97話 見えてきた星
「見えてきたぞ!」
真理愛が叫ぶ。
「あれが妹さんの?」
「ちょっと大きくない?」
早紀とマリが目を輝かせる
「あぁ……ん?」
「いらっしゃーい!お姉ちゃーん!」
とどこからともなく声が聞こえ星の形が変わる。
「みろ!開いていくぞ!」
朧月の言うようにその丸い星は前が空き中には機械仕掛けの空間が広がっていた。
「どうぞ入ってー天優国の皆さんも歓迎するよー!」
「何故お前たちの情報が漏れているんだ?」
灯里が険しい顔をする。
「マスターの指示によりお迎えに参りました」
「「うわあ!誰!?魔力を感じなかった……」」
そう気づいたら真横に女の人が立っていた。
「はじめてお目にかかります。私は佐々木樺実奈様にお仕えする戦闘用メイドロイドサリーと申します」
「戦闘用……」
「メイドロイド???」
早紀は何となく感づいていたのだがマリは全くわかっていなかった。
「おいおい何の騒ぎ……」
「大丈夫ですか!?」
マヤとラミが走ってきた。
早紀はメイドロイドの事を2人に伝える。
「なるほどお前の妹というわけか……」
「となるとアンドロイドだから魔力は無限??」
「はい、私たちの魔力は無限に設定されております。しかし能力はそれぞれ違います。今は全属性のアンドロイドを制作しております」
「なるほど……」
早紀わ呟く。
「おい、まだ仲間でもなんでもない俺たちにそんな簡単に教えてもいいのか?」
「はい、樺実奈様はあなたたちを信頼しております。姉がいるのなら安心だとおっしゃっています。ついてきてください。案内します」
天優国付きミラス星はそのまま星の中に入っていき後ろが閉まった。
「それにしてもここにいるの全員アンドロイド?」
「はい、すべて樺実奈様がおつくりになられた者たちです」
「嘘だろ俺より強いじゃねえか!な~奈落ちゃーん」
「バンパー様うるさいです」
「何をやってるんじゃお主ら……」
2人の話し合いに突っ込みをいれるミカエル……。
刹那とノーリンは興味深そうに周りを見つめている。
「こちらです。どうぞ」
とサリーは大きな扉を開ける。
「あなたが早紀ちゃんだね!待ってたよー!」
目の前には2人の女性がいた。
「樺実奈!良かった無事で心配したんだぞ……ってそれは」
真理愛が隣の目を閉じている女性を見る。
早紀には分かった。あの女性はこの中で特にやばいやつだと。
「えへへ~さっき目覚めたんだー!あたし渾身の最高傑作!ミレイだよ!」
「マスター最高な名前有難うございますね」
「うん!最高傑作で最高バッテリーの持ち主!」
「お目覚めになられたのですね。おめでとうございます」
サリーがミレイの顔を見る。
「はるか遠くにかなり強大な力を観測できました」
「多分あの子らたちだな……私の竜眼でも観測できぬというのに」
「嘘だろ……俺でも気づかなかったぞ」
刹那が呟く。
「ふふーん!んで?何しに来たの?あたしのお姉ちゃんを利用してここまで来たってことは何か理由があるんだよね?」
樺実奈が真剣な顔で先の顔を見る。
「さすが樺実奈さんです。はい実は」
早紀と未紀は今の状況を詳しく説明した。
「ふーん……はっきり言って勝てないよ」
樺実奈の答えは即答だった。
「今の私達ならあの人らに勝てない、問う言うか相手の能力何も知らないんでしょ?」
「いえ!女の人は剣技がすごく私もすぐやられました……」
「それだけ?ほかの3人は?」
「まだ何も……能力を見せてなかったはずなので……」
「となると自動で発動する何かじゃないかな?ね?サリー」
樺実奈がサリーの顔を見る。
「お茶をお持ちしました。どうぞ」
ミレイがお茶を配ってくれる。
「私も自動で発動する何かだと考えます」
「早紀ちゃんもいろんな能力持ってたよね?」
「確か早紀もほぼ自動のやついっぱいあったね」
「後確信したのが今危険気配察知で遠くで調べたら、なんか敵がそこでどんどん増えてるんだよねー。代わりにどこかで反応が消えているし」
「「は?どういうことだ」」
早紀達は目を丸くする。
「つまり誰か1人は自動蘇生持ちだということです」
ミレイが話し出す。
「さすが!あたしのミレイちゃん!そう!その蘇生時間は大体消えて生まれるまで約0.002秒!じゃじゃーん勝つのは不可能!それに……」
さらに顔が険しくなる。
「その2人に並ぶ力の者が1人あなた達が知らないはずないよねえ?」
「覚醒大魔王の事か……」
「かっこいい名前!」
「まて俺たちが見た異世界人は3人だぞ」
「うーん残り1人は圧倒的に弱いよ?問題はその他だよー」
樺実奈はやる気が無さそうにお茶を飲んでいる。
「あいつらの目的はこの世界を滅ぼすことです。あなたにも関係のある話ですよ」
ラミが歩いてくる。
「この世界?え?気づいてないの!?あいつらの目的は【すべての世界を滅ぼす】ことでしょ?あいつらだけを倒しても無理でしょー」
「そこまでわかってるなら協力してくれても……」
「誰も協力しないとは言ってないよー。勝てないとは言ったけどね」
「え?それってつまり……」
「話には乗ってあげるけど今のあなたたちは弱いからなぁ……そうだ!ミレイと戦ってみたら?ここで!えっと相手は……早紀さん、そしてあなた!と……真理愛さんで!」
樺実奈が手を挙げる。
「え!?」
「……なぜ私……?」
「屈辱だな妹に負けるとは……」
指名されたのは早紀、ユグドラシル、真理愛だった。
「3対1はさすがに舐めすぎだろ主の事」
「私それは許容できないなあ」
朧月とマリが前に歩こうとした瞬間目の前にミレイが現れた。
「「!!!?いつの間に!!」」
「全く見えなかった……サキエル?」
隣ではサキエルが震えていた。
「見えませんでした……私は守護神最速と言われています……その私が目で追いつけないスピード……でした。あり得ないです」
「さて!やる気になってくれたかなー?もちろん殺しはお互いナシね!」
「かしこまりましたマスター」
早紀達は軽く頷いた。
そうして急遽早紀、ユグドラシル、真理愛VSミレイが決まったのだった。