。
・・・ロディがラルクの元に付いて、用事を済ませ、モンタナ村に帰るため野道を歩いていた。
人狼族は鼻が効く、ロディは異変に気付いた。
「なんだ?血の匂い?」ロディは鼻をクンクン鳴らした。
ロディは前方、モンタナ村の方角を見ると、土埃と火の手が上がっていた!
「な? ななな・・・」ロディは遠く町の景色を見た、そして一目散に町に向かって走っていた。
モンタナ村に着いたロディは目の前の光景に足が竦んだ、盗賊?犯罪者?らしき集団が手には銃や刀を持って、逃げる町の人を襲っていた。
「おら、さっさと出しやがれ!出さね〜と怪我するぜ!」
「へ、へ、へ・・・この村にあるのは分かってんだからな!」
盗賊風の男達は口々にそう言って、村人を追っかけたり、切りつけたりしていた、中には村の家々に火を放つ者まで・・・
ロディは目の前の惨状に足が竦みブルブル震えながら動けなかった。
「おい!この村にある、金、銀、財宝はこれで全部か?」盗賊風の男達の中で、特に格幅が良く、顎ヒゲを生やし、手にはタバコのような物を持ち、部下?達に向かって言った。
「はい、ドン・フラミンゴ様、一通り周ってかき集めて、これぐらいかと・・・」部下の一人が答えた。
「すくね〜な!おい、お前が村長だろ、隠すと為にならね〜ぞ!ありったけ出すんだ!!」ドン・フラミンゴと呼ばれた、男は大声で叫んだ。
「こ、この村にはこれで全部で御座います。」気弱な村長が震える声で答えた。
「村長・・・そんなヤツの言うことなんか聞くこと無いです。」村長の前にロディの父、エディが立っていた、エディは手に剣を持っていた、エディは若い頃は冒険者をした経験も合ったのだ。
「え、エディ・・・無茶はいかん。」村長が止めに入る。
「フン、亜人如きが・・・おい!殺れ!」ドン・フラミンゴの言葉と同時に、バン・バン・バンバン・・数発の銃弾が発砲された・・・
「キャ〜!」
「ウワ〜、イテ〜・・・」
「ギャ〜」
様々な悲鳴や、断末魔が聞こえ、辺りは血の海になっていた。
「酷い・・・何てことを・・・」エディは怒り、手が震えていた、そして・・・
「フラミンゴ〜、貴様はゆるさ〜ん!!」エディはフラミンゴに斬りかかろうとしていた。
「殺れ!」
その瞬間、銃声4、5発、そして刀で切られ、刺される惨状があった・・・全身から血を流し、虚ろな目で、視界に入った者の名を呼んだ。
「ろ・・ロディ・・・」
「と、とおちゃ〜〜〜〜〜〜ん!!」ロディは駆け出して、ゆっくりもたれ倒れて来る父に抱きついた
「ろ・ロディ・・・に、にげ・・・ろ・・」そう言ってエディは目を閉じ、動かなくなった
「ウワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!」ロディは父を抱きしめながら大声で泣いていた。
「ち、うるせ〜ガキだぜ!さっきのやつの子供か?」手下の一人が呟く。
「お前らが・・お前らが父ちゃんを・・・ゆ、許さない。」ロディは目に涙を一杯に溜めてドン・フラミンゴを睨み付けていた。
そして、エディの手にしていた刀を持ち、ドン・フラミンゴに立ち向かって行った。
「こ、この野郎〜。」
キン・・ロディの剣は手下の剣に弾かれ、ザクッ、シュ・・鈍い何かを切る音・・
ギャ〜!!クッ・・
ロディは脇腹と右足太ももを刺され、斬られていた・・バンバン・・バン・・オマケとばかりに発泡、腕と、胸、足、肩、に当たっていた・・・
余りの苦痛にロディは叫ぶ事も出来ず、ただ、地面に蹲るしかなった。
「く・・クソ〜・・・父ちゃん・・」ロディは今にも消えそうな声でそう呟いた。
「フン、虫の息だ、放っといても死ぬ!行くぞ、野郎共!」ドン・フラミンゴはそう言うと自身が乗ってきた車に乗って何処かに走って行った。
・・・
・・・
暫くしてから、モンタナ村を訪れた男がいた。入口広場で血だらけで倒れている人狼族の子供を見付けた。
