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多様性

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

「あぁ、危うく忘れそうになっていた。君は他人だったね。改めてその認識を持たなくてはならない」

彼女は歌うように、さも平然と言ってのけた。


彼女とは仲が良くて、気が合う仲間だった。夜の海のような静かさで、淡々と論理を述べて行く様は、何処か機械的で、でも妙に落ち着いた。ヒステリックに怒鳴られるよりも、ストンと心に落ちてきた。

でも…………。でも…………。今回のはあまりにも……。

「おや。どうして泣いているんだい? そして睨んで来るんだい? 可愛い君」

そう言って、悪びれる様子もなく頬に触れてきた。僕の感情が何一つ理解出来ないという様に首を傾げて、親指で涙を拭う。

前々から機械的にものを考え、一切の感情を挟まぬ御仁ではあるが、今回ばかりは傷付いた。長く過ごして来た相手に対して、さも平然と「他人」と言われた事に深く傷付いたのだ。

「他人って……」

「済まないね。君を傷付けたかった訳では無いんだ。だが私の意見と余りにも食い違っていたから、認識を改めなくてはいけなかったんだ」

そう言うとさして慌てた様子もなく、涙を拭い続けた。表情は変わらずに穏やかで、苛立ちも焦りも浮かばない。ただこの空間に浮いたそれだけが歪だった。

「自己同一性が曖昧になると、解釈違いで相手を傷つけてしまうからね。んー……自分の意見を押し付けてしまうから。だから自分以外は他人と思う事にしてるのさ。そうでもしないと、君の顔を殴ってしまうから」

「想像出来ない」

「今やっても良いんだぜ? その場合、傷付けられても文句は言わせないよ。貴方は私なのだからら、意見が異なる事なんて有り得ない。間違いは正さなくてはいけないと叫んでしまうけど」

彼女は漸く表情らしい表情を浮かべた。へらっと笑って頭を撫でた。それから何かを思い付いた顔をして、ポケットからハンケチを飛び出して、涙を拭いにかかる。

「友達、家族、恋人。そんな枠がある中で、気が合う者同士は意見が同じ意見になる事が多い。君とはかなり意見が合う部類だったから、改め直したのさ」

そう言うとさり気なく僕の手を掴んで歩き出した。向かう先は何処だか分からない。


「君は一等泣き顔が可愛いのだね。年に何度か泣かせたくなったよ」

「やめて下さい」

「可愛いものを見たいと思うのは、全人類が持つ本能だと思うのだけど」

あぁ、彼女も僕じゃない。違う理で生きる人間だ。

相手

機械的かつ平坦な子。その実、激情家。

解釈違いがあると相手を傷つけてしまう事を危惧している。

その為、「相手は違う人間なのだから、意見は違って当たり前」という認識を持つようにしている。

泣き顔が大好きなドS。


この女の子が人外でも良かったと思います。

イマイチ人の感情が理解出来ない。

でも理解する為に周りからデータとって、規則性を導き出し、そう言う反応してるみたいな。


また書くことがあったら此方から。

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