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ざまぁヒロインの幼馴染は時を越え思いを叶えたい!⑧

短いです

「俺も狂ってしまえたら気が楽なのに」


何度も呟いたその言葉は空へと消えた

現在20歳のコリンは今日もつまらなさそうに人生を過ごしている


タイムリープはまたもや同じ5歳からスタートした

同じ時を3度目経験したのだ


今回は早めに行動しミハエルと直ぐに合流した


しかし、今世ではカルラに1度も会えていない

ハイネリーク家の商会は存在しているが子供に変化があった

《娘》ではなく《息子》が存在していたのだ

いや……母親と一緒に悪漢に襲われて命を落とした後だったので()()()()()()が正しい


記憶保持者も変化があった


メンバーはコリン・ミハエル・フラーそしてデニスだった


何故デニス?となったが、後にフラーからミハエルと同じペンダントを貰っていた事が分かった

そしてフラーはカルラの魔法陣の跳ね返りで両目に魔法陣が刻まれた……事になっているが

実際は右目がカルラ、左目がフラーの魔法陣だった

こうなる前にデニスと相談して勝手に魔法陣を媒体に書き込んでいたのだ

しかし、カルラが居ない世界で余った魔法陣が暴走し

恐らく何らかの歪みの余波として彼の右目に書き込まれたのだろう

フラーは全く気にした様子は無かったので良しとする


「陛下。そろそろ式の時間ですよ」

「友人の大切な式なんですから遅刻は厳禁です」


現在、帝国の太陽となったコリンの傍らにはフラーが宰相として、デニスが騎士団長として仕えている

そして、今日はミレーニア王国の若き新王の結婚式だった


「どんな気分なんだお前?」

「私ですか?誇らしい気持ちです。それに、私も来月には式を控えてますしね」


フラーは幸せそうに笑っていた

彼の妻は年上の女性で毒舌のフラー相手に上手く転がしていると感じる

アリアとは全く違うタイプだが、イキイキしているし良い関係だと思う

内心、色々と複雑ではあったが本人たちの人生だ

折角フラーにあげた爵位の事を思うとモヤモヤするが仕方がない


「こちらですよ!早くしてください!!!」


遠くでミレーニア王国の宰相のマルクがプリプリと怒っていた


「あいつ相変わらずだなぁ……」


嬉しそうに言うデニスはもう1児の父だ

夫人は現在第2子を妊娠中で来春にはもう1人増えているだろう


爽やかな夏空の下

若きミレーニア王国の新王のミハエルとその伴侶アリアローズ・キンドレッド伯爵令嬢の結婚式は盛大に行われた

色々あったが、結局コレが一番良い形になったんじゃないかとコリンは思っている


民から慕われる2人の若き夫婦は幸せそうに微笑んでいた

その隣で涙を盛大に流しているマルクは残念ながら独身だ

人の幸せを素直に喜べる良い奴だが、良縁には恵まれず何度も騙されては金を毟り取られている

フラーは『馬鹿につける薬は無い』と言い

デニスは『ハイネリーク商会のあの人と友達になれば良い』と笑顔で言っていた


タイムリープしてからコリンとミハエルはさっさと皇太子になり

その地位を絶対的なモノにした


その手腕は見事なもので他者の追随を許さなかった

早々に王位を継いだのはコリンだった

彼は16歳にして帝国の太陽となったのだ


そして、以前とは違いハーレムを作り現在正妃1人、愛人11人の大所帯となった

しかし、その大半は何らかの理由があり離縁されたり、行き場の無い女性や男性だった

彼等はコリンに恩を感じ一生懸命尽くしている

そして、正妃である隣国の姫君はそんな夫を誇りに思い、愛人達と仲良く暮らしている

器の大きなその女性を紹介したのはミハエルだった

現在正妃との間に2人の子がおり、間もなく第3子も誕生する

余談だが、愛人との間にも子が数名いたりもする


早い時期に予測される害を全て取り払ったコリンは考える

これ程までに苦難を乗り越え今は恐らく過去最大の幸せと言える時間なのだと

しかし、心は空っぽのままだったのだ


沢山の粛清をしていった日々の中で印象的な出来事があった

それはミレーニア王国の第2皇子のマキシムだった


彼は今世でも一途にアリアを愛していた


コリン、ミハエル、フラー、デニスの4人で暗躍していた中で

マキシムが謀反を起こそうとしていた

その現場に乗り込んだ時に起こった事だった


彼は無謀な事に剣でコリンに切りかかってきたのだ

しかし、コリンは神に愛された存在

彼に勝てるなどあり得ない事だ

息の根をとめる前にコリンは聞いた

それは小さな好奇心だった


「マキシムは何故にアリアローズ・キンドレッド伯爵令嬢の事をそれ程までに愛しているのだ?」

「……彼女の前でだけ人間でいられたのです」


そう言ってマキシムは息を引き取った


コリンは今でも考える

自分が一番人間らしかった時間は何時かと

そして何時も答えは同じだった

カルラと2人で値切り交渉をしながら買い物した子供の頃のあの時間だけが特別に輝いていた


実は、今世でカルラと会えなかったのでさっさと自殺でもするかと取り敢えず腹を刺してみたがコリンは死ぬ事が出来なかった

刺さる直前、刃が折れたのだ

その後も、毒を飲んでも中身がポーションだったり

高い所から飛び降りても運良く下がフカフカの藁だったり

敵の魔法を避けなかったのに知らないウチに魔法返しのアイテムを持っていたりと

兎に角自殺は出来ないと判断した

ミハエルは女神の祝福のせいだろうと言っていたが、どうやら結局、タイムリープするにはある一定まで寿命を待つ必要がある様だ

コリンが思うにそれはタイムリープの対価で、キーワードはおそらく《孤独》なのだと考えている


「この生は後何年続くのであろうな……」


次は必ず逢いたいと思いを募らせるコリンだったのである


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