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18話 領主としての在り方

 

「さてと…」


早紀はベッドから降りるとガブリエルを起こす。


「うーん…」


ガブリエルは眠そうに体を起こす


「天使でも寝るんだね…」


早紀は目を擦っているガブリエルを見る


「こんなふかふかの布団で寝たのは初めてですから…」

「そうだね!じゃあマリと朧月を起こしに行きましょうか…」


と早紀は部屋を出て行った。


 「あれ?」


早紀はマリ達の部屋に行くも誰もいなかった。


「マリさんたちは出かけていきましたよ」


ウンディーネが後ろから歩いてくる


「おはようございます!そうですか…」

「それより2人分の食事用意してますよ」


とウンディーネに連れられ食堂に行く


「ええええええ!!?」


早紀は目の前の光景に叫ぶしかなかった


「どうされました!?」


後ろからメイド服だろうかを着た2人の妖精が走ってくる。


「いや…ものすごく豪華な朝ごはんで…」


そう目の前は巨大なバイキングになっているのだ。


「はい!領主様と大護衛隊のご飯はすべて自由でいつでも食べらます!ちなみにいつでも食べられる理由はこの部屋には特殊魔法がかかっているので何年間ここに食べ物を放置してても新鮮なんですよ!なので無くなれば補充するだけです。ちなみに…食材はすべて高級食材を使用しております」


とメイドさんが頭を下げた


「とりあえず…食べようか」


早紀とガブリエルはその場で食材を取っていった。


 「ガブリエル…結構食べるんだね…」


早紀はお皿に山盛り盛っているガブリエルを見る。


「はい!私四大天使の中でも大食いなのですよ」


(一体その体のどこに入るというんだろう…食べきれるのかな…)


という早紀の不安は全然いらずあっという間に平らげお代わりをしに行ったのだ。


「まぁ…いいや…いただきます」


とハンバーグを一口食べる


「ん!?」


早紀は目を見開いた


「これは…」


早紀の目からは涙が出てきた


「うんまあああああい!」


思わずまた叫んだ


「大丈夫ですか!?」


妖精たちがまた走ってくる


「ねぇねぇ!このハンバーグは何!?」


早紀は妖精たちにハンバーグを見せる「それはアモー肉のハンバーグです」

「アモー?」


早紀は首を曲げる「


はい!アモー肉はこの世界で一番おいしいお肉とされていて1キログラム金貨1000枚で取引されています」


(日本円で1億円だーーー!)


「ほかにもアモー肉を使用している料理はたくさんありますので!ちなみにここで出されているすべての食べ物は金貨100枚~1000枚以上の食材のみです」

「はあああ!?」


早紀はそれを聞いてハンバーグをすぐさま食べ終わりほかの料理に手を付けていった。


「はぁ……幸せ~」

「早紀さんすごい顔になってますよ」


ガブリエルはまだ食べていた


「だってぇ~こんなおいしい料理食べたことないんだもん」


早紀はこれがいつでも好きな時に無限に食べられるという喜びが大きかった。


 「さて早紀さん」


ウンディーネがご飯を食べ部屋でくつろいでいる早紀を見る。


「何してるのですか!!」

「きゃああ!」


あまりの大きな声に早紀は飛び起きる


「まったく…早紀さん!あなたは領主様なんですよ!この国を守っていただかないと!」


ウンディーネがため息をつく


「そんなこと言ったって…どうすればいいのか…」


早紀は頭をかく


「とりあえず私が妖精たちの街を案内しましょう」


早紀はそのまま家を出た。


「領主様!おはようございます!」


妖精たちが早紀に会うたび頭を下げる


「おはようございます!」


早紀も挨拶をする


「公園もあって……広場もあって…って結構この街って広いんだね」


早紀がウンディーネの顔を見る


「はい!この街だけでも端まで100㎞ありますね」

「え?ということはそこからまた100㎞あるってことだよね…」


ウンディーネが頷く。


(全部合わせて200㎞超えてんじゃん!)


「でも街自体は大きくはないんだね…」

「そうですね…元々は妖精達しか住んでいないので転々と家があるので街自体の大きさは小さめですね本当に2000人いるかいないかだと思います」


ウンディーネが呟く


「そういえばガブリエルさんは?」

「えっとね…ご飯を食べすぎて家で寝ています…」


ウンディーネは一瞬驚いた顔をするも笑った。


「なるほど…そんなふうに商売するのね」


早紀は商人の家で色々勉強をしている


「だが…金貨をため込むと盗賊が現れたりすることがあるんだ…」


早紀は頷く


「なんとかできないかなぁ…」


早紀はいろいろとメモを取っている


「教えてくれてありがとうね!」


早紀とウンディーネは商人に頭を下げるとその場を後にした。


「どこの商人の人たちもやはりお金の問題があるんだね…」


早紀がウンディーネの顔を見る


「そうですね…この街にはお金を取り扱う店はありませんから硬貨はすべて自分で管理するんですよ」


ウンディーネは笑っている。


(なるほど…まぁ難しい話だけど…簡単に言えば銀行が無いってことか…銀行を作ってもいいけど日本と同じに作っても無理だよね…難しい…)