子供を掲げると・・う、う、う、小さいがうめき声が有った、まだ生きている!他の辺りを男が見渡した、村長が首を横に振り、他には誰もいない事が分かった、家に隠れていたもの以外は全員死んだのであった。
男はロディを抱きかかえながら、門の入口まで歩く、門の入口手前で、何やら呟くと、目の前に青黒い空間が出来ていた、男はその中に入っていった。
数日後・・・眩しい光で目を覚ました少年、ロディであった、ロディは、ほぼ全身に包帯を巻いて、ベットで横になっていた。
「こ、ここは何処だ?」ロディは見たことない場所にいた、
すると、ドアが開き、一人の男がロディのベットの脇にある椅子に座った。
「おい、坊主、調子はどうだ、集中治療法で一週間もカプセルに入っていたから、どっか苦しくないか?」
脇に座った人、名前は解らない、年齢は、50近いだろうか・・ロディは観察した。
「だ、大丈夫です、ただ、頭の上と、お尻の辺がズキズキしますけど・・救けてくれてありがとうございます。」ロディは恩は忘れない、父にそう教えられたのだ。
「あ〜、頭の耳と尻尾の事だな!カプセルの中で細胞を媒介するのに合ったら都合が悪い!って言われて、切除したんだ、これで坊主も見た目は亜人じゃね〜ぜ!」男はロディの状態を説明した。
「ここは・・・どこですか?」ロディは周りを見ながら訊ねた。
「あ〜、ここは中央管理局の中央病院だ!瀕死のお前の状態じゃ〜普通の病院じゃ死んでたぜ!」男は答えた。
「しかし・・・あの村の大半が死んだのに、良く坊主は生きた!大した生命力だぜ!」男は関心した。
「そうですか・・町の人・・・父も?」ロディはあの惨劇を思い出した。
「あ、あ、皆んな・・お前の親父さんも・・・」男はロディの顔を見ながら話した。
「・・・・・・」ロディは言葉にならなかった、拳に力が入り、目には涙が溜まっていた。
「く、く、悔しい・・・あんな、あんな奴ら、何で!!なんで父ちゃんが殺されなきゃならない!!!何も悪いことしてない!村のみんなも・・・ね〜、どうして殺されなきゃならない!!答えてよ!オジちゃん!!!」ロディは涙を流しながら男に訊ねた。
「・・・・」無言。
「坊主、良く聞けよ、悔しいか?今の世の中、あ〜ゆ悪い奴らが沢山いるんだ!自分たちの利益の為、他人の命なんてなんとも思ってね〜悪党がな!!」男は静かに語り始める。
「だから・・俺みたいな、俺らみたいな組織もある、強くなれ!坊主!」俺はロディの頭を撫でた。
数週間経過し、ロディの怪我も完治に近づいていた、頭と身体の一部の包帯が外された。
ロディは自分の姿を鏡でマジマジとみつめた。
頭に手をやり、本来あるべき耳が無くなり、人間の様に目の横に新しく耳が有った、尻尾も完全に無くなっていた。
「こ、これが僕・・・」
ロディが自分の姿を確認していると、入り口の扉が開く、ロディを助けた人だった。
「おう、ロディ・・・すっかり元気になったみたいだな。」
「はい、グリットさんのお掛けです。」
ロディは元気に返事を返した。
グリット・・・年齢は56歳、職業ガーディアンであった、筋肉質の肉体に髪は青白い、瞳の色も青で、服装は肩から腰にかけて青と赤の刺繍入り鎧、腰には長剣をぶらさげていた、今までに数多くの犯罪者を逮捕した経過のある、正に優秀なガーディアンである。
「あと数週間で退院だな!偉いぞ、よくぞここまで元気に回復したもんだ。」グリットはロディの身体をみて感想を述べた。
「僕、初めて病院に入院したけど、最初は痛かったけど、段々痛みが消えて言って・・・病院って凄いよね!」ロディは自身の身体を見ながら話した。
「あ〜凄いな・・・ロディ、おまえの生命力は・・・死んだら、全てが終わるからな。」グリットは考えながら話していた。
「父ちゃん・・・僕・・・生きてるよ。」ロディは天国にいるであろう父に向かい話した。
そして数週間が経過・・・ロディは完全に完治し、間もなく退院する事になった、そんなロディのもとにグリットが訪ねてきた。
「ロディ・・・退院おめでとう、この先、行く宛はあるのか?」グリットが真剣な眼差しで聞いてきた。
