4話:盲点
アキバ当日の日になった。
そういえば言い忘れていたが、まどマギを観る場所がネカフェからカラオケになった。なぜかというと、カラオケの方が安いし歌えるからである。
松戸凛もそれに同意してくれたのであった。
『勇人君の歌声聴いてみたいから、カラオケでもいいよ笑』
と言ってくれたのだ。
そして手際がいいことに、松戸凛はささっとカラオケを予約してくれたのであった。
『カラオケめっちゃ安いところ見つけた!!予約しておいたよ〜』
俺は感謝の言葉しか出ない。
『ありがとう!!』
その代わり、俺はアキバのルートを考えたのである。
松戸凛にあらかじめ行きたい所を聞いたところ、神田明神に行きたいと述べたのである。
なぜ神田明神なのかというと、そう、ラブライブの聖地だ。
『久しぶりに神田明神行きたい!』
『神田明神!いいねぇ、俺も行きたい!他には行きたいところある?』
『うーん、アキバあんまりよくわからないから、勇人君に任せていい?』
『わかった!』
こうして俺がルートを考えることになったのである。
朝起きて、二時間後くらいに家を出る。
中央線でお茶の水まで行き、お茶の水で総武線に乗り換える。
その間、俺はずっと緊張していた。
心臓が早かった。そして心臓の鼓動がいつにも増して大きく聞こえている気がした。
俺は松戸凛よりも先にアキバに着く。
俺は20分前くらいについてしまったため、ラジオ会館を少しフラフラすることにした。
ラジオ会館とは、アニメグッズ専門店、カードショップなどが入っている、いわゆるオタクビルだ。
少しすると、松戸凛からLINEが来た。
アキバの駅に着いたらしい。
俺は先ほどよりも脈が早くなった。
電気街口の改札前で待つ。
俺は柱に寄っ掛かり、改札を眺めた。
すると、とても洒落た格好をした美少女が現れた。
あれは、そう、松戸凛である。
「おはよ、」
俺は彼女に話しかける。
しかし反応がなかった。どうしたのだろう。
「おはよ、、元気、?緊張してるの、、?」
松戸凛は満を辞して口を開いた。
「あ、ごめんいまワイヤレスイヤホンしてた。おはよ」
俺はおい、とツッコミたくなりながらも抑える。
「そっか、今日はよろしくね、、!」
「こちらこそよろしく、、」
松戸凛は緊張しているようだった。
顔が紅色に染まっている。
「やっぱ緊張してるんでしょ、俺も一緒、、!」
凛はどきっとしたのか、表情がびっくりしていた。
「結構緊張してる、男子とこうして二人っきりで遊んだりするの初めてだから、、」
ってことは、初めてが俺ってことか!?
めちゃくちゃ嬉しいのだが。
「そっか、まあ俺なんかに緊張しなくて大丈夫だよ!」
というと、凛はぼそっと
「君だから緊張してるんだけどな…」
と、意味深な発言をしていたが、聞こえないふりをしておくことにする。
「最初に神田明神行こうかなって思ってるんだけど大丈夫かな?」
「うん!大丈夫だよ、勇人君に任せる!」
「あ、君付けじゃなくていいよ、勇人で!」
凛はまた顔が赤くなる。
「勇人、、」
弱々しい声が出る。
「うん、勇人だよ。じゃあ凛って呼ぶね」
ますます凛は顔が赤くなるが、俺も結構顔が熱くなる。
神田明神につくまでこんな感じが続いたが、世間話で盛り上がり、次第に緊張感が無くなっていった。
「着いた!神田明神男坂!」
俺は、ラブライバーとして大喜びする。
「久しぶりに来た、懐かしいなぁ」
凛は久しぶりに来たらしい。喜んでいる顔をしていた。
神田明神を参拝して、駅の方に戻る。
駅に戻る時には、凛の緊張は完全になくなっているように思えた。
「だいぶ、緊張ほぐれた?」
俺は凛に問う。
「だいぶいつもの私になってきた!」
トーンも先ほどよりも高く感じる。
「そっか!よかった!じゃあ次はね、ゲーマーズにいこっか!」
「うん!!」
こんな感じで、秋葉原を観光した。
アニメグッズをみて「わぁ、この子可愛い!!」や、「推しなんだよね!好き!」
など、推しを共有したりなど、オタクライフを二人で楽しんだ。
なんだか、こうしてるとふと思ってしまう。デートみたいだなと。
楽しそうにしている凛を見ると、こっちまで楽しくなってくる。幸せになってくる。
これって、もしかして、、
「ねぇね、私気づいちゃったんだけど!」
俺は、いきなりタイムリーな感じで話しかけられてびっくりする。
「どうしたの!?」
「カラオケなんだけどさ、、」
凛はいきなりもじもじしはじめる。
「どうしたの、、?」
「盲点を発見しちゃったの、、」
「盲点??なに、盲点って」
なお、凛はもじもじしている。
「盲点だよ!」
「盲点?言ってみ?」
「ええ、盲点!恥ずかしい!」
盲点とは一体…