早紀は部屋に戻っても一人で考える


「領主なんだもんね…国の問題を考えるのは大事…よーし!やるか!」


早紀は両手を挙げた


「早紀さーん」


マリが部屋の中に入ってくる


「おっ…マリどうしたの?」


早紀が首を曲げる


「さっき調べたらこのところ女神の噂がありまして」


早紀は首を曲げる


「女神っているの?」

「もちろんいますよ!ですが住んでいる場所がここではなくて別世界にいるのでめったに会うことは無いんですが…」

「ですが…?」


早紀はあとの言葉を待つ


「また…誘拐事件があったらしいんですよ」


マリがため息をついている


「まぁ…私たちは助けをもとめられたら助けるけど…むやみに助けに行って私たちの国を危険にさらすわけにはいかないし…」


早紀は小さくつぶやく


「そっか…んで何してるの?」


マリが紙を覗き込む


「あぁ…これね…うまいこと硬貨の管理できる場所を作ろうかなと」

「なるほど…難しい…」


マリはその後商人の場所へ走っていった


「そうだ!戦力増強なら…」


早紀は思いたかのような顔でてを叩く。


「どうしたんだ?主」

「何か案でも浮かんだの?」


マリと朧月が早紀の前に立っている


「うん!この国の戦力増強のために妖精養成学校を作ろうと思う」

「ようせいようせいがっこう?」


マリと朧月が分からないような顔をする


「そう!この国に住んでいる妖精たちに戦い方や護衛の仕方…そしてマナーを教えてあげる場所っていえばいいかな?」


早紀の言葉に2人は頷いた


「なるほど…早速行ってきます」


2人はそのまま部屋を出ていった


「あの2人ならちゃんとしてくれるよね!指導役は…あの2人に任せよう」


早紀は大きく頷くとまた紙に書き始めた。


「マリ、どこに建てるのがいいと思う?」


朧月がマリの方を向く


「うーん…難しい…けど平地で妖精たちが来てくれやすいところがいいよね」

「そんなところなんてあるのか?」

「分からない…けどここら辺とかどう?」


マリは街の端にある広場を見る


「ここは…確かに街はずれだとは言え結構みんな通るからなここなら主も許してくれるだろうな」


朧月が頷く


「とりあえず設計からかぁ…」

「だったらこんな感じでいいんじゃないか?」


2人は試行錯誤を繰り返しながら建築を始めた。


「とりあえず…これでしてみますか」


早紀は紙を閉じるとガブリエルを呼ぶ


「早紀さん…さすがに頑張りすぎですよ…」


ガブリエルがため息をつく


「ご飯は美味しいし…みんなは優しいから頑張れるもんね」

「そうですか…ところでどこに行くのです?」

「商業者たちの所だよ」


早紀とガブリエルはそのまま外に歩き出した。


「こうかかんきんじょ??」


商業者たちは首を曲げる


「はい!簡単に言えば硬貨を自由に安全に出し入れできる場所です!まず受付の人は紙に相手の名前とそうですね…パスワードを用意します。そのパスワードはお金を引き出す時にパスワードをこのモニター…に打ち青く光れば合っている赤く光れば間違っている表示になります。これはパスワードをほかの人に知られてしまうとお金が引き出されてしまうので絶対にほかの人に話してはいけません。それが出来る場所を硬貨換金所として作ろうかと」


早紀はモニターを出し実践で説明する


「ここから詳しい説明ですが。まず硬貨を入れるときと引き出す時ですが…受付の人から渡された紙に硬貨〇〇枚と書いて収納というところに〇をして下さい。そのあと受付の人は確認し硬貨を入れる場所に保管し、お客様の手帳に収納金額、引き出し金額、残高を書いてもらいます」

「おお!そうすれば安全に硬貨を保管したりできるわけだな!?」


商業者たちはめちゃくちゃ喜んでいた


「はい…ですが私達も生活がありますので毎月ですが最低銅貨1枚~金貨1枚をお金のある人は高めにお金の少ない人からは安めに取らせていただきます」

「金貨1枚か…」


男たちはその金額に唸る


「あくまでも金持ちの人の場合は金貨一枚以上徴収します。確認は硬貨の振り込みと引き出しのほかに手帳書き込みと言って手帳だけを書いてもらうこともできるので安心してください。職員はそうですね2日交代にしましょう。理由は同じ人が何回も手続きをしてしまうと不正をする可能性があるからです。2人もしくは3人の交代制の場合不正発覚がしやすいと考えたためです。土曜日、祝日、連休は休みとなりますので引き出す際は注意をして下さい。硬貨換金所はとても難しい職場になるので働く方は責任を持ってください。無論お金は高めに設定します。あ!あとパスワードは3回間違えると2度と使えなくなります。そしてしばらく様子見すれば全自動化で自分で引き出したり預けたりできるようにもしたいと思います」


いわゆるATMだ。早紀の説明にみんなは大きく頷いたのだった。

硬貨換金所書けば書くほど銀行にそっくりなシステムになりました(笑)


それにしても早紀さん実践するのすごいですね…私は考えることは出来ても実践はできないです…。

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