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3話 街発見


「うーん…なかなか森抜けないなぁ…」


早紀はひたすら森の中を歩いている


「…!」


早紀は慌てて森の茂みに隠れると女性の声が聞こえてきた。


「ねぇ聞いた?最近ここで髪の色が変わる女の子がいるって噂」

「なにその子…冒険者じゃないんじゃないの?」


どうやら2人だけのようだ


「それが背中に羽が生えているみたいで…」

「羽?妖精族?」

「私もそう思ったんだけど何か違うらしいよ…ギルドの皆にも聞いてみようか」

「そうだね!」


2人はそのまま歩いて行った。


(髪の色が変わる女の子、羽が生えてる?誰だろう。というかあの2人ファンタジーに出てきそうな服してるなぁ…)


早紀はばれない様に2人の後ろをかなり離れてついて行った。


(あっあれは!!)


早紀は森を抜けると大きな要塞のような壁を見る。


「なにこれ…あっ巨大な門がある!ということは…街だぁ!!」


早紀は嬉しくなり歩いていった


「止まれ」


と早紀が通ろうとすると何やら鎧を着た男に止められ早紀をじっくりと見ている。


「見かけない顔と服だな名は?」


急に話しかけられ自分の名前も名乗らず名前を聞くのに少し早紀は首を傾げたがここは日本じゃないことに気づき飲み込む。


「はい、三河早紀と言います」


(あっ…この名前もしや…)


早紀は慌てて男の顔を見る


「みかわ…さ…き、そんな名前の人うちの国では聞いたことないな…何処のギルド国だ?」


早紀は首を曲げる。


「ギルド国って何ですか?」


そんな早紀の言葉に男は高笑いする。


「はっはっは!まさかギルド国を知らないとか言って忍び込もうとするやつは初めてだ」


(忍び込むって…本当に知らないんだけど…まさか…スパイと思われた?)


「とにかく牢獄に来てもらおうか」


男は槍を地面にたたきつける。


「ちょっ…ちょっと待ってください!いくら何でも早すぎます!」


男は早紀をにらむ


「じゃあお前はどこのギルド国だ!?」


(だぁかぁらぁギルド国を知らないんだって!でも何とかして誤魔化さないと…転生…なんて言えないしなぁ…そうだ!)


「私実は昔日本という…はるか遠くの国に住んでいたのですが…旅に出て帰れなくなってしまって…たまたまここに…」

「二…ホン…?」


男は首を曲げる。無論早紀はわかっていた。


「はい私は冒険者になるため日本という国から旅をしたのです」


男はまだ信じてないようだ。


(早くしてくれないかなぁ…こんな外だと寒いんだけど…てかこの男こそ何者なの…てかあれか門番か…)


早紀には様々な疑問があるが敢えて聞かないことにした。


「ならばまだ冒険者カードは持ってないんだな?」


早紀は頷く


「…冒険者カードがなければ銀貨1枚だ」

「え?良いんですか?」


早紀は思わず聞き返した。


「最近ほかの国の争いが絶えなくてな…」


早紀はやっと納得がいった。


「だから私を疑ったのですね」


早紀はため息をつく


「あぁ…どうやら悪い人じゃないと見受けした。街に入ると教会で正式に冒険者登録すると良い。疑って悪かったな」


男の人の声が明るくなっていた


「いえいえ…こちらこそ」


早紀は銀貨1枚払うと街の中に入っていった。


「わぁー!広い!」


早紀は周りを見渡しながら歩いている。


(なんかすっごい視線感じるな…まぁこの服なら仕方ないか…)


「これが教会…」


早紀はそのまま教会の中に入る


「いらっしゃい、見ない顔ねギルド希望者?」


前からシスターだろうかそんな服を着たおばさんが歩いてくる。周りには冒険者達だろうかたくさんの人が集まっていた。


「あの…ここに来るのは初めてでギルドが良く分からないんです」


女の人が考え込む


「なるほど新米冒険者ですか…では説明します。ギルドというのは冒険者の集まりで巨大のものから小規模までのたくさんのギルドがあります。この世界はギルドで成り立っているといっても過言ではありません」


シスターが細かく説明してくれる。


(なるほどつまりギルドはチームが大きくなった感じってことかな)


「それでギルドは大きくなると国を作ることが出来るようになります」

「国ですか!?」


早紀は驚いた。


(え?国ってギルドが作るもんなの?でも…ギルドが国なんて作ったら戦争起こるんじゃ…)


「あの…ギルドが国を作ったら争いは…」

「はい、もちろん毎日のように起こっていますが基本的には小規模ギルドの争いです」


シスターが笑っている


「私たちが居るこの国もギルドなのですよ。ただし巨大なので攻めてくる人たちはいません」

「確かにここは平和そうですね」


早紀は歩いてきたときの街の様子を思い出す。


「さて冒険者登録とギルド登録をしたいのでこの水晶に手をかざしてください」


早紀は両手を水晶に置く


「なるほどAランクですね」


周りからは笑いが巻き起こった


「なんだよAランクってそんな奴がここに来て良いわけないだろ出て行けよ!ははは!!」

「とりあえず!冒険者登録とギルド登録だけします」

「わ…わかりましたではここに名前を」


あまりに早紀が怒っている声だったのかシスターが震えている


「全然大丈夫ですよ!怒ってませんから」


早紀は紙に名前を書くと目の前にまた文字が現れた


[ギルド登録しました。仲間を勧誘することが出来ます]


(なるほどこれでいいのね)


「それではありがとうございました!」


早紀は笑顔でシスターに会釈をした後笑っている周りを軽く睨みながら教会を出て行った。

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