9話 暗黒生涯日記
クラリの衣服の生産地を町から聞いて回って
そして辿り着いた
~リルリル国~
リルリル国は小規模な国だった
しかし平穏だった
ライル
「平穏だったはずが何故だ…」
ライルは国を回った どこも寂れている
人がいない
だから不法侵入しても誰も困らない
ライル
「人々の家に日記だけが綴られているな」
日記だけが置かれた状態だった
日記にはその人の半生が描かれていた
ライル
「人生を綴った日記 これは何なのだ」
日記帳には完結まとめで全てを綴っていた
ライルは中央広場に日記を持ち運んで
そこからクラリに対しての詳細を調べた
ライル
「日記には100年前でも調べることが出来るからな」
そして昔の人間の日記を見て
クラリの知り合いに対しての日記を見た
≪クラリと今日も遊んだ
楽しかった いつまでも同じ日常が欲しい
そう思った
クラリは次の日も次の日も
いつもと変わらない表情で遊んでくれた
いつまでもおかしいと思った
何故クラリは変わる事が無いのだろう
それを聞くとクラリは表情を歪ませた
クラリがいなくなった
クラリはどこへ行ったのだろう
旅に出ようと思ったら俺達はこの国で隔離されている事に気付いた
確かめる術は無い だからこの本に書き記しておく≫
ライル
「この国は閉じ込められていたのか
では、どうして人はいないのだ」
ライルは日記を取っていると
新しそうな日記を見た
ほこりをかぶった日記が多い中、新しいのだ
≪先生が死んでしまった
クラリという少年を探す為に
そしてリルリル国から抜け出す為に
ゼロクヴェルという破壊組織が結成された
子供だった俺達はゼロクヴェルの目的通りに
破壊衝動と破壊行動への教育を施された
別に苦では無かった リルリル国から抜け出す為にも先生の笑顔を取り戻すためにも
俺達は子供ながらも先生へと意識を伝い合っていた
しかし、そこに一人の少女が登場した
そしてゼロクヴェルを破壊した 一人の少女がだ
少女は発狂したように破壊した
発狂した少女と俺達は仲が良かったはずだ
しかし少女は発狂してそしてゼロクヴェルを破壊したのだ
俺達は命に別状は無かったが
たった一人だけ子供達に愛を捧げてくれていた先生が死んだ
そして俺達は誓ったんだ
この狂人を破壊する事を
狂人を、狂人を、この国を≫
ライル
「すると、この国はその隔離状態を払拭させる為に
幾つもの行動を重ねて記憶する為に日記帳に記して生きていたのか
では何故…ここに誰もいないのだ…」
狂人の国というものが脳裏を駆け巡る
ライル
「ゼロクヴェルの子供達はどうしたのだ」
ライルは上空から見下ろす為にも
大きな建物の屋上で見下ろす事にした
すると屋上で本が突風にあおられながら開かれていた
その本を手に取る
ライル
「これは…なんだ」
ライルは思わず本を屋上で投げ飛ばした
そこに何かのオーラを感じたからだ
そして本は屋上から落ちていった
本が落ちた瞬間、本の意識が開花した
そして本の意識が開花したと同時に
本に描かれていた通りの本当の国の惨状が蘇る