「今は・・・特には、モンタナ村に帰っても、すっかり様変わりしていると思うし、何より父ちゃんや、あの時の事を思い出しそうで怖いです。」ロディは下を向き答えた。
「そうか・・・ロディ、お前に大事な話がある!真面目な話だ!」グリットが真剣な顔でロディに向き合っていた。
「お前・・・ガーディアンになる気はないか?確かに死んだ人は戻らない、でもこれ以上同じ苦しみ、悲しみを無くす、減らす事は出来る!それが出来るのがガーディアンだ!どうだ、ロディ。」真剣に見つめるグリット。
ガーディアン・・・それは犯罪組織、犯罪者等を逮捕し、困っている人々を助ける仕事・・それぐらいロディは知っていた。
「でも・・・僕何かが、出来ないよ・・・」ロディは弱気だ。
「ロディ・・・お前の父は昔冒険者だった、困っている人々を助ける仕事なんだ、誰だって、向き、不向きはある!最初から上手く出来るヤツはいない、挫折し、何回も辞めようと思ったはずだ!でも30歳の満期まで冒険者であり続けた、なんでだと思う?」グリットはロディに聞かせた。
「父ちゃんが強かったから?」ロディは答えた。
「違う!!おまえの父はお世辞にも強いとは言えない、昔少し会った事があるが、強いとは言えなかった、でも、でもな・・・おまえの父親は・・・」
一旦言葉を切ったグリット。
「俺は・・・確かに弱いです、でも、そんな俺でも出来る事はあるし、それで困っている町の人が少しでも笑顔で居られれば俺はそれで満足なんです、いつか・・家で待っている息子にも伝われば、それでいいんです・・・」と・・グリットが静かに話す。
その話を聞いたロディは目に大粒の涙を溜めて、ボロボロと泣き出した・・・
「と・・・とおちゃ〜〜〜〜〜ん。」ロディは泣いていた。
暫くし、ロディは落ち着き、涙を拭いた。
「グリット・・・僕、僕、決めたよ!なれるか分かんないけど、ガーディアンになりたい!!父ちゃんの様にみんなを笑顔にしたい!どうしたらなれる?」
「ロディ・・・よし、分かった!俺がお前をガーディアンにして、育ててやる!」グリットはロディを抱きしめながらそう言った。
・・・・
ロディは退院して数ヶ月が過ぎていた、ロディは、グリットが青のガーディアン、グリット・ファン・アーカイドであること、ガーディアンは規則で60歳で任期満了(定年)があることなどを知った、その間、ロディはグリットから、剣術、体術、世界の情勢、犯罪者、犯罪組織の種類、名前、ガーディアン・・そしてこのグランマートル大星団全て、グリットの知っている事は全てロディに教え、叩きこんでいた。
「や〜、と〜、ロディは剣を構え突っ込む。」それを軽く躱すグリット、躱しざま、ロディの頭に剣をコツンと当てる。
「いた!痛いよ!!師匠〜。」ロディは11歳になっていた。
「闇雲に突っ込む馬鹿がいるか!何回も教えたはずた!敵を見て、様子を見て、適切な対処をせよ!とな。」師匠とはグリットの事である。
「師匠の剣、切れ味凄いし、叩かれただけでも痛いんだけど・・・」涙目でロディは答えた。
「躱さないお前が悪い!それにこの剣は特別なんだ!魔剣イグニス、青のガーディアンだけが持つことを許される、変幻自在の魔剣だ!」グリットが答えた。
「いいか、ロディ・・・犯罪者に対し、油断や甘えは厳禁だ!あいつらは手段なんて選ばない奴らがほとんどだ!どんな事態にも対応出来る能力を身に付けろ!」
「わ、わかった・・・」ロディは素直に返事をした。
・・・グリットとロディの修行は日々続いていた。
そして・・3年の月日が流れた。
ロディは15歳になっていた。
グリットは59歳、近々引退である。
「よ〜し、こいロディ!」グリットは叫ぶ。
ロディは剣を横に持ち、素早く切り込む、グリットの対応を見ながら、横や上に跳ねたり、飛んだり、剣を躱しつつ、グリットの懐に入り、首先に剣を突き立てていた。
「わ〜、まてまて!そこまでだ!」グリットはあまりのロディの素早い剣捌きに対応するのが一杯一杯、剣を弾かれ、その場で尻もちを付いた。
