70話 災厄者会議前日
早紀たちは再びゼルエルの服屋に訪れていた「はい!どうぞ、見た通り再現いたしました」早紀は目の前の服を見て目を輝かせる「わあ!すごい!私の学校の制服がこんなに……」早紀の言葉に3人は首を傾げるも軽く笑う「作ってみて分かったのですがこの服とてもいいですね……特に前のボタンそしてこのリボンがとてもかわいいです」ゼルエルが真剣に考察をしている「だよね!?ほら!2人とも早く着て着て!」「おいちょっ!早紀!」早紀は2人を云々言わさぬスピードで試着室に押し込んだ「んー?どう着るのじゃこれは……」「いろんなところにポケットが……中にもあるんだ」2人は初めての制服に興奮しているようだった。
「まぁ!ミカエル様、マリさんとっても素敵です!」ゼラエルが制服を着た2人を拝む「いや……天使が拝んだらダメでしょ……でも……」そう目の前には天使……のような2人の姿があった「元々天使だけど」早紀は小さく呟くとゼラエルと一緒に拝んだ「ちょっと!2人してその拝み方は恥ずかしいんだけど……」マリが下を向いた「じゃが……いいのぅ動きやすいし」「はい!元のデザインはそのままに動きやすい素材を使用しました!早紀様もどうぞ」ゼラエルは早紀に服を渡した「とりあえず明日の災厄者会議の準備はこれで完了したね」「気を付けてくださいね?」ゼラエルが心配そうな顔をする「早紀なら心配ないよー私がいるし」と水色の魔法陣が現れサキエルが入ってくる「サ……サキエル様あぁ!?」ゼラエルが叫んだ「こ……これは……サキエル様……よ……ようこそおいでく……下さいました」「どうしたの?ゼラエルさん?」早紀はゼラエルの方を向く「早紀にはこれも言ってなかったの……サキエルはわしら天界を作った天使なんじゃよ。つまり熾天使よりさらに上の存在なのじゃ」「うん、3人とも似合ってんっじゃん!これはあなたが?」サキエルはゼラエルの顔を見る「は……はい!お気に召されたでしょうか?」サキエルは笑って頷いた「ところでサキエル様はどうしてここに……?」「マスターに要件があってね」と早紀の顔を見る「まさか……」「そうじゃよ……早紀さんは契約熾天使じゃ……契約相手は……まさかの人物じゃったがの」ミカエルはサキエルの顔を見る「契約熾天使って私詳しく知らないんだけど……今までのミカエルさんとかと同じ?」ミカエルは軽く悩む「私が説明する、一応天使の階級を作ったの私だし」サキエルが立ち上がる「とりあえず歩きながら話すよ」サキエルの言葉に3人はゼルエルに頭を下げ店を後にした。
「まず契約とは!契約相手の力を借りるもの……というのはマリも見てきたから分かるよね?」マリは頷く「そもそも契約には3パターンあるの。まず一つメタトロンが使う支配契約。これは紙に契約内容を書き破ることで契約が成立する。相手に対して支配するときやスキルを発動するときに使う契約ね。この契約のいいところは契約数が紙に書けば無限なの。悪いところは破るときに契約内容に応じて魔力を大幅に消費すること。だからメタトロンさんの魔力は天界1なの。そして2つ目が仮契約」その言葉にマリが顔を上げると感じ取ったかのようにサキエルが続ける。
「そう早紀さんが一番最初にミカエルたちとかわしてた契約でこれは天使側から勝手に主張し契約を結び力を貸す契約。仮契約は主張契約と呼ばれる契約にあたるの。この契約のいいところは勝手に力を貸してくれるから強い魔法を打ち放題になるの。また悪いところはすべての力が半分になる。これはあまりにも大きな力だと相手の体を壊すから半分になるよう私が設定した」ミカエルも驚いている「そして3つ目は自分が自ら召喚、もしくはお願いして契約する召喚契約。この契約のいいところは主張契約と違いお互いを認めて力を貸す契約だから力の半分を解除し全力で放てるようになる、悪いところは自分以上の者とは契約できない点だね。そして今回の早紀さんの場合はかなり特殊で……私も予期していなかった契約なのですが……」「ん?どういうこと?」早紀は首を曲げる「恐らく今回の契約はお互いを強化し合う……いわゆる協力契約だと予想してる。本来の契約と違いお互いの能力にそれぞれ能力が付与される契約になるね」「つまり今までは一方的な契約だったけど今では私とサキエルがお互い契約し合ってるってこと?」早紀の言葉にサキエルは頷く「この契約のいいところはお互い全く同じ能力を使えるから主人と従者はお互い信頼し合っているということ。恐らく私が早紀さんに主張契約をしたことにより変化して協力契約にかわったのかもだけど」「つまり早紀さんはサキエルの能力が使えてサキエルは早紀さんの能力が使えるってこと?」マリの言葉にミカエルは呟く「まぁそういうことじゃろうなぁ……」「そしてこの契約のいいところのもう一つは私と早紀さんはいわゆる一心同体状態なので魔力も2人分合わせた魔力になります。なのでどちらかが死んでも同魔力により蘇生させることが可能になるってこと」サキエルの言葉に2人は頷く。
「じゃあスキルのサキエルはどうなるの?」マリが早紀の方を向く「サキエルはお互い使えると思いますよ。能力はそのままに私の分身を主人に与え私の能力やいろんな能力を制御するって感じかな私の見解だと」早紀が説明する「なるほど……つまりはあれじゃな、早紀さんは新たにサキエルの能力を使い今まで通り戦闘が出来てサキエル様もこれから早紀さんの力を使え戦闘に参加できるって事じゃな」「そういうことかぁ……」マリはやっと理解したようだった「でもそれって早紀さんとサキエルが2人いるってことにならない?」マリが首を曲げる「お互いが全く同じ魔力量、スキルを使えるようになるとそうじゃのう……でしかも2人同時に倒さないと自動蘇生じゃろ?」「負ける気がしないね!」「いざとなれば私は早紀さんの体に戻ることも可能なので」「戻るとどうなるんじゃ?」ミカエルがサキエルの顔を見る「ここは分からないけど多分身体能力が私とマスターの合算になると考えますね。前まではちゃんと契約できてなかったらしくてねぇ……私が出てこれたということは契約完了した証だと思うし」ミカエルとマリは悩む「なるほどのぉ……」「とりあえず戻りましょう。」サキエルの足元から魔法陣が現れそのまま4人は消えていった。
「ぷはぁ!楽しかったのじゃー」「おかえりだなミカエル……その恰好は?」「あらまぁ初めの早紀さんの格好じゃないですかぁ」ウリエルとラファエルが目を見開いている「何気にあってますね」ガブリエルも見とれている「そんなに見るでないわ」とミカエルは歩いて行った。
そしてマリ、早紀、ミカエルは会議室に集まっていた「いやぁこれで怒らしたら確信したのじゃ」「ん?何が?」早紀は軽く首を曲げる「ユグと早紀怒らせたらダメということをじゃ」「早紀は分かるけどユグちゃんも?」「なんじゃマリ気付いておらんのか?ユグはとてつもない力を秘めておるぞ」早紀は黙って聞いている「ユグの能力は左目の能力消滅じゃろ?じゃあ右目はなんじゃ?」マリは目を見開く「そういえば髪に隠れてて気にしてなかった」「絶妙に右目が見えない様に意識しているのが気になるんじゃよ……」「まぁ隠すのが好きって可能性もあるし……」マリが笑っている「そうじゃといいが……」「明日災厄者会議だし今日はもう寝よう!」早紀の言葉に3人はそれぞれ部屋に入っていった。




