37話 第一次ギルド大戦
カンカンカンカン!「きゃー!」と何やら音や叫び声が聞こえ2人は目が覚める「もう着いた?」マリは馬車の布を外す「!!?」目の前には火で燃えている村の姿があった「マリ……これって……」ミリが呟いたと同時にマリが走り出した「マリ!」ミリも慌てて追いかける。
「姉さん!母さん……」勢いよく扉を開けたときにマリの目に飛び込んできたのは血まみれで倒れているリミアの姿だった「姉さん!姉さん!」マリは泣きながらリミアに駆けよるも返事がなかった「どうして……」マリは窓の外を見る。外は炎に飲まれもう地獄絵図の状態だった。
「マリ!逃げ……」とミリが叫ぶと同時にミリの腹から剣が飛び出る「なんだどこに行ったかと思ったら……」「ミリ!そして……え?」マリは倒れていくミリと目の前の男を見る「どうして……お父さん……」「なーに?仕留め損ねたの?」奥から女の人が歩いてくる「お母さん……何で!」マリは叫ぶ「あら……私はあなたたちを生んだわけじゃないわ、利用したかっただけよ」マリはミリを抱える「ミリ!ミリ!」「マ……リ……今まで……ありがとう」ミリはそのまま目を閉じた「マヤにマランベース村を滅ぼしたことを伝えろ」男が後ろを振り向いた。
「ミリ……姉さん……」とマリはあの時殺された友達を思い出す「あらマリ?また殺したの?残念ねあなたに力があればあの時も助けられただろうに」と奥から失笑が聞こえる「……絶対に許さない」マリの中で何かが切れた音がすると同時に空がどんどん曇りはじめ雷も聞こえる「なんだ?今日は雨の予定なんかあったか?」男は軽く笑っている「とりあえずあいつを殺せ……」男の言葉に一人が笑いながらマリに近づいていく。
「死ね!」と男がマリに剣を振り下ろす……がその剣はマリに片手で受け止められる「何!?」男は目を丸くする。
『誰かを守る気持ちを忘れなければ強くなれるよ』マリはあの時言われたセラの言葉を思い出し大きく深呼吸をする。
「あなたたちは私が殺す!」マリが目を見開いた瞬間マリの周りから黒炎が現れる「おいおい!なんだそれ……」「力を貸して!マリエル!」と手を伸ばしたとき黒炎の中から剣が現れる「おいおいこんな狭いところで戦う気か?」男たちはまだ笑っている「じゃあ広くする」「え?」とマリが剣を一振りした瞬間村全体が黒炎に包まれ大爆発が起こる「嘘だろ!村1つ丸ごと消し飛ばしやがった」男たちが叫ぶ「気にするな!やれ!」と周りから男たちが剣を振り下ろす……もマリが再び目を開いた瞬間、黒い空間が広がるとともに男たち全員が消滅した「何があった!?」男が叫ぶ「威圧よ……威圧だけで人ごと消しとばした」マリの周りの炎はどんどんと強くなる「皆!逃げろ!」と後ろを振り返る「誰が逃がすとでも?」「え?」マリは奥から歩いてくる白い服を着た少女を見る「よくも私の友達を傷つけたね」と女子が剣を抜いた瞬間男たちが切られその女の子はマリの隣に剣を収めた姿で止まる。「セラさん!?どうして……」「アスケム村でたまたま耳にしたの『マヤ帝国がここに攻め込んだ』とだから走ってきた」
「貴様一体何をした!?」1人の男が起き上がる「あの一瞬で壊滅なんてね」「何……」そう男はそれ以外の仲間がいつの間にか誰一人としていなくなっていることに驚く顔をする「おいマリ!俺はお父さんだぞ!お前はお父さんを手に……」と両手を広げている男の手をマリが斬る「うわああ!」「あなたの事なんて私は知らない」マリが歩いてくる男は奥の白い少女を見る「そうかお前が……英雄の少女か……」とつぶやいた瞬間マリの剣で体ごと切り裂かれたかと思うとそのまま黒炎に飲み込まれ体一つ残さず消し飛んだのだった。これが災厄者「黒炎の少女と呼ばれるきっかけになるのだった」
マリはリミアとミリを転移魔法で目の前に呼び出す。そう爆発させる瞬間に新しく取得した転移魔法で移動させたのだ「ダメだね……ミリ……息がない」セラが呟く「生き返らせます」マリが真剣な顔をする「蘇生魔法はかなり難しいよ……でもやってみないと分からないか…」とセラが呟くと同時に目の前が黒く光る「!?マリ避けて!」「!?」マリは慌てて後ろに下がったとき目の前が爆発する「くっ……」マリはその爆発に巻き込まれ軽く吹き飛ぶ「マリ!」セラが慌ててマリの手を握った。
マリが目を開けるとそこにはリミアもミリもいなくなっていた「い……いやああ!!!」マリの悲鳴が森一帯に響き渡った「マリ!大丈夫!2人とも生きてるよ!とはいってもどこに行ったのかは分からないけど……」「私にもっと力があれば!!」とマリの黒炎が大きくなる「マリ!」セラがマリの肩を掴むと炎が落ち着く「ついてきて」「何で……」マリはセラの真剣な顔についつい怯んでしまう「あなたには家が必要でしょ」とそのままセラはゆっくりと歩き出した。マリは首を傾げつつもセラの後をついて行った。
しばらく歩きどんどんと山に入っていくと家が見えてきた「ここは私の家、今日からマリはここで私と一緒に住むの」「えっ」マリは下を向く「どうやら大規模ギルド同士の大戦争が始まったようだからね……ここなら安全だ」「でも!私はお姉さんとミリを……」「力もないのにどうするつもり?」マリはセラの言葉に目を見開いた「マリもわかったでしょ?今のあなたでは何もできない。あの力も次いつ出るか分からないそんなんで何をするつもり?」マリはセラの言葉に涙を流すしかなかった「とりあえず今日はもう寝なさい。明日すべて話してあげる」とセラはマリを部屋に案内してからそのまま歩いて行った。
その日マリはベットに顔を埋め大声で泣いたのだった。




