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32話 さらなる旅


 「マリ、まだ着かないの?」ミリが足を震わせながら歩いている「もう少しのはずなんだけど……あれかな?」目の前には村らしき家が何件か見えてきた「やっと着いたぁー!」ミリがはしゃいでいるもマリは不思議な顔をする「ねぇミリ、アスケム村ってさ温泉街らしいの、姉様から聞いて」ミリは周りを見渡す「ここには温泉どころか普通の小さな村だよね?何かおかしくない?」「ということは別の村?」マリは大きく頷いた「すみません!」とマリは畑で作業をしている女の人に話しかける「はいはい?あら?あなたたちは見ない顔だけど冒険者?」「いえ!アスケム村に行こうと馬車に乗ったらここについてしまって……」村中が大騒ぎになりそうな予感がしたのであえてさらわれたことは伝えなかった「そうなのね……でもアスケム村はこの遥か先よ大体140キマイター程離れているけど……」2人は唖然とした。


とりあえず2人は一日泊まるために宿屋に入った「140キマイターって私達そんなに寝てたの?」「多分私たちが見ていた景色は幻覚でここまで空間転移してきたのかも……」「ええ!?じゃあどうするの?」「仕方ない……ベットで寝れるのは今日だけだよ!しっかり寝なさいよミリ」とマリはそのまま布団にもぐりこんだ。


次の日


「あの女性の人が言ってたのってこの方向だよね?」2人は崖のような岩の細い道と言えない場所を歩いている「気を付けてよ?こんなところで落ちたらそれこそ死ぬよ」マリは壁に手を付けながらゆっくりと歩いていていく「下の道だとさすがに時間がかかりすぎるからね……ここだと少し早くつくと思う」「いやいや……道じゃないじゃん!」ミリが後ろで叫んでいる「仕方ないでしょ?荷物は私が全部持ってるから我慢して!」「ふええ……」ミリは嘆きながらも壁にへばりつきながら歩いて行った。


「山の斜面見えてきたよ!」マリが後ろを振り向く「マリ……足がもう動かない」ミリは足を震わせている「まぁ……こんな遅いところ歩いて恐怖心もあるし……こんなところ2時間も歩いていたらさすがにそうなるか……」マリはミリのそばに来るとそのまま座る「足も伸ばせないしなあ……」マリは足をぶらぶらさせている「マリ!それ辞めて!石が落ちてるから!」ミリが叫ぶ。


2人はなんとかの思いで岩を抜けた。


「はぁ……つかれたぁ!」ミリとマリは山の斜面に寝転がる「いまで40キマイター程は進んだんじゃないかな……」マリが手を縦に振る。すると目の前にはモニターが現れる。


[ナガミ村から59キマイター]


「まだ50キマイター……」ミリは頭を落とす「まぁ!でもあと90キマイターだよ!」マリはミリの頭を撫でる「今日はこの山の上で野宿しようか……一応あの村で食料と寝るところはもらったからね」とマリは斜面を登る「ミリー!上に平原あるよ!」「ふあああい!」と投げやりな声が聞こえた。


「もう歩きたくないよぉ」ミリは半泣きになりながら斜面を歩いてきた「今日はこのテントで休もうか……というより明日ちょっとここら辺探検しない?」マリはミリの顔を見る「探検?」「そう!ここら辺私達も初めてだし探検したら周りに色んな景色見れるだろうし!」ミリはしばらく考えるような素振りをした後軽く頷いた。


「うまーい!」2人は焚火で村からもらったお肉を食べている「家で食べるよりおいしい気がする……食材の質は全然違うけど……」「私達あの家に帰れるよね?」ミリはすっかり暗くなった森を見る「帰れるよ」マリはミリの頬に手を添える「私が必ず帰らせる」マリはそのまま手を離した。


2人は笑うとそのままテントに入っていった。


「うわあ……」2人はテントの外に出ると目の前の光景に唖然とした「凄い……綺麗……」そうそこには台地の裂け目のような岩の光景が広がっていた「来るときは全然わからなかったけど私達あんな危ない道を歩いたんだよね」ミリが頷いている「そうだね、じゃあ今日も歩きながら新たに探検しようか」マリはテントを収納魔法で収納するとミリと一緒にどんどんと進んでいった。


「あっ!川だよ!」ミリが川の方に走る「おお~!綺麗……」とマリは川の水を口に含む「うん!この水新鮮!そのままでも飲めるよ!」「ほんと!?今さっき水附宝ここで補充しようよ!」ミリも収納魔法から巨大な水入れ容器のようなものを取り出すと川の中に入れた「そうだね私も……」マリも一緒に5杯分の水を汲んだ「さてと……どんどん行こうか!」もう2人は歩くことに苦はなくどんどんと進んでいった。


「今どれくらい歩いたかなっと……」マリはまた手を縦に振る。


[ナガミ村から145キマイター]


マリは目を輝かせた「ミリ!見て!」マリはミリの方にモニターを見せる「え!?残り15キマイター!?そういえば全然疲れなかったね、普通に満喫してたかも……」ミリは笑っている「それにしても無事にここまでこれたね……」「うん!マリのおかげだね、私1人だと……」「そうだね!私も……!?」マリは前を見る「おやおや……こんなところで会うとは」そう目の前にいたのはあの盗賊たちだった。


「どうして私がここに来ると……」「逃げる場所と言ったらアスケム村しかないだろうなと思ってな先回りしたんだ、まぁ……まだ距離があるからな……ここならば」と男たちが剣を構える「ミリ下がってて」マリが素手を構える「おいおいお嬢ちゃん、剣に対して素手なんて死んじゃうよ?」男たちは笑いながら歩いてくる「はぁ!」マリは一人の男にアッパーを与える「ぐあ!」男はそのまま倒れる「お前ら!行け!」とマリに20人ほどの男たちが襲い掛かった「マリー!」後ろからはミリの叫び声が聞こえた。


(私がここで死んだらミリはどうなるのかな……)


とマリは目を閉じた。


「うわああ!」と男たちの悲鳴が聞こえマリは目を開ける「あなたは?」マリの目の前には一人の女の子が立っていた。

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