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嫁は二次元だけじゃない。  作者: 灯雷
第一章:春と共に始まる物語
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6話:秋葉原のアナザーストーリー

私は松戸凛。


今日は運命の日、勇人君とアキバに行く日だ。


昨日の夜は、夜行性のため3時に寝て、起きたのは6時である。


9時に家を出る予定で、アキバまでは電車で2時間かかるのである。


起きてから、家を出発する3時間を使って、化粧や髪の毛、服選びを済ませる。


いつもは3時間も準備しないが、今日は勝負の日なので長く時間を取る。


いきなりだが、私は人間不信だ。だから今まで男子と二人きりで遊んだことがない。まず慣れてない人と話すと疲れてしまうのである。


だが、何故だか勇人君となら一緒に行けると思ってしまった。


今まで話してきたDMからそう思ったのもあるが、グッズを渡した時、初めて勇人君を見た時にキュンときてしまったのである。一目惚れなのかもしれない。


しかし、人間不信なのでまだ完全に信用し切っているというわけではない。


なのでアキバでしっかり観察をする予定である。


私はとても緊張していた。


心臓が高鳴っている。ただの緊張とは違う感じがする。いつもよりも胸が熱い気がするのである。


勇人君に会える…


「私ってば、何考えてるのばか!」


自分で勝手に恥ずかしくなる。


準備が終わり、家を出る。


電車に乗って、アキバに着いたのであった。


『電気街口改札で待ってるね』


勇人君からLINEが来る。


『アキバに着いたよ!』


私はメッセージを送信した。


勇人君は柱に寄っかかって、待っていた。


待っている姿がカッコよく、そして服装も爽やか系でカッコ良かった。


私はなんだか恥ずかしくなって下を向く。


「おはよ、」


勇人君は私に挨拶をするが、恥ずかしくて返事ができない。


「おはよ、、元気、?緊張してるの、、?」


私はちょうどワイヤレスイヤホンを付けていたのでそれを理由にすることにした。


「あ、ごめん今ワイヤレスイヤホンしてた。おはよ」


勇人君は「おい」とツッコミたそうな顔をしていた。


「そっか、今日はよろしくね、、!」


「こちらこそよろしく、、」


恥ずかしいのがなかなか治らない。


私は結構顔に出やすく、恥ずかしくなるとすぐ耳や頬が赤くなるのである。


「やっぱ緊張してるんでしょ、俺も一緒、、!」


私はドキッとする。


バレた、、、


正直に言うことにした。


「結構緊張してる、男子とこうして二人っきりで遊んだりするの初めてだから、、」


と言うと、何故だか勇人君は嬉しそうな顔をする。


「そっか、まあ俺なんかに緊張しなくて大丈夫だよ!」


勇人君は何も分かっていないらしい。


「君だから緊張してるんだけどな…」


私は思わず口から漏れてしまう。


最初は私がリクエストした神田明神に行くらしい。


久しぶりに行くので気分が上がる。


「最初に神田明神行こうかなって思ってるんだけど大丈夫かな?」


「うん!大丈夫だよ、勇人君に任せる!」


「あ、君付けじゃなくていいよ、勇人で!」


呼び捨て!?ハードル高くない!?


私は勇気を振り絞って言う。


「勇人、、」


声が弱々しくなる。


「うん、勇人だよ。じゃあ凛って呼ぶね」


心臓がドキッとする。


とても恥ずかしくなる。


神田明神に着くまでこんな感じが続く。


神田明神に着くと私は明神男坂などを見て大喜びし、参拝してまた駅の方に帰る。


さっきまで緊張していておどおどしていたが、駅に帰る頃には普通の私に戻りつつあった。


そして色々なアニメショップなどに行き、交友を深めた。


やっぱりこの人は大丈夫だった、と私は確信がついた。


私は、友達と遊ぶのがあまり好きではなかった。


相手に気を遣うので、本当の自分を出すことができなかったからだ。


しかし、勇人君とは初めて遊ぶのにも関わらず、とても安心感を感じるし、今まで遊んだ中で一番と言っていいほど楽しい。


この人と付き合えたら、私は幸せなのかもしれないと思った。


これって、もしかして、、


照れ隠しで携帯をみる。


カラオケ店のサイトを確認すると、ワンドリンク必須と書いてあった。


カラオケ代+ワンドリンクorドリンクバーってこと!?


聞いてない聞いてない!!


「ねぇね、私気づいちゃったんだけど!」


「どうしたの!?」


「カラオケなんだけどさ、、」


私はドジなことがバレてしまうことが恥ずかしくて言うことができなかった。


「盲点を発見しちゃったの、、」


「盲点??なに、盲点って」


5話を読んでくれたらなら結末はわかると思うので、この先は恥ずかしいから言わないことにしておく。


私はカラオケの場所がわからなかったので、地図のアプリを開く。


が、方向音痴且つ地図が読めないため、カラオケがどこだかわからなかった。


「えーっと、ここがこうで、ん?あれ、わからない、、地図読めない…カラオケどこぉぉ」


すると、勇人君がちょっと見せてと言って、私の手に手を添えて、携帯を覗き込んでくる。


顔が近いよぉ、、恥ずかしい、、


私は顔が熱くなる。


「今中央口だからもうすぐだ!」


私の手を引いた。


勇人君の背中がたくましくてかっこよかった。


私は、自分の気持ちに確信を持った。


私はこの人が好きなのだと。


カラオケに着く。


受付の人は、私たちの関係をどう思っているのだろう。


男女二人でカラオケって、まるでカップルじゃん。


部屋に入ると、心臓が飛び出しそうなくらい緊張する。


勇人君と、二人きり…


私は恥ずかしすぎて歌えないので、勇人に歌わせる。


勇人君は歌い始める。


イケボでとてもカッコ良かった。


真剣な顔で歌っている姿に、キュンとしてしまう。


そして勇人君はマスクを外して飲み物を飲む。


そんな姿もかっこいいと思ってしまう。


うぅ、、この人のこと、どんどん好きになっていく…


まどマギを観てる途中とても眠くなる。


好きな人と一緒にいると眠くなると聞いたことがあるが、それに関係しているのだろうか。


カラオケ店を出る。


もう外は暗かった。


もう帰らないといけない。


しかし、帰りたくなかった。


こんなに楽しくて充実していた日は今までなかった。


ずっと勇人君といたいと思った。


私は勇人君が好きだ。


私は確信した。


やだ、さよならしたくない!!


「あ、池袋まで送って行くよ」


「へ?」


私はそれを聞いて一気に嬉しくなる。


どこまででも飛べそうな気分だった。


「そっか、ありがとう!一緒に帰る!」


私は恥ずかしくて電車内では話せなかったが、それでも同じ空間に勇人と一緒にいれて嬉しかった。幸せだった。


私は勇人君の足元をカシャリと写真を撮って、インスタのストーリーにあげる。


私は思ったことをストーリーにそのまま書いた。


『めっちゃ楽しかったよ。めっちゃ充実しすぎた一日だった、なんてね。やっぱまどマギ最強!』


私は流山勇人が好きだ。

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