「へ、へッ、やっと師匠から一本取ったぞ!」ロディはグリットの手を握りながりニコニコしていた。
「やれやれ、ついにこのわしが敗れたか・・強くなったな、ロディ。」
「全て師匠のおかけです、ありがとうございます。」ロディは頭を下げた。
「わしはお前に教える事は全て教えた、今から伝授の義をやる。」グリットはロディと対面し、ゲートを開いた、二人はゲートに入っていった。
着いた場所は中央管理局の横にあるガーディアン本部、鋼鉄製の丈夫な三階建の建物、入り口にはガーディアンの紋章である、虎と龍の細工が入ったエンブレムが掲げられていた。
「伝授の義は地下でやることになっている。」グリットとロディは中に入り、地下に降りた。
広い広間に、3人の審判団、中央にガーディアンの隊長である、リムラット・ト・ガッシューナが立っていた。
リムラット・ト・ガッシューナ・・・46歳、ガッシリした体格に何処か威厳のある男であった。
「グリット・・・本当に良いのですね?」リムラットが尋ねてきた。
「大丈夫だ!俺が見込んだ男だ!後は・・・ロディに託す。」グリットが答えた。
「わかりました、こちらへ。」リムラットはロディを案内し、広場の中央にあるカプセルの中に入るように指示をした。
「中に入るのか?」ロディはグリットに聞いた。
「そうだ!今からお前に俺の力全て分け与える、中に入り、目を閉じていろ。」グリットは反対側にあるカプセルの中に入っていった。
二人がカプセルの中に入ると、審判団の三人が機械を操作した、すると2つのカプセルが光り輝いた、カプセルの中にいるロディ・・・そのロディの身体が体格が良くなり筋肉質、なりより変化は髪が黒髪から青白く変化し、瞳の色も青に変化した、一方グリットは青い髪から金色に、瞳の色も金に変化したのだった。
まばゆいカプセルの光りが消えて、辺りは元の明るさになった、カプセルの入り口が開き、二人が出てきた。
「これで完了だ!今の気分はどうだ!ロディ。」リムラットが聞いてきた。
「・・・凄いです、力が溢れて来る感じがします。」ロディは素直に感想を述べた。
「ロディ、君の名前は今日から、アーカイドだ!ロディ・ファン・アーカイド、今日から君の名前、青のガーディアンの称号だ!」リムラットが命名した。
「ロディ・ファン・アーカイド・・・新しい俺の名前・・・」ロディは呟いた。
「あと、同時に魔剣イグニスの能力を付与した、今日からこの魔剣はロディ!君の相棒だ!」グリットはロディに魔剣イグニスを渡した。
「魔剣・・・イグニス、今日から宜しく頼むな!」ロディは魔剣を触りながら呟いた。
おぅ・・あんたが次の所持者か!ロディか・・・宜しく頼むぜ!突如頭の中に声が響いた。
「い、今のは・・・」ロディは周りをキョロキョロ見渡した。
「念話だ!剣と会話が出来る、魔剣イグニスの能力だ。」グリットが説明した。
凄いや・・・宜しくね、イグニス。
おう、任せとけ。
「後は・・・これとこれ、使い方は教えたから解るな!」グリットはロディにゲートカマイザーと短剣を渡した。
「はい。」ロディはゲートカマイザーを腕に装置した。
「後は上に戻り、事務手続きをしたら全て完了だ!」リムラットが階段を上がる。
「グリット・・・今日までお疲れ様、これからどうするんだ。」リムラットが聞いてきた。
「そ〜だな、年齢も年齢だから、嫁と二人でのんびり田舎で暮らすさ。」グリットが笑いながら答えた。
「そうか・・・元気でな。」
全ての手続きが完了し、ロディは正式に青のガーディアンになった。
「ロディ・ファン・アーカイド、君の初任務だ!」リムラットがロディに伝えた。
ロディは任務を受け、砂の惑星に向けゲートを開いた・・・
「ゲートオープン!」
・・・あれからもうすぐ10年か・・・
親父、天国で見ていてくれよ!立派なガーディアンになるからな・・ロディは残った葡萄酒を口に含み、父に報告した。
じゃ〜また来るから・・ロディは墓に一礼し、小高い丘を来たときと逆に降りて行った。
つづく。