33話 アスケム村到着
「あなたは?」マリは目の前に立っている女の子を見る「あなたは後ろの子を」マリは女の子に言われ慌ててミリの方に駆けよる「マリ!大丈夫!?」「うん!あの人が助けてくれた」と2人は男と睨み合っている女の子を見る「あの子誰?マリの知り合い?」マリは首を振る「全然知らない人だよ」マリとミリはもう見守るしかなかった。
「なんだお前は!?何をした!?」男が叫ぶ「あなたたちを拘束します!」「ふざけんなよ!小物がぁ!」男は女の子に突っ込む「危ない!」マリが叫ぶも女の子は動かずに人差し指で剣を受ける「なんだと!?」とそこから女の子は男を圧倒していく「凄い……」マリとミリが唖然としている中、男たちはあっという間に拘束されてしまった
「転移!危険牢獄!」女の子が叫んだ時男たちはそのまま光に包まれて消えてしまった。
「あ……あの!助けてくれてありがとうございました」マリとミリが女の子に駆けよる「いえいえ!たまたま通りかかっただけですよ」と女の子が答えた「私達アスケム村に行きたかったのですけど……盗賊に襲われてしまって……」「そうだったのね……とりあえずアスケム村に行きましょう。話はそれからだね」女の子はそのまま背を向けて歩き出した「良かったねマリ!」ミリが手を繋ごうとしてくる「はぁ……今回だけだからね」マリもいつも以上に力を入れてミリの手を握った。
「見えてきた見えてきた、あれがアスケム村だね」2人の先にはたくさんの煙が見える「わぁ……温泉だ!」ミリが叫ぶ「ということは無事にアスケム村に着いたんだね……」マリがため息をつく「宿は私が取っているから」とマリとミリ波女の子が言った宿に向かった。
「いらっしゃい!」「すみません!女の子がここを予約したということなんですけど……」「分かりました!お金は……すでに3人の3日分払い済みですね、どうぞ3階の一番右端の部屋になります。なおこの宿の地下と屋上に温泉があります。使うのはどの時間でも自由です。なお食事は朝7時~9時、昼は12~13時、夜は18時~17時の間になりますのでお忘れの無いようにお願いします。今日の分は特別にお部屋に食事をご用意させていただいております」と受付の人が頭を下げた「ありがとうございます!」マリとミリも頭を下げると会談に向かっていった「楽しい3日間をお過ごしください!」「あの受付さん可愛かったね」ミリがマリの顔を見る「確かに……それと地価と屋上に温泉があるんだっけ後で行ってみない?」「ぜひ」ミリは大きく返事をした。
「この部屋だね……」マリはゆっくりと部屋のドアを開ける「うわあ!」2人は目の前の広い部屋に目を丸くした「何この部屋……3人以上は入れるけど……」とマリは机の上に置いている3人分の食事を見る「本当にここだよね?」マリとミリは首を曲げると隣のドアからパジャマ姿の女の子が1人現れた「うわああ!すみません!部屋間違いました!」「まって!」マリとミリが慌てて出て行こうとすると女の子に止められる「あなたたちの部屋はここ、一応私との3人部屋にしてもらった」「そういえば受付さんが3人3日分って言ってたっけ……」ミリが思い出したかのように手を叩く「『私の妹と友達がアスケム村に温泉入り行くから3日一緒にいてあげて』ってリミアさんから言われたからね」「お姉さまが?」「……と言い忘れてたね!私はセラ・セラフ、これから3日間よろしくね」「私はマリ・スカーレットです」「ミリ・アルンホルンです」『2人共ども3日間よろしくお願いします!』まさか最後の言葉がはモルトは思わずマリとミリ波お互い顔を見つめる「あはは!全然中悪くないじゃん!2人とも!リミアからは毎日喧嘩しているって聞いていたんだけどなぁ……」セラは頭を抱えた「まぁいいや!とりあえずご飯だべよ!事情を話したら特別にここに運んでもらったから」とセラの言葉に2人のお腹が鳴った「食べようかミリ」「お腹すいたー!いただきまーす!」3人は笑いながらご飯を食べた。
「ふあぁ……生き返るう」「ミリ……あまり浸かりすぎると息できなくなるよ」マリとミリは温泉に浸かり体を癒している「そういえばセラさんはどこで私のお姉さんと?」「私?私は……なんというかたまたまだね」マリは頷く「でもたまたま会ったから私達助かったんだもんね」ミリが笑っている「確かにそうだね」「ところでセラさんは冒険者?さっき見た限り相当強いと思うのですが……」マリは首を曲げる「うーん……難しいなあ……冒険者と言えば冒険者かな」「すごいなぁ私もセラさんみたいに強くなりたい!」ミリが顔をのぞかせる「とにかくなんだろ頑張りすぎない程度に稽古を毎日頑張ったら私のようになるかもね」マリとミリはなるほどといったように頷いた「さてと明日はゆっくり休みなさい疲れたでしょう」2人はまた大きく頷いた。
その後寝室で
「マリ……そのいろいろ有難う」「ミリ?なんの事?」「私の事嫌っていなかったんだよね?」マリはしばらく考える「最初は嫌いだった……よそ者の逃亡者なんて盗賊の仲間の可能性があるから……でも旅をしてみて分かった。私1人だと寂しくてこんな旅途中であきらめていただろうし」「そっか」「ミリももう疲れただろうし早く寝な私ももう寝るから……お休み」「うふふ……案外可愛いなぁ……マリって……お休み」2人はそのまま目を閉じた。




