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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

暗闇の先に

作者: 紀希
掲載日:2023/08/08



「さあ、灯りを持って?」


誰だか分からない人は私に灯りを握らせた。


手に持った灯りは、照らした範囲だけが見えた。


それ以外はただの暗闇だった。


「どうすれば。良い、の?」


私はその人に尋ねた。


「どうするかは、あなたが。


自分で考えて、決める事なの。


さぁ、歩んで?」


「ぅん、、」


目の前の暗闇には、他の人の灯りが見えた。


それらは、動いていたり止まったりしていた。



何処に行けば良いんだろう。


何処へ歩めば良いんだろう。



自分が進んだ先に照らし出されたものは沢山あった。


そして、その場所に立ち止まった。



いろいろな景色。


いろいろな音。



水が流れ。風が吹き。


居ても何も変わらない場所もあった。



しかしそれらを目にする度に。



本当にここで良いのか。


本当にここであっているのか。



"ここに居続けて良いのか"



そんな、不安に駆られた。



暗闇に見える僅かな灯りは、長い間。


同じ場所に留まっている事も少なくは無かった。



近くに居た人が自分と同じものを見ているのか。


自分と同じ音を聞いているのかは分からなかった。



「あの、、すいません。」


ある場所で立ち止まっていると、


ある人に話し掛けられた。


ある人「灯りを貸して下さいな。」


「えっ、?」


私は不思議に思った。


どうして自分の灯りがあるのに。


この人は私の灯りを欲しがるのだろうか、。



ある人は考える私に、こう言った。


「私の灯りは見えずらくて。


これでは。先に進む事が出来ないんです、、」


灯りに照らされた顔は、酷く悲しんでいた。


私は何だか可哀想になった。



「、、どうぞ。」


私は自分の持っている灯りを渡した。


ある人「どうも。ありがとう、、」


その瞬間。



私の目の前は真っ暗になった。



さっきまで見えていたものは見えなくなり。


何も聞こえなかった。



私は踞った。


「何も、見えない。


何も、、聞こえない。」



その場所から離れようにも。


私は何処にも行く事が出来なかった。



近くに灯りが見えたが。


灯りの無い私は、見えない様で。


しばらく近くに居ても、何処かへ行ってしまった。



私は何処かへ行きたい気持ちで溢れた。



今まで当たり前の様に普通に出来た事が、


羨ましく思った。


「どうして。


灯りを渡してしまったんだろう、、」


私は後悔し。涙が出てきた。



「誰か、、。


誰か。助けて、、」



涙で身体が濡れ、泣いていると灯りが見えた。



「どうして泣いているの?」


私はその人に応えた。


「灯りを、、渡してしまって。」


その人「そうか、、じゃあ。


一緒に、また灯りを貰いに行こう。」


私は差し伸べられた手を握った。


「ぅん。」



歩きながら私はその人と話をした。


その人「どうして、灯りをあげたんだい?」


「ある人が。困っていたから、、」


その人「そうだったのか。


君は、優しいんだね?」


私はその人のが優しいと思った。



その人「さぁ、着いたよ?」


その人はその灯りで。


最初に居た場所まで、連れて行ってくれた。



目の前には、最初に灯りをくれた人が居て。


また新しい灯りをくれた。


「さぁ、これで。


また。歩み出しなさい?」


私は灯りを受け取ると。


ここまで連れて来てくれた優しい人に、


お礼を言った。


「ありがとう。」


その人は微笑むと。


「どういたしまして。


じゃあ、ね?」


そう言って、暗闇の中に行ってしまった。



私は再び歩き始めた。



いろいろな場所に行けて。


私は嬉しかった。



私はあの人のおかげで、


灯りが無いと何処にも行けない事を知った。


私も灯りを無くしてしまった人が居たら。


助けてあげたい、と思った。



新しい灯りを貰う時に。


どうして灯りをあげてしまったのか聞かれた。


私は連れて行ってくれた人に話した様に、


同じ様に話をした。


すると灯りをくれた人はこう話した。



「自分の灯りを持っていても。


相手の事を考えずに、


灯りを奪おうとする人も居る。



だけどこの人の様に。


灯りを新たに与えようとする人も居る。



あなたも。


そんな人になって下さいね?」


私は頷いた。



灯りをくれた人「奪う人も居れば与える人も居る。


邪魔する人も居れば、協力してくれる人も居る。


だから何か困った事があったら。


必ず、



助けを求めて?



憎んだりするんじゃなくてね?」



私はその言葉を聞いて。


その通りにしようと思った。



生まれるかもしれない憎しみが生まれる前に。


何かを与えられる様に。



そんな人になりたいとすら、思った。


























好意に人を傷付けたりする人も居れば。


好意で人を癒そうとする人も居る。



誰かがあなたを傷付けるのであれば。


その場所から離れれば良い。



きっとその人は、あなたから奪いたいだけの人なのだ。


その人と居ると、ただ。あなたが傷付いてしまうだけ。



その人も同じ様に。



"誰かに奪われてしまったのかも知れない"



けれど。失ってしまったら同じ様にして奪うのではなく。


誰かから分けて貰えば良い。



『助けて?』



そう言えば、誰かが必ず助けてくれる。



例え分けて貰ったものが自分の持っていたものだとしても。


きちんと、『ありがとう』とお礼を言う事。



仮にあなたがその人に貰ったものが。


自分が既に持っているものだとしても。


それはきっと誰かにとっては必要なもので、


あなたからその必要な人にあげるものなのかも、


知れないのだから。



その時が来たら。あたなが、貰ったものを。


笑顔で。あげればいい。



そうやって、いろんな人と関わって。


大切なものを築いてゆく。